“俺は彼女の永遠の一推しになろうと決めたんだ!”

神石水亞宮類

第1話 “俺は彼女の永遠の一推しになろうと決めたんだ!”




俺の彼女は、めちゃめちゃモテる女性なんだ!

美人で可愛いく性格もいいときたら? 男は彼女をほっておかないのだろう。

“俺というれっきとした彼氏が居るにも関わらず”彼女にはファンの男達が

何人も居るのだ!



『メイユちゃん元気?』

『おいおい、俺の彼女に手を出すなよな!』

『“いやいや? 皆の彼女でしょ!”』

『いや! 俺の彼女だ!』

『どうしたの福美君?』

『いつもなんでこんなにメイユのファンがいっぱい居るんだよ!』

『だって私! “地下アイドルだし!”』

『お前も最初は、メイユちゃんのファンだっただろうが!』

『“なんだよ、オレ達ファンがお前をメイユちゃんの彼氏だと

公認してる訳じゃないからな!”』

『いやいや? これって、公認だろう!』

『んな訳ないだろうが! オレは絶対に認めん!』

『もぉ~ハトムギ君! “私の彼氏をそうやってイジメないの!”』

『ほら、メイユだってそう言ってるだろう!』

『“メイユちゃんの彼氏はファン皆なんだよ、ねえメイユちゃん!”』

『そうそう! 後でライブがあるから来てね!』

『メ、メイユ、』

『福美君、行くよ!』

『・・・あぁ。』

『じゃあー後で必ライブに行くからねぇ~』

『待ってるよん!』

『・・・・・・』



・・・俺もよく分かっているだ!

彼女が、“地下アイドルの女の子で俺も元々彼女のファンだった。”

そこから、俺と彼女が付き合い出した事。

彼女がライブのトーク中に俺の名前を呼んで、その後俺にスポットライト

が当たった、そして彼女が俺の事をこう言ったんだ!


【私は福美君が好きです! 私と付き合ってください!】

【えぇ!?】


皆ライブ終わりで、アドレナリンが出ていたのか?

俺の返事待ちになってしまった。


【アイドルからファンに告白してんだから、はっきり答えろよ!】

【男だろうが! 言えよ!】

【好きなのか? 嫌いなのか? はっきりしろ!】


【俺はメイユの事が好きです! 俺の方こそ付き合ってください!】



・・・まさか!? こんな形で俺と彼女が付き合い出すとは?

俺は他のメイユのファンの奴らも俺とメイユが付き合ってる事を公認

してもらっていると思っていたのに。

アイツらときたら? 日が経てば俺をメイユの彼氏とは認めんとか

言い出しやがって!

皆の前で、“俺とメイユは付き合ったんだぞ!”

しかも? 彼女から俺の事を好きだと言い出したんじゃないか!

それをなんでアイツらに認めんとか言われにゃいかんのか!



『ねえねえ、福美君?』

『どうした、メイユ。』

『皆の事、怒らないであげてね!』

『えぇ!?』

『“私にとっては、皆大事な家族みたいなモノなんだから。”』

『・・・あぁ。』

『でも、その中でも福美君は私にとって大切な存在なんだよ。』

『えぇ!?』

『他の男性ファンの人達と福美君は違うの!』

『・・・そ、それって?』

『私にもそれが何かは分からないけど、福美君はメイユにとって

特別な男性だって事は分かるから!』

『・・・メイユ、』

『だから怒らないでね!』

『うん。』




こうなったら? “俺は彼女の永遠の一推しになろうと決めた!”

俺が彼女にとって誰よりも一番の理解者になり一推しなんだと、、、!

今日も俺は彼女のライブを観に行く。

他の彼女のファンに混ざって、俺は彼女だけを推すのだ!

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“俺は彼女の永遠の一推しになろうと決めたんだ!” 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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