補足説明

補足説明:この小説のフィクションの部分

02話・03話:特殊相対性理論

 理解が難しかったと思うので、数式を使って補足します。


距離=速度×時間だとすると


的が静止している状態:

 30万キロ=光速×1秒(静止している人から見た時間)


この両辺に1.03を掛けると、普通は速度が1.03倍になるのですが、光速は超えられないので、的が動いている乗り物に乗っている状態だと、1.03は秒にかかるしかなくなります。つまり、こういう式になります。


的が動いている乗り物に乗っている状態:

 31万キロ=光速×1.03秒(静止している人から見た時間)


 この静止している人から見た時間1.03秒は、的が動いている乗り物に乗っている人から見ると1秒になりますので、的が動いている乗り物に乗っている人の時間が静止している人から見た時間よりゆっくり流れたと考えないと辻褄が合わなくなります。これが特殊相対性理論です。


06話:ダークマター

 ダークマターは、人間が観測できていない物質の総称です。ちなみに人類が観測できている物質は全宇宙の5%しかなく、それ以外は未知なのです。


08話:ブラックホール、18話:時空

 ブラックホールは光さえも出てこれません。光は質量がないのに引力が働くわけないというツッコミはごもっとも。しかし重力は、時間を含めた空間「時空」を捻じ曲げて、光がそれ以上進めないようにするのです。これが一般相対性理論です。そして、その光が出てこれないブラックホールの中心からの半径がシュワルツシュルト半径になります。


11話:光子

 光の構成物質である素粒子「光子」は、質量0、電荷0の物質ですが、微弱な質量をもつ可能性も残っていたり、電磁力の媒介物質としての役割があったり、結構ややこしい物質です。そのため、この小説ではそこには言及せず、単純な定義である質量0、電荷0で説明しました。


11話:負の質量

 2017年にワシントン大学で発見されたのは物質は、まるで負の質量のようにふるまう物質であって、実際には重さがあります。だから、この話であったように、足すと質量0になるということはありません。


12話:量子テレポーテーション

 量子テレポーテーションのイメージとしては本文に書いてある内容でいいですが、正確には「物質の二重性」と「不確定性」を含めて説明しなければ正確ではありません。ただ、ここの部分は非常に難しいので、今回は説明を割愛しました。


 また、量子もつれは、対になる同じ素粒子が必要となるので、今回の話みたいに体の一部では成立しません。また本小説では、量子テレポーテーションには距離の限界があるような書き方をしていますが、理論上、量子テレポーテーションには距離の限界はありません。


13話:集合的無意識

 これは、ユングが提唱した「人間は無意識化」繋がっているという理屈です。但し、実証されていません。そして「無意識化の中に叡智」があるという仮説は、私の創作です。


13話:魂の質量

 魂の質量は、わかっていませんと言いたいところですが、再現性がなかったので、科学的には間違っていると言われています。


14話:タキオン粒子

 光速を超える粒子として考えられていますが、いまだに発見されていませんし、多くの物理学者がその存在を懐疑的に思っている粒子です。文字数が足りなくて説明できませんが、もしこの粒子が実在すると過去との通信が可能になり、因果律が崩壊します。


14話:超光速通信

 例え、タキオン粒子があったとしても、亜光速で移動する宇宙船とのリアルタイムで超光速通信をすることは不可能です。なぜなら相対性理論では、宇宙船と地球の時間の流れが異なるので、時間の流れが異なる時空でのリアルタイム通信は不可能だからです。

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