第3話 感激のルームサービス

「わあ、すごい。」


「うわあ、きれい。」


タケルと鈴は感嘆した。部屋は広くて、ベッドやソファ、テーブル、テレビなどが揃っていた。窓からは、東京の夜景が見えた。タケルは荷物を置いて、窓に近づいた。


「見て、鈴。夜景がすごいよ。」


「うん、見てる。きれいだね。」


鈴もタケルの隣に来て、夜景を見た。タケルは鈴の横顔を見た。鈴は目を輝かせていた。タケルは心臓がドキドキした。


「鈴…」


「タケル…」


タケルと鈴は顔を近づけた。唇が触れそうになった。


「ピンポーン」


ドアのベルが鳴った。タケルと鈴は驚いて、離れた。


「誰だよ、こんな時間に。」


「わからない。」


タケルはドアに向かって、インターホンを押した。


「はい、誰ですか?」


「ルームサービスです。」


「ルームサービス?」


「はい、お客様のご注文の夕食をお持ちしました。」


「ご注文の夕食?」


「はい、お客様のお父様からのサプライズです。」


「お父様からの…」


タケルは思い出した。父親が宿泊券と一緒に、ルームサービスのメニューを渡していた。タケルはそれを見て、適当にチェックを入れて、父親に返していた。


「しまった、父さんの仕業か。」


「どうしたの、タケルくん?」


「あの、実はね、父さんが夕食を注文してくれたみたいなんだ。」


「え、本当?」


「うん、本当。」


「それは嬉しいね。」


「うん、嬉しいね。」


タケルはドアを開けて、ルームサービスのスタッフを中に入れた。スタッフはカートを押してきて、テーブルに料理を並べた。


「こちらがお客様のご注文の夕食です。フレンチコースで、前菜、スープ、メイン、デザート、飲み物が付いています。」


「ありがとうございます。」


「どうぞ、お召し上がりください。」


「ありがとうございます。」


スタッフはカートを持って、部屋を出て行った。タケルと鈴はテーブルに座った。料理は美味しそうだった。


「いただきます。」


「いただきます。」


タケルと鈴は料理に手をつけた。前菜はサラダとパテ、スープはコンソメ、メインはステーキとポテト、デザートはチョコレートケーキだった。飲み物はワインとジュースだった。


「おいしいね。」


「うん、おいしいね。」


タケルと鈴は料理を楽しみながら、話した。高校のことや、趣味のことや、将来のことなど。久しぶりに話せて、二人は嬉しかった。笑顔が絶えなかった。


「タケルくん、ありがとう。」


「鈴さん、ありがとう。」


タケルと鈴はお互いに感謝した。料理を食べ終えて、テーブルを片付けた。タケルはテレビをつけた。


「何か見たい番組ある?」


「うーん、特にないや。」


「じゃあ、何でもいいか。」


タケルはリモコンでチャンネルを変えた。ニュースやドラマやバラエティなどが流れた。タケルと鈴はソファに座って、テレビを見た。テレビの音が部屋に響いた。


「ねえ、タケルくん。」


「ん?」


「今日は本当に楽しかったよ。」


「うん、俺も。」


「タケルくんは、私のことが好きなの?」


「なんだよ、突然!」


「え?こんなところに誘っていてそれ?好きじゃないの?」


「う…うん、好きだよ。」


「本当?」


「うん、本当。」


「じゃあ、私も言っていい?」


「うん、言っていいよ。」


「タケルくん、好き。」


「えっ…」と言って、タケルは鈴の顔をじっと見た。鈴はドキドキしながら、タケルの目を見返した。


鈴の言葉に、タケルは驚いた。彼は鈴のことが好きだったが、鈴も自分のことを好きだとは思っていなかった。鈴はタケルの顔を見つめて、微笑んだ。タケルは鈴の笑顔に心を奪われた。タケルは鈴の手を握って、言った。


「鈴、ありがとう。俺も好きだよ。」


鈴はタケルの手を強く握り返した。タケルは鈴に近づいて、そっとキスした。鈴はタケルのキスに応えた。二人はしばらく抱き合って、幸せな気持ちに浸った。

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