099 水に流す

「なぁ、もう許してくれよ」

小川のせせらぎ、小鳥のさえずりに混じって、彼の謝罪が聞こえる。

私はそれを聞き流している。

「今日のデート楽しみすぎて寝るのが遅くなって…」

「コレの意味、分からない?」

私はトイレ用擬音装置の音を止めた。

せっかくのデート、水に流しているつもりだったのに。

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