第4話
あたしはリリに憧れている。
リリってば、すごいの。声も顔も可愛くて、お星様みたいにキラキラしてるの。
あたしもリリみたいになりたくて、絵の具を髪の毛に塗った。お母さんにすごく怒られた。でも、一瞬だけリリになれた気がした。
次の日に、リリにそのことを伝えたら、リリは大きな目を丸くさせて、とても驚いていた。
「絵の具は、髪の毛に塗っちゃいけないんだよ! 体に悪いものなんだって、パパが言ってたもん!」
「でも、ココね、リリと同じになりたかったの」
「どうして?」
「だって、リリの髪、すごく綺麗なんだもん」
お星様みたいに輝いてるんだもん。
「ココの髪もお星様の色になったら、リリとお揃いになれるのに」
「……わたしは……」
リリが思い切ったように言った。
「わたしはっ、ココの髪、好きだよ!」
「でも、ココの髪、黒いからやだ。リリの髪の方がずっと綺麗だもん。羨ましいなあ」
「でも、ココの髪も綺麗だよ。きっと、ココのお母さんが、ココの髪をお手入れするの、すごく上手なんだと思う!」
リリが髪の毛を結んでいたゴムを外し、あたしに渡した。
「これあげる!」
「え? イチゴのゴム?」
「一緒に髪結んで、お揃いにしよ!」
「リリとお揃い?」
あたしは、本当に嬉しかった。
「やった! リリとお揃い!」
保育園の先生に、ポニーテールに結んでもらった。リリと手を繋いで髪の毛を揺らせば、とても誇らしくなった。
「ねえ、リリ、ココね、リリが大好き!」
「わたしも、ココが大好き!」
「ずっと仲良くしてようね!」
「うん!」
「またお揃いにしようね!」
「うん!!」
リリと手を繋いでいたあの頃。
まだ劣等感なんて感情を知らなかった時代。
あの時は楽しかった。
何もかもが初めてで、不安なんてなくて、心配もなくて、ただただ目の前に、リリがいてくれたらそれでよかった。
最近、こんな夢ばかりだな。
もう、見たくないのに。
もう見せないで。
誰か、止めて。
あたしの脳から、リリを忘れさせて。
――ふと、目を覚ました。
あたしを抱きしめて眠るリリが目の前にいた。あたしの寝間着を着て、すやすや寝ているその姿は、現実のリリであった。
(……そっか。あたしが……リリを……誘拐したんだ……)
そっと手を伸ばせば触れられる。
リリの頬は、とても柔らかくて、しっとりしていた。瞼が柔らかくて、その裏に隠された眼球は海のように透き通っている。指が唇に触れた。ふわふわした感触に、思わず眉間に皺が寄る。
「……」
完璧な容姿。
完璧な人柄。
あたしが努力しても手に入れられないものを、リリは全て持っている。
(羨ましいな)
どんなに願っても、あたしはリリにはなれない。
リリに近づくことすら出来ない。
リリは美しすぎる。
どんなに憧れても、尊敬しても、それで終わってしまう。
リリに近づくことは出来ない。
こういう形でないと、リリの視界にあたしは入ることが出来ない。
(リリは……誰にでも優しいから)
(すごく優しいから)
(その優しさをあたしは利用してるんだ)
きっとリリは、どうしたらあたしを説得できるか考えているに違いない。きっと、家に帰りたくて仕方ないはずだ。だから口座のお金だって、あんな高い額を入れたんだ。本当は、ここから解放されたいんだ。それでも、あたしに何をされるかわからないから、ずっと笑顔を向けてくれているんだ。
リリは、すごく優しいから。
リリは、とても繊細で――愛に溢れているから。
「……」
自分がとんでもなく我儘で、横暴な人物に思えた。いや、思えるのではなくて、そうなんだろう。
リリを誘拐してる時点で、そうなんだろう。
「ココ?」
胸に顔を埋めるあたしの頭を、リリがゆっくりと撫でた。
「嫌な夢でも見た?」
リリの胸が、あたしの涙によって濡れていく。
「コーコ」
歌うようにあたしの名前を呼んで、優しく優しく抱きしめてくれる。
お母さんの腕みたい。
頭を撫でてくれる。
なんて優しい手なんだろう。
「大丈夫だよ」
「……っ……っ……」
「私が側にいるからね」
優しい手があたしのうなじに触れた。くすぐったくて、肩が揺れる。リリがあたしの首を撫でた。ぞくぞくして、鳥肌が立つ。リリが起き上がろうとした。あたしは必死にしがみついた。リリが笑った。あたしはしがみ続ける。リリがあたしの上に覆い被さった。
「ココ」
あたしの、泣いて、もっとブサイクになった顔を、優しい笑顔を浮かべて、リリが覗き込んだ。
「大丈夫」
リリがあたしの荒れた唇にキスをした。
「んふふっ」
笑いながら、またキスをする。
「ココ」
耳に息を吹かれる。あたしの背筋が伸びた。リリの鼻があたしの首筋を伝った。あたしは顔を横に向けた。リリの綺麗な手があった。触れると、指が絡まり合って、一つの手だったように合わさっていく。
「あ」
リリがあたしの首を舐めた。思わず声が出た。リリの舌が肌をなぞる。
「ん」
リリの手があたしの肌に触れた。くすぐったくて、握りしめる手に力を入れた。
「リリ……?」
「しぃー」
リリが耳に囁く。
「静かに。ココ」
リリがあたしの耳にキスをする。あたしの胸が飛び跳ねる。リリがあたしの首にキスをする。心臓の動きが速くなっていく。リリがあたしの頬にキスをする。あたしはとろけそうになる。
リリがあたしの唇を塞いだ。あたしは瞼を閉じる。リリだけを感じる。リリの舌が口の中に入ってきた。頭の中に霧が生まれる。何も考えられなくなる。リリだけのことだけ。あたしの頭がリリでいっぱいになる。リリの笑顔。制服を着たリリ。手を振るリリ。あたしを呼ぶリリ。可愛いリリ。
あたしの好きな人に笑顔を浮かべたリリ。
「……どうしたの? ココ」
見透かされたように、リリの声が急に低くなり、あたしははっとする。
「今、何考えてた?」
「……えっと」
「何考えてたの?」
「リリのこと……」
「違うよね? 今、違うこと考えてた。私以外のこと、考えてたでしょ」
「リリ、違う、あたし、ちゃんとリリのこと考え……」
「今、私のこと見てなかったよね!?」
リリが大声をあげた。あたしは血の気を引かせる。
「ありえないんだけど! 誰のこと考えてたの!?」
「あ、リ、リリ……ごめ……っ」
「私を誘拐したのはココなんだよ!? ココが! 私を! 独り占めしたくて! 私、殴られたんだよ!?」
「……っ……!」
「なんで私のことだけ考えられないの!? だからココ、いつもテストの点数悪かったんだよ! 集中力も何もないんだよ!!」
「ご……ごめ……」
「謝るくらいなら誘拐なんかしないでくれるかなぁ!? わかってるの!? 私、ココのためにここにいるんだよ! 本当はこの家からいつだって出られるけど、ココに捕まってほしくないから、守るためにここにいるのに! ココって、いっつもそうだよね!! 人の思いやりを踏みにじって! 本当に、酷い女の子だよね! ココって!!」
「…………………………」
「……で? 何考えてたの?」
「……リリが」
「うん」
「好きになる人が」
全員、
「あたしが、好きになった人だったなって」
「それ、届く?」
背伸びをしていたら、クラスメイトが声をかけてきた。
「ちょっとごめんね」
「あ」
彼はあたしが取ろうとしていた本を軽々と取り、あたしに差し出した。
「はい」
「ありがとう」
彼は図書委員会のメンバーで、毎日ここで他のメンバーと駄弁っているのを時折見ていた。
「そのシリーズ面白いよね」
「あ、うん」
「俺も好きなんだよ。それ。今3巻目?」
「うん」
「3巻もめちゃくちゃ熱いから気に入ると思うよ。ぜひ読んでみて」
「ふふっ、ありがとう」
クラスメイトとあまり話す機会がなかったから、フレンドリーな彼が声をかけてきてくれて、正直とても嬉しかった。それに、小学校を卒業してから、男子と話すことはかなり減った。だから、なんだか特別な気分になれて、あたしは浮かれていた。
その一日で終わるんだろうなって思っていたら、4巻目を借りようと図書室に来た時に、彼が丁度カウンターに座っていた。あたしが借りてきたのを見て、笑顔を向けてくれた。
「あ、とうとう4巻目か。3巻目どうだった?」
「正直一番好きだった」
「綺麗な終わり方してるんだよね。あれはずるいんだよ」
「あははっ!」
本を読むのは嫌いじゃなかった。物語も、エッセイも、ハウツーもなんとなく読んでた。でも、いつか本を借りに行くのが楽しみになった。
「おつかれー。今日は何借りるの?」
「今日はね」
彼と話すのが、どんどん楽しくなってきた。移動教室の時に、彼から声をかけてきてくれたりもした。
「ね、消しゴム持ってない?」
「なくしたの?」
「なんかなくなっててさー」
「はい」
「ありがとう!」
あたしは男の子に不慣れだった。だからすぐに男の子を好きになる。
自覚していた中で、あたしは彼を好きになった。
「席替えしまーす」
「くじ引いてー」
あたしの席が、彼の斜め後ろになった。丁度彼の後ろ姿と横顔を見ることが出来る位置だった。あたしは嬉しかった。毎日彼の後ろ姿と横顔が見られるんだと思って、授業中、何度か眺めていた。眺めている時間が好きだった。ああ、あたし気持ち悪いな。でも、胸がドキドキするの。
体育の後に友達と笑いながら汗を拭う彼がいた。
昼休みに漫画を読んでる彼がいた。
授業中居眠りしている彼がいた。
あたしは何年かぶりの恋をした。
毎日がドキドキして、わくわくして、学校に来るのが楽しかった。
図書室に行けば、彼に会えた。たまに仕事を手伝ったこともあった。手伝ってたら、帰りが遅くなった時もあった。
「家どこ? 近い?」
「三駅くらいかな」
「あ、駅まで一緒に帰るべ! 暗いし」
「あ……うん! いいよ!」
彼と帰る道は、あっという間だった。彼の声が耳に入るたびに、幸せな気持ちになった。話す話題も重なって、趣味も似ていて、好みも似ていて、本当に、滅茶苦茶楽しかった。
もっと彼のことが知りたいと思った。
あくまでクラスメイトの前提で、あたしは笑顔を向けた。彼も笑ってた。共通の話題で盛り上がる。楽しかった。本当に、――あたしの孤独感が、満たされた一時だった。
――その日、黒板にはカースト一軍のクラスメイトが描いた絵と文字で華やかに飾られていた。【リリ、誕生日おめでとう!】
「ありがとぉー!」
大量のプレゼントを貰い、リリが涙を浮かべて喜んだ。
「リリ、この際に言っちゃいなよ!」
「え、や、それは……」
「五十嵐くーん!」
――彼がきょとんとした顔で女子生徒達に振り向いた。アオイちゃんと喋ってたあたしも――振り向いた。
「リリが言いたいことあるんだって!」
「うわ」
「五十嵐」
「え、えっ、ちょ、はい」
「あの……」
頬を赤らめたリリが、彼の前に立った。
「ずっと……好きでした……」
天使のような可愛いリリが、彼を見つめる。
「良かったら、私と付き合ってください……!」
「あ、よっ、あ! 喜んで!」
「「うえーい!」」
「五十嵐お前ー!」
「良かったね! リリ!!」
「うるさ……」
アオイちゃんが不快そうな顔をして、ぼそっと呟いた。
「ああいうの外でやってほしい。鼓膜破れそう」
アオイちゃんがあたしに振り返った。
「で、なんだっけ?」
「ごめん」
「ん?」
「なんか、吐き気する」
「え、大丈夫?」
「トイレ行ってくる。先生来たら、言っておいて」
「大丈夫? ココ!?」
リリが彼を抱きしめた。あたしの目が二人を見た。リリが一瞬――あたしの目と合った――気がした。だからなんだ。それどころじゃない。あたしは廊下を小走りで走り、個室トイレに入った。
便座の蓋に座り、膝を抱え、
一人で、その場で、声を押し殺して泣いた。
頭に霧がかかる。
何も見えなくなる。
消えてなくなりたいと思った。
目を瞑ったら、あたしはもうどこにもいなくなってて、
幽霊のように透明人間になってて、
誰にも気づかれずに、見られずに、
あたしはただ浮遊して、この世界を旅する存在となっている。
しかし、現実は残酷だ。
透明人間になんてならないし、目を瞑って消えてなくなるなんてことはない。
目を開ければ現実が待っている。
教室にはリリの恋人になった彼が待っている。
ショックだった。
でも、同時に、あたしは自分を責め立てた。
そんなにショックを受けるなら、なぜリリより早く彼に告白しなかったのかと。
結局、あたしは怖かったのだ。
彼と話せる関係じゃなくなるのが怖くて、逃げたのだ。
リリは勇気をもって一歩踏み出した。
先を越された。
リリに勝てるはずがなかった。
出会った時からそうではないか。
あたしの好きになった人は、皆リリの彼氏になったではないか。
(……忘れてた)
そうだった。
(あたしが悪い)
奪われたんじゃない。
行動しなかったあたしが悪いんだ。
(あたしが全部悪い)
あたしは顔を上げた。そして、トイレの壁に指で文字を書いた。
自業自得。
「あたしが、悪い」
「全部……自業自得……」
リリとあたしは正反対。
だけど、好みのタイプは【お揃い】だった。
一ヶ月後、リリと彼は別れた。
リリはいつものメンバーの中で楽しそうにしている。彼もいつも通り教室から出ていき、図書室に向かった。
アオイちゃんが訊いてきた。
「ココ、今日は図書室?」
「ううん」
あたしは笑みを浮かべる。
「帰る」
「……そっか。なら、一緒に帰ろう。私も部活ないからさ」
「あ、本屋寄ってもいい?」
「ん? なんか買うの?」
「うん。読んでたシリーズ物の5巻目がね、どこにもなくて。多分本屋にならあると思うから」
「私も漫画買おうかなー」
リリの笑い声が聞こえる。あたしはその音をかき消すように、椅子の音を立てた。
「あたしとリリは正反対だけど」
「好みは……似てたね」
リリの頬を撫でた。
「今更思い出しても仕方ないのに……ごめんね。リリ。あたしが……馬鹿だった」
リリの額があたしの額に重なった。青い目があたしを見つめる。
「あたしのせいで、リリは家に帰れないのに、本当にごめん……。……無責任だったよね……」
リリの肩に腕を回す。
「もう、リリのことしか考えないようにするから……」
お願い。リリ。
「リリだけは……あたしのこと……嫌いにならないで……」
「私が、ココを嫌いになるわけないでしょう?」
私は――愛しくてたまらない荒れた唇にキスをする。
「昔のことって、ふとした時に思い出しちゃうよね」
「……ごめん。もう、思い出さないように……するから……」
「ココは過去に囚われやすいから。でもね、ココ、人っていうのはね、今を生きてるんだよ? 振り向いてたら何もならないんだから、前を向いて歩くしかないの」
ココに囁く。
「だから、思い出しそうになったら、私との未来について考えればいいんだよ」
そしたらさ?
「ココのココロも満たされるし」
「嫌なことなんて、何一つ思い出さなくて済むんだよ?」
「ずっと、私のことだけ考えてるんだから、そんな暇なくなるでしょ?」
「ココ、ほら、これから忙しいよ?」
「未来について考えなくちゃいけないんだから、過去のことを思い出してる時間なんてない」
「ココもそろそろ前を向いて、歩かなくちゃ!」
伝えると、ココはほっとしたような、――すごく可愛い笑顔を浮かべた。
「そ……そうだよね……!」
私の笑みを見たココが納得してくれる。
「あたしも……前を向いて、歩かないと駄目だよね……!」
「そうだよ。ココ。だから、そんな顔してちゃ駄目。悲しい顔してるココを見てると、私ね、とても悲しくなっちゃうの」
「リリは……本当に優しいんだね……。あたし、最近昔のことばかり思い出して……くよくよしちゃって……なのに、リリはそんなあたしを守ってくれてる。……あたし……本当に駄目だね……」
ココの純粋な目が、光り輝いていく。
「昔のことばかり考えて、くよくよしてたって、何もならない。その通りだよね! あはは! あたし……どうかしてた!」
ココが私の手を強く握りしめた。
「ありがとう。リリ!」
強く抱きしめられる。
「なんか、あたし、すごく……勇気が出てきた!」
ココに、抱きしめられてる。
「リリって本当にすごい……! すごい、リリ。あたし、本当に元気になってきた。本当だよ!」
ココが……私を……求めてくれてる……。
「あたし、もう前のこととか、思い出さないようにする。思い出しそうになったら、リリのこと考えるから……!」
ココが――私のことだけを、思ってくれてる――!!!!!!!
「……大きな声出してごめんね。ココ」
「ううん! あたしが悪いの! ごめんね。リリは、あたしがくよくよしてばかりだから、励ましてくれたんだよね。あたし、わかってるから……」
ココは可愛いね。
こんなに可愛いココを、私以外の視界にも入れたくない。
可愛いな。
どうしてこんなに可愛いかな。
大好きだよ。ココ。
だけど、
私以外に恋をするココは、全然可愛くなかった。
ココは、あんな男の何が良かったんだろう。
本の事ばかり。童貞。ただのオタクじゃん。
(ココ、私ね)
斜め後ろから、ずっとココを見てたんだよ。斜め前にいるアイツのこと、ココはずっと色目使って見てたよね。アイツを見て、ココは嬉しそうだった。可愛い頬をアイツの為に赤らめさせて、下向いて、にやけてた。
ココ。
その頬と、その色目は、何の為にあると思ってるの? 私を誘惑するためでしょ?
いい? ココ。ココが視界に入れていいのは私だけなの。その色目で誘惑していいのは私だけなの。顔を赤くさせるのは私だけの特権なの。
アイツじゃない。
私なの。
ココが求めていいのは、私だけなの。
「いつもごめんね。リリ。本当にありがとう……」
「ううん。ココが元気になってくれたなら、私、すごく嬉しい」
過去のことはもう忘れよう。
私達は今を生きてる。
過去の男達なんかどうだっていい。
私はココを。
ココは私を。
お互いを想い合えば、それだけで、私、すごく幸せ。
「ココ……もう少しゆっくりしてよう?」
「うん。リリが許してくれるなら……」
「ぎゅって……しよう?」
「うん。リリがしてくれるなら……」
「キスしよう……?」
「うん」
近づく。
「リリが……嫌じゃないなら」
ココとのキスは、どうしてこんなに気持ちいいんだろう。
何度も何度もしたくなる。
病みつきになっちゃう。
どうしよう。止まらないよ。
ココ。
ココ。
ココ。
大好き。
私のココ。
ココ。
ココ。
「リリ……」
酔いしれるココが恋しくて、たまらなくて、私はついにやけて――ココの唇に近付いた。
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