musical dolls

猫兎彩愛

いつまでも

「ハロー!」


 私達はご主人様やお客様の為、音楽を奏でながら小さな舞台で舞い踊る。


 それぞれ綺麗なドレスを着て、宝石も付け、見た目にも華やか。


 全員が一斉に踊る訳でなく、順番に踊る。皆とても個性的。お客様にもお気に入りがいるみたい。


「どうでしたか? 彼女たちの踊り。いつみても可愛らしいでしょう?」


 そう言いながら目を細めたご主人様。どこか悲しそうな顔をしている。


 いつもと違うその雰囲気に、不安に襲われる。


 やがてご主人様は、私達に優しく微笑み、お客様の方を向き、声をかける。


「さあ! 皆様、お気に入りの娘を選んで、私の元へ連れて来て頂けますか」


 お客様が順番に、私達を1人ずつ大事そうに抱き抱え、ご主人様の所へ行く。


 私を選んだのは、少女が居るある家族。少女は私を見て、にっこりと微笑んでいる。


「素敵なご縁に感謝致します」


 ご主人様が深々とお客様に頭を下げる。お客様の内の1人がご主人様に頭を下げて言う。


「お爺さんの大事なご家族を預けて下さり、有り難うございます。きっとずっと大切に致します」


「有り難う。この娘達もきっと喜んでいる事だろう」


 私達はオルゴール、これからは新しい家族と共に音楽を奏でる。いつまでもずっと……

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