【三題噺 #36】「ゲーム」「未来」「村人」(550文字)
よく当たる占い師
未来が分かると大評判の占い師がいるらしい。
クラスの女子たちが騒いでいた。占ってもらって「本当に当たる」と大騒ぎしていた。
いつもの僕なら非現実的な占いなど気にしないのだが、進路に迷っていた僕はつい頼ってしまった。
声優になりたくて専門学校に行きたい僕と反対する両親。
占い師に僕の三年後を聞く。水晶玉を見ていた占い師は「A村の村人になる」と答えた。
家に帰ってゆっくり考える。A村とは現在シリーズ三作目まで出てる人気ゲームに出てくる村だ。その三作全部に出てくるのがA村だ。勇者の生まれた村ということで 聖地の扱いになっている。シリーズ四作目ではその村から新たな勇者パーティーに加わる仲間が出るのではないかと噂されている。
僕がその村の村人になるということは、声優になってその仲間の声を当てるということではないのか。
よく当たる占いなのだから僕が声優になるのは確実なのでは?
僕は両親を説得して声優学校へ行った。在学中にデビューした人もいたのに僕は卒業してからもパッとしない。
そんな時あのゲームのシリーズ四作目の声優が選ばれていると知った。
でも僕は交通事故で死んでしまった。
そしてあのゲームのA村の村人に転生してしまった。僕は「ようこそ。A村へ」と答えるだけの村人だった。
あの占い師は本当に当たる。でも、これじゃない。
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