お風呂に入りたい!ー2

 日本が『軟水』ヨーロッパが『硬水』だということはわかった。

 でも、だからなんなの?という疑問を抱いた方もいるでしょう。


『硬水』の性質について、ご説明していきます。


『硬水』は、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを多く含みます。

 このミネラルが、日本製の石鹸やシャンプー、洗濯洗剤などと非常に相性が悪いのです。


 まず、洗髪や洗顔などに『硬水』を使用するとどうなるか見てみましょう。

 日本製のシャンプーや洗顔料、石鹸などですが、硬度が高い水だとあまり泡立ちません。

 そして洗い流してもヌルヌルとした感触が髪に残りやすい傾向があります。

 このヌルヌルは、『硬水』でシャンプーなどを使用したからこそ発生しています。

『硬水』で顔・身体・髪を洗うと、カルシウムイオンやマグネシウムイオンの影響で、肌がつっぱったり髪がパサパサしたりすることがあります。

『硬水』を張ったお風呂に入浴しても、肌ストレスが出てしまう可能性が高いそうです。


 ミネラル成分が石鹸や洗剤の成分と結びつくと「金属石鹸」と呼ばれる石鹸かすに変化します。

「金属石鹸」は洗濯の洗浄力を低下させてしまうのはもとより、洗濯機や衣類に新たな汚れとして付着します。

 この汚れが蓄積されると衣類が黒ずんできて、仕上がりもゴワゴワになります。


 そのため、ヨーロッパなど『硬水』が基本のエリアのクリーニング屋さんやホテルのシーツなどを洗濯するリネン屋さんは、そのままでは洗濯に水を使うことが出来ません。

 必ず『硬水』を『軟水』に変化させる『硬水軟水化処理』という工程を経た水を使用しています。

 ヨーロッパでは、『軟水』を使用するのに手間とお金をかけているということをご理解ください。

『軟水』は『貴重な上に、価格も高い』のです。


 一つの解決策は、ヨーロッパで販売されている『硬水』対応のシャンプーや石鹸を使用してください。

 これならば、きちんと洗い流すことができます。

『軟水』対応の日本製にこだわりすぎるとダメなんです。


 一般家庭の洗濯については『硬水』対応の洗濯洗剤もあるようですが、クリーニング屋さんやリネン屋さんは、『軟水化処理』をした水を使用して『軟水』用洗剤を使って洗濯しています。

 この方が洗い上がりも仕上がりも全然違うようです。


 水は魔法で出せば良いじゃないか!と思われるかも知れませんが、魔法で出した水の成分が気になります。

『軟水』であれば問題ないのですが、ミネラルなどを含まない『純水』だとすると、これはこれで問題があります。

 先ほど、マグネシウムなどのミネラルが多量に含まれた『硬水』で洗剤を使用すると、『金属石鹸』が発生すると記載しましたが、何も含まれていない『純水』で洗濯すると、洗剤成分が洗濯対象物から剥がれないという現象が起こります。

 液体石鹸で手を洗ってから『純水』で石鹸を洗い流そうとしても、ずっとヌルヌルしているという現象です。

 ある程度水の中にミネラルが含まれていないと、被洗物についた洗剤が水に移っていかないのでヌルヌルしてしまいます。


 ということで、『硬水』もしくは『純水』で入浴・洗顔・洗髪・洗濯を行うことは、あまりオススメできません。


『日本は水が豊富』ということは皆さんご存知だと思いますが、そのまま色々なことに使用できる『軟水』が豊富な国という認識をお持ちください。


 では、文化的な側面から入浴について考えてみましょう。

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