第9話 新しい仲間
今日はだいぶ疲れたな、いろいろなことがあったからな。モンスターと戦い、いい経験ができた。体がだるいな、モンスターにやられて死んでしまったのか?けど、誰かが読んでいるような感じがする。
「…ですか!大丈夫ですか!」
何度も呼びかけられてようやく意識が戻ってきた。少し眠っていたようだ。
「やっと目を覚ましましたか」
誰だこのなかなかにかわいい人は。もしかして、モンスターにやられた後に聞こえた声はこの人だったのか?
「すみません、もしかして僕を助けてくれた人ですか?」
「そうです、回復魔法をかけたんですが、なかなか起きなくて。」
「そうでしたか、ありがとうございます。」
「助かってよかったです。結構な出血量でしたから、助かるかなって心配だったんです。」
おー。通りすがりの美人に助けてもらった。これは運がいい。てか、あのモンスターはどうなったんだ。
「あの!先ほど僕を襲ったモンスターはどうなってますか!」
少し大声を出しすぎたのか、目の前の女性は目を見開き驚いていた。
「あのモンスターはまだ生きてはいますが、致命傷だったのか起き上がれてませんよ。」
だいぶいいところに短剣が刺さったようだ。速すぎてどんな姿をしているのか全く分からなかったが、やっと見ることができるな。
モンスターの方を見ると、そこには、白い毛並みの犬?狼?のようなモンスターが血を流し、横たわっていた。
「すみません、あのモンスターってなんだか知ってますか?」
「あのモンスターはリトルウルフといって、足が速いことで有名ですね。下位のモンスターの中では一番の速さを持っています。そして、爪の攻撃も結構強力で、下手な装備なら簡単に切られてしまいます。」
おっと、これはなかなかやばいやつに出くわしたんだな、よく当たったわ。
「すごいですね、ウルフ系のモンスターは倒すのが難しくて、失敗する人が多いんですよ。なんせ、足が速いので、少しダメージを与えるだけだと逃げられてしまいますから。」
「たまたま作戦がうまくいったがけですよ。」
また、褒められてしまった。褒められ慣れてないもんだから結構照れるな。てか、そろそろとどめをささないと何されるかわからないな。しかし、あのリトルウルフすごくこっちを睨んでるな。怖いよ。
「とどめはささないんですか?」
「そうしたいんですが、あんなに睨んでると近づいたら噛みつかれるんじゃないかなって」
「なるほど、それでは魔法を使ってみてはどうでしょう。」
「魔力は枯渇してましてね、使えないんですよ。」
「それでは、私の魔力を渡しますので倒してください。」
なんか、頑なに自分からモンスターに近づいていかないし、盾にされている気がするが気のせいだろう。彼女は俺に魔力を流してくれた。
「ストーンスロー!」
リトルウルフに対して魔法を放つ。頭に向かって石は飛んでいき、頭を貫く。すると、またもや体が光りだした。
レベル:7、体力:28、魔力:16、攻撃力:14、守備力12、魔防:7、素早さ12。うん、前回は魔力がたまたま上がっただけね。今回はほとんどのステータスが1~2上がった程度だった。
「レベルが上がったんですね。おめでとうございます!」
「ありがとうございます、あなたのおかげです。そういえば、名前をまだ聞いていませんでしたね、僕の名前はユート、駆け出しの冒険者です。」
「申し遅れました、私の名前はミール。私も駆け出し冒険者です。回復魔法が得意です。」
「ミールですね、よろしくお願いします。僕は特に得意なことはありませんが、平均的な能力値は持っていると思います。」
「はい、よろしくお願いします。急なんですが、私は回復しか得意ではなくてですね、戦闘ができる人とチームを組みたいを思っているんですよ。もしよろしければ、私とチームを組んでいただけませんか?」
えっ、こんなかわいい人とチームを組んでいいんですか、運良すぎませんか。明日死なないといんですけど。
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