おばあちゃんからのプレゼント
@aimiyuki1216
第1話
「妙ちゃんは偉いわねえ、いつも片付け手伝ってくれて」
「ううん、当然のことだよ」
家から3時間離れたところにあるおばあちゃんちで、私はよく手伝いをしている
部屋を片付けたり、お話を聞いたり、散歩に付き添ったり、知人に荷物を送りたいといえば代わりにやってあげたり
しかしそれはただ私が良い子だから、ボランティア精神、そんなものではない
「お小遣いをあげようねえ」
「ありがとう!おばあちゃん」
これが目的だ
父母のお小遣いは小銭レベルだし
年齢的にまだバイトもできない
でもほしいものは全部値段が高い
こうやっておばあちゃんから少しずつ取っていくしかないのだ。
「妙ちゃんくらいよ、娘は全然きてくれないし
孫がこんなに良い子でよかったわあ
いつもこんな少ないお小遣いでごめんね
妙ちゃんもうすぐ誕生日だし
こんな私にかまってくれて恩返ししたいわ
なにか欲しいものはない?」
ある日、いつも通りニコニコしながら家事を手伝っているとそういってもらえた
よっしゃ!
いい子にしてた甲斐があった!
「あのね………iPhon〇18が今年発売するんだけど20万もして……カメラが10個くらいついてて背面がすごいことになってるんだけど、ほしいの……お願い、買ってくれないかなあ」
こんなことをいったら、父はどこか遠くを見て
なんで空はこんなに綺麗なんだろう
て言うし母はあなたにスマホはまだはやいわよ
文通にしときなさい
とかいうだろう
しかし今は読書も勉強もネットサーフィンも全部スマホで済む時代
ほしい、最新がほしいのだ。
するとおばあちゃんはピンときてないようで……
私は説明した
「わからないことを調べられたりするのね
アプリをいれて、ゲームもできるの
見た目はこんな感じで……」
10分くらい説明し
それなら見たことあったかもしれないといってもらえ
明日にでも買ってくると!
私の気分は高揚した
ありがとう、おばあちゃん
おめでとう、いままで尽くしてきた私
そして後日
「はい、お誕生日おめでとう
最新のこれ……スマフォ?スマフォじゃないのかな
でんし辞書?ですって
いまいろいろな機能ついてるのねぇ
ほら、ゲームも入ってるわよ」
「……」
うん、語学勉強のゲームは入ってるけども。
まぁ、おばあちゃんってこういう生き物だよね……
一緒に買い物行けばよかった。
私は満面の笑みで返す
「ありがとう!おばあちゃん!
大切に使うね!」
私はできる女なのでここで拗ねたりしないのだ
いい子を貫いていれば、またあらためて手に入る機会もくるだろうし
その頃には一体いくらになってるんだろう
スマホ
end
おばあちゃんからのプレゼント @aimiyuki1216
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