「刹那の崖」と「星屑の海」
第07話:ジャラルディン空港にて
一樹がアルファケンタウリに出航して1年。産休を取った
そして、明日、一樹が乗った宇宙船から1回目の交信データが地球に届く。一樹の直筆という表現は正しくないかもしれないが、コンピューターによる自動通信ではない、一樹の想いが込められた初めての電子データが地球に届くのだ。
「私が勝手に名前をつけちゃったこと、怒ってないかな?」
「この暑さは、相変わらずね」
「
ふいにカフェから聞こえる懐かしい声。間違いない、
「ちょっと、
そう
「なにいってんの、
「で、この子が噂の
「そうか、この子が一樹さんと
「え、わかる?」
「そりゃ、わかるわよ。この目元なんか一樹さんにそっくりじゃない。でも、口元はちょっと
「そうなの。よく言われるの」
空港の壁全面のガラス窓から太陽の光がさんさんと降り注ぐ。カフェの横を通り過ぎるトランジットを急ぐ人々とその荷物を運ぶオートカートが奏でる不規則な雑踏が
「しかし、わざわざインドネシアまで来ることなかったのに、一樹さんのデータなら私が送ってあげたのに」
「
「はいはい、そういう心にもないこと言わなくていいから」
「じゃあ、
「大丈夫、
「あれ?
「え、じゃあ、
「そういうこと早く言ってよ、
「
「
そして
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