VS.
nou
あぁ、愛しきあなた
「大丈夫、俺がいるよ」
「私がいるんだもの、勝つのは当然よ!」
私の前に立つ二人。どちらも当然の勝利を疑ってはいない。良かった頑張れた。
この二人が来てくれたからにはもう安心だ。勝利は約束された。何故なら両翼を持った鳥は今まさに飛びだったのだから。
そんな感想を残し倒れる少女。
ふっとカッコつけた二人は同時に思う。
((いや、あぶねー!))
(あぶなっ! マジあぶねえ! トイレ行ってて遅れましたとかあり得ねぇ! 髪決まらなくて遅れたとか洒落にならん!)
(あっぶなっ! 化粧気にして直してたらピンチとかお話しにならないわ。なる? なるわけないよね~)
「行けるな? ニル?」
「ええ、勿論。必ず勝利を」
(いやマジで! ニルの前でカッコ悪い所見せらんねぇし。これで鼻毛出てたら……自害しよ)
(……大丈夫? 急ぎで直してきたけど化粧は完璧? 私は綺麗? 口紅はみ出してないよね?)
「かかってこい。化け物ども、我ら双翼の鳥がいる限り、ここから先は通れないものと思え」
(カッコイイ。脳内停止しそう。いつもそうよねカイは。そうやって頼りがいを見せてくれる……)
「それでもと通りたいのなら私達を踏み越えてみなさい。出来るものならね」
(お、おお。なんて力強い言葉。ニルがいる時の安心感。こういう時に感じるなぁ)
「さあ、魔からの侵略者ども相手になってやろう」
「囀ずりなさい。そして首魁にこう伝えよ。双翼の鳥の羽ばたきの前には塵同然だったてね」
((……カッコイイー!))
(えっその台詞、どんな顔でいってんの? え? 可愛くて格好良い? 何それ最強。ニアさん最高)
(えっ格好よ。カッコイイ。『相手になってやろう』? 尊大けどそれだけの実力ありきの言葉。カイじゃなければ鼻で笑うけど、カイなら信じられる)
「グッ、グオオオォ!」
「ふっ、汚い狼煙だ」
「何千、何万と集おうとも私の後ろには行かせない」
「行くぞ」
((いや、マジでなんなの!))
(覚悟、愛情そんで度胸。どれをとっても一級品とか、ふざけんなよ! どんだけ惚れさせてくんだよ!)
(余裕、優雅さそして自信。どれをとってもそこらの奴とは比べ物にもならない! えっ何? こんな人いるの? いるのよ私の隣に!)
こうして、一つの戦いが終わった。双翼の鳥によって人は勝利の美酒に酔い。魔の者達は敗北した。そして彼の二人は何時だって前線を渡り歩き、勝利に貢献してきた。
「俺がいる」
「私がいるわ」
そう言って戦ってくれた二人は肩を並べ人に栄光をもたらしてきた。そんな二枚の翼に感謝を。
VS. nou @70441212
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