第7話 対ゴブリン戦

 結局逃げてしまった。さすがにあんな平和な世界から転生してきたんだ、異形な生命体が怖くないわけがない。しかし、スライムの変異体を倒すことができたんだ、自信をもっていこう。

 とりあえず、作戦を立ててから行こう。レベルアップしたことで変わったことを整理すると魔力が大幅にアップした。ということは前よりは強力な魔法を使えるにようになったに違いない。使える魔法がわかればいいんだが、どうすればいいんだろうか。そんなことを考えていると、ステータスバーが表示される。「今の魔力で使用可能な魔法はファイヤー、ファイヤーボール、ストーンスロー、トラップ。」意外と聞けば教えてくれるのかもしれない。魔力の消費量は?「ファイヤー:5、ファイヤーボール:15、ストーンスロー:10、トラップ:5」なるほど、前のスライム戦では魔力は枯渇してたんか。そう考えると身の毛がよだつ。今の魔力は全快あるのか?「あります。」よしよし、何とかなりそうだな。あとは、ストーンスローとトラップってどんな魔法なんだ?「ストーンスローは魔力で生成した石を高速で射出します。トラップは地面に小さい落とし穴を生成します。」なるほどね、それじゃ行ってみますか。

 例のごとく、作戦を考えてから討伐に向かうのであった。そろそろ初めから作戦を考えていくべきだな、そんな反省をしながらゴブリンに近づくのであった。やはりかなり離れているのに気づかれてしまう。前にも見たように剣を掲げながら走ってくる。まずは剣同士でどこまでいけるか試してみる。さすがにゴブリンであるため単調な動きが目立つ。掲げた剣そのまま振り下ろしてくる。短剣で受けることができる力であればそのまま至近距離で戦っていくつもりであった。キンッ!っと高い音が響き、よくわかった。手がしびれる。何回も受けれないやつだ。そう感じ、すぐに後ろに避ける。ゴブリンは避けたことに苛立ったのかさらに前に進み切りかかってくる。切りかかってくるといっても剣を上下に振ってくるのみであるため、次の作戦に移ることができる。何度か剣を上下に振るのを後ろに避けながらタイミングをうかがう。剣を振り上げ、前に踏み込む瞬間に魔法を発動する。

「トラップ!」

前に踏み込んだ足は魔法で生成された小さい落とし穴に埋まる。態勢を崩した瞬間に畳みかけるように魔法を使う。

「ストーンスロー!」

使い慣れている魔法ではないため一番当たりやすい胴体を狙う。予想通り思っていた位置には飛ばなかったが、横腹に命中する。命中した場所はゴブリンの肉をえぐり、血が噴き出る。致命傷にはならなかったが、隙を作るには十分だった。短剣を首まで一直線に振る。

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