某有名動画サイトに顔出し配信していたんだが5人ぐらいしかフォロワーが付かず引退した。そしたら美少女に言い寄られた。それが5人も居るんですが.....まさか

アキノリ@pokkey11.1

1本目 え?

5本華のフォロワー

第1話 動画チャンネル閉めました。そして.....?

俺の名は佐藤和馬(さとうかずま)。

丁度昨日までだが顔出しで、かっずーちゃんねる、というものを某有名動画サイトでやっていた。

コツコツと1日一本投稿する感じで、である。

世界的に有名な再生のマークのある動画サイトの方だ。


約1年で364本動画を作った。

その再生回数は全部で235回となっている。

そんな動画のフォロワーは5人しか居ない。

でもその動画の中で歌がそれなりに上手いのでカラオケで歌ってみたりとかゲームの実況動画とかしていたのだが。


何だか最近ニュースでは、プライバシーが、強盗事件が、と騒がれており。

ヤバいかと動画配信を完全に辞めた。

とにかく怖いのは嫌いだ。

そう思って。


まあそれ以外にも学生の身分で調子に乗ってやるもんじゃないだろうな、とも思ったので.....辞めてしまった。

だからご都合な感じで申し訳無いが投稿が365。

つまり1年となる日に365本目の引退動画を上げてそれから何時間かして5人が観たとしてチャンネルはそのまま全てを閉鎖した。


そうしてから解放された様なボッチの俺は.....学校に登校して来る。

何というか心の鎖が破壊されて解き放たれた気分だった。

自らでやっといて何だけど。

まるで誰かが鎖を破壊してくれた様な感覚だ。


「.....さて。今日もハッスルで授業の準備と.....寝るふり準備、と」


丁度小さな鼻歌混じりで歌いながら。

そんな事を呟きながらボッチの俺は授業の準備をする。

当然だが俺には友達も彼女も居ない。

クラスメイトと親しくもない。


なので当たり前だが巷で動画の事は有名にもなってない。

当たり前だがそんなもんだ。

幾らチューバーをやっていたとしても登録者数は5人だしな。


ラストも組み合わせて253回再生では意味が無い。

才能が無い、という事だ。

これではっきりした。

365本の動画のバックアップもあるが黒歴史になるだろう。


「よし。教科書の準備が終わった」


リア充が、ワハハ、とか、だべー?、とか話しているのを喧しく聞きながら。

俺は小さなイヤホンを嵌めてそのまま眠りについてみる。

これもいつもの行事だ。


365日ずっと変わらない行事。

卒業までこれだろう。

だからまあ別に構わないし.....しかしうーん今日は眠.....


そう思いながら深夜までゲームをやっていたのもあり眠たいままそのままマジな眠りについてしまった。

すると何分か後に、ツンツン、と何か俺の肉をつつく感触が。

俺はバッと飛び上がる。


それから!?と浮かべて眠気まなこで起き上がる。

そして大欠伸を噛み殺した。

何だ?先生か?!

俺は警戒混じりに横を見る。


「あ。起きたね。おはよう!」


「.....おう。.....おは.....は!!!!?」


「四季。四季満(しきみつる)。私の名前.....覚えてる?クラス分けの時に名乗っただけだしね」


ウインクがクッソ眩しい。

目の前にボブヘアーの髪留めを着けている少女が立っている。

俺を見ながら柔和な顔をして覗き込むその少女は.....スクールカースト頂点の1。

穏やかな顔だが超美少女。

五人グループのスクールカーストのトップの少女だ。


何というか清楚かつ.....というか。

これは.....何だ?

ボッチの俺にスクールカーストトップのチームメンバーが用事.....?

俺はオズオズな態度になる。

何かやらかしたか俺。


「知ってるけど.....四季.....さん?どうした.....の?」


「うん。えっとね。君とお話がしたいなって」


「.....は、は!?」


周りを見渡す。

教室が固まっているではないか。

そしてザワザワと虫の如く蠢き始める。

マジに何だ一体、という感じで、であるが。


あちこちで、いや何だアイツ、とか、四季さんから何であんな野郎に声が?、という声が発せられる。

いや俺だって何故だよって感じだが。


何で四季さんが話し掛けてきた?

有り得なさすぎる。

だって四季さんは.....天と地が分かれる存在だぞ。

まあ端的に言うと天国と地獄ぐらいに。

俺は勇気を振り絞って聞いてみる。


「おはな.....し?」


「そう。お話。とっても大切な、ね?」


「.....へ?」


「君からしたら全く大した事ないのかもだけど。私からしてみればこれは結構重大だからね」


「.....なにを.....言ってんだ?」


目が回る。

何というか意味が分からないしリア充の冷たい視線のせいで胃が痛いんだが。

マジに何だあれ、的な感じで。


だがそれに構わず四季さんは俺の顔を覗き込む。

そして、何でチューブチャンネル閉めたの?、と複雑な顔で聞いてきた。

俺は?を浮かべる。


「.....チャンネル?.....チャン.....ネル.....はぁ!!!?!」


「私、ずっと心の安定剤で君のチャンネル、動画を観ていたよ?貴方の動画。楽しかった。.....なのに勝手に都合で閉めちゃったから。寂しいなって思って」


「.....し、四季さん。何処で知って.....と、取り敢えずはその話はまた後で.....」


俺は愕然とした。

フォロワーも再生数も少ないのに。

嘘だろ.....、と思いながら俺は心底唖然としながら、うん、と言ってそのまま戻る四季さんを見送る。


そして口元に手を添えてから瞬きをする。

頬を抓ってみる。

何だこれ夢じゃないのか?


「.....し、しかし.....これは.....マズイな。腹が痛い.....」


グリュッと腹が言う。

過敏性腸症候群が出始めた。

視線が冷たいリア充のせいで。


持病の.....ストレスによるもの。

俺は呆れながらそのままトイレに向かった。

それからトイレに向かうと。


あ、と声がした。

顔を上げると小学生と思われる様な.....居る訳が無いが。

片結びしている制服姿の童顔の少女が立っている。


顔立ちは童顔だがかなりに美少女。

見た感じ1年生だが.....。

今度は誰だよ?


「間違いないですね!.....先輩」


俺は背後を見る。

背後に誰も居ない。

つまり俺に用事!?


こんなこじんまりな感じの少女が何の用だよ!?

と思って唖然としていると。

少女は俺の前に立った。


「私、片瀬里奈(かたせりな)って言います。入学したばっかの1年生です!」


「.....おう.....で、その少女が何の用事.....」


「はい。先輩がこの学校に居るってのは知ってました。.....で、聞きたいんですけど先輩は、かっずーちゃんねる、の主ですよね?」


「.....は?.....い、いや。そうだけど.....」


「じゃあ話は簡単です。.....私と愛人として付き合いましょ♪」


胸は無いが。

その己の胸板をくっ付けてくる片瀬さん。

この時。

OPPAIという宇宙空間が浮かんだ。


ちょっと待って。

俺引力でもしかしてバラバラになるの?

え?何がどうなっているの?

何が.....?


「か、片瀬.....さん?何で.....そんな.....」


「あ。そうですね。説明して無かったです。私.....先輩がお気に入りです。.....動画観てました。だから先輩が心から好きです。愛しています。格好良いです」


「.....」


ニコニコしながらくっ付いて来る女子高生。

この時。

俺の学園生活は十分終わりを迎える事を判断した。

視聴者の5人のうち2人がこの学校に居る.....て、と思ったのだ。


だがこの中で地獄はまだこれで終わりでは無く。

俺の様なボッチに.....地獄が続く。

まだ見ぬ事が.....続く事になった.....。

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