第53話 柿の葉の美しい季節

 柿の葉の美しい季節になりました。


 毎年この時期になると、

「私は、この柿の葉の色が好き」

 と、入り口の柿の木を見ながら、妻が言います


 正直言って、妻に言われるまで、柿の葉の美しさを感じたことは、そんなに無かったのですが、毎年言われるうちに、黄緑色の新芽が美しく思えるようになりました。


 田舎の農家で育った自分と、街のアパートで育った妻の違いなのでしょう。


 やっぱり自然の中で暮らしていると、なかなか自然の変化に目が行かなくなるものなのでしょうか。


 花は美しいとは思うのですが、葉の色の美しさはあまり感じることなく過ごして来た自分です。



 ところで、我が家の柿の木は、思い切り低く、仕立て直している所です。


 高くなって手が届かなくなった柿の木を、自分の肩くらいの高さでバッサリ切ってしまって、三年経ちました。


 切り口から出てきた枝を三本だけ選んで伸ばしてきました。3mくらいになりました。


 今年はそれを、ほぼ水平に曲げました。来年は、花が咲いて少しでも実がついてくれるといいなあと思っています。


 柿は、梨と比べて曲げるのが楽で、簡単に曲がります。


「柿の木に登るな」

 と、子どもの頃に怒られたことがあります。多分、枝がやわらかくて、松や杉などにくらべ、丈夫ではないからだと思います。落ちるとけがをするからでしょう。


 実際、梨と比べるととても柔らかいです。


 それで、3mも成長した500円玉以上ある枝を、ロープでぐっとひっぱっても、折れずに曲がってくれます。梨でこれをやると、絶対無理ですw


 この柿がたくさん取れるのは、あと5年くらいかかるかもしれませんが、ゆっくり待つことにしようと思います。枝がもっともっと太らないと、柿の木は実がつかないからです。


 結局柿を切ってから8年経ってしまうのかな。

 ももくり3年 かき8年 ですし。


 でも、実がついていた木を低くしたので、なんとか早くなって欲しいんですけれども。柿の木は実がついても、落ちてしまう事が多いので、ちゃんととれるのは、8年後になってしまうのかもしれません。

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