二話 Vtuber史上最強最悪の悪女に転生した俺

俺の名前は米竹輝也

本業探索者、副業でVtuberをやってるおっさんだったのだが…


ダンジョン探索中にイレギュラーに遭遇して、ここをは俺に任せて逃げろとビギナー探索者達を見逃すために殿を務めたところまでは覚えているのだが…


「おれ、助かったのか…?」


しかし、ここはどこだ…?


ベッドから俺が起き上がると、そこは俺の知らない部屋だった。壁はピンク、床には洋服や靴、散らばったメイクアップグッズ、おしゃぶりが転がっている。かなり大きなパソコンデスクの上には複数のモニターと周りには紙や箸、コップなどが置かれている。

デスクの横の棚には本や雑誌は机の上に積み重ねられていて、整理されていない。

この部屋の主は彼女はとても忙しいのか、管理が行き届いていないずぼらな人間なのかどちらかだろう。

部屋の入り口付近には立てかけ式の姿鏡が置かれている。

「え…?」

鏡の中にはパジャマ姿の女の子が写っていた。彼女は赤い瞳が大きく見開かれ、白い髪が艶やかに輝いていた。

「これが…俺?じょ、冗談だろ?」

俺は、ほっぺたをつねってみる。

鏡の中にもほっぺたをつねる美少女がうつっている。

間違いない、この鏡にうつっているのが今の俺の姿だ。

そしてこの顔には見覚えがある。

「屑霧レーナ…」

Vtuber史上最大最悪の絶望的事件を起こした…Vtuber界の名前を呼んではいけないあの人こと屑霧レーナだった。

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