第35話:ゴリさんが品行方正なJKっていうのは流石に無理があるって
「……あ、そういえば」
「んー? どしたん?」
「あぁいや、さっきの周年イベントっていうワードで思い出したんすけど、そういえば俺とゴリさんが友達になったのも今からちょうど2年くらい前ですよね」
『え? あー確かに言われてみればそうだね、クロちゃんと始めて一緒にゲームをしたのってちょうど今から2年前くらいだもんね。いやーそう考えると時が経つのって早いなー。 あ、今更だけど高校入学おめでとう!!』
「いや本当に今更過ぎて草なんすけど!?」
『あはは、確かに今更過ぎるね! あ、ついでにアタシ達の友達歴2周年もおめでとう!』
「はは、なんすかそれ。はぁ、全くもう、ゴリさんはいつもテキトーなんだからなー。まぁでもありがとうございます!」
という事でもう高校に入学して1ヵ月近く経ってるのに今更ながらゴリさんから入学祝いのメッセージを貰った。ついでに俺達の友達2周年記念のお祝いメッセージも貰った。
「いやでも俺はゴリさんとこんなにも長い間ずっと一緒になってゲームをやり続ける仲になるなんて思ってもなかったっすよ」
『そんなんアタシだってそう思ってるよ。こんな超クソ生意気な坊主と2年近くフレンド続けられてるなんて奇跡でしかないよねぇ?』
「あはは、その言葉そっくりそのまま
『あはは、てめぇ殺すぞたこ♪』
でも思い返してみると昔の俺達はこんな煽り合いの喧嘩なんて全然してなかったし、ゴリさんだって昔は何というかこう、大人しいお姉さんって感じだった気がするんだけどなぁ。うーん、そう考えてみると……。
「うーん、でもゴリさんってやっぱりアレっすよね。この2年間で相当に口が悪くなりましたよね?」
『は、はぁ? いやいや口悪くなったって言うならクロちゃんも相当酷くなってるからね? 絶対にアタシなんかよりもクロちゃんの方が口悪くなってるからね?』
「いやいや! そりゃあ確かに俺も自覚はありますけど、でも俺はゴリさんと違って“殺す”とか“死ね”っていうパワーワードは一度も言った事ないっすからね?」
『え……えっ? あ、あれ、そうだっけ?』
「あ、ちなみにですけど俺はゴリさんに“テメェ殺すぞ、死ね!”ってもう数えきれないくらい言われてますからね?」
『……え、えぇっと……ア、アタシそんな怖い言葉なんて一度も使った事無いんだけどなー??』
「いやそれに近しい言葉をついさっきも使ってましたけど?? え、もしかしてゴリさんはついさっきまでの記憶すらお持ちでない……??」
『うん、もう眠いし今日はそろそろ寝よかー?』
「い、いや無視の仕方が雑いって!」
そう言ってゴリさんはわざとらしく欠伸をしながら俺の言葉を遮ってきた。
『ふぁあ……だってお姉さん眠いしクロちゃんの言ってる事の意味全然わかんないんだもん。だからクロちゃんもそんな不毛な話してないでさっさと寝なよー?』
「ほ、本当にゴリさん良い性格してますよね……!!」
『ふっ、よせやい照れるやろがい』
「褒めてないって!! はぁ全くもう……はは、でもこんな感じだとリアルのゴリさんも相当な厄介系女子なんだろうなぁ……?」
『は、はぁ? いやいやそんな事無いからね? リアルのアタシは清楚で可憐かつ品行方正なJKとして有名だからね?』
「ぷははっ! 何ほざいてるんすか??」
『いやほざいてねぇよ!』
そんな感じで今日もいつも通りゴリさんがほざいてきたので俺は笑いながら話を続けていった。
「いやいや絶対にほざいてるでしょー。ってかいつも思うんですけどそれどこの漫画の世界の話っすか? 現実にそんな完璧なJKいるわけないでしょー」
『い、いやいや! 本当本当、本当の話だからね!』
「えー? んーじゃあ、まぁ清楚かつ可憐ってのは100万歩譲って認めてあげてもいいっすけど……でも品行方正だけは絶対嘘ですよ! だって俺ゴリさんに品行方正の欠片も感じないっすもんw」
『は、はぁ!? おい何でだよ!? ちゃんと感じ取ってよ! 品行方正なオーラめっちゃ出てるやろがい!』
「いやいや一切出てないっすよ……あっ、それで俺気づいちゃったんすけど、ゴリさんって時々“彼氏欲しいなー”って言ってくる事あるじゃないっすか?」
『え? うん、まぁ言った事もあるけど?』
「それで俺……何で超絶美人な可憐JK(笑)なゴリさんに彼氏出来ないのかなって思ったんすけど、今日ようやくわかりましたわ。ゴリさんってリアルでも口がメッチャ悪いから彼氏出来ないんじゃないすか??」
『はぁ!? んなわけ無いでしょ!』
「いや絶対にそうですって! だってゴリさん清楚かつ可憐かつ美人JKなんでしょ?? そ、それなのに彼氏出来ないって……それリアルでも相当に口が悪いからなんじゃないっすか? あはは、ゴリさんはもっとお淑やかな淑女を目指した方がいいんじゃないっすかねー?」
『……』
「あぁいやでもそんなん無理かw だって毎日秒で死ね死ね言ってくる脳筋ゴリラ先輩ですもんね。そんな野蛮人に品行方正とかお淑やかさを目指せっていう方が無理っても――」
『あ゛あ゛ん゛っ!?』
「う、うわビックリした!」
俺がそんな事を言い続けていたら突然メチャクチャ低いトーンでゴリさんが唸り声を上げてきた。いや普通に滅茶苦茶ビビった。
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