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さきおとも会社で会った。


僕が付き合いたいなどと言ったものだから、気まずくなると思ったけど、

さきおは自然に接してくれた。

まるでそんなことなかったかのように。

だからまださきおは僕の中であこがれの存在のままだった。

仕事があるふりをしてさきおの部署に行ったりした。

前まで勇気が出せなくてそんなことできなかったのが、

告白したあとは普通に出来るようになった。


それだけが進化した。

あこが僕のところに来て早くあさきちゃんのライブ始まんないかなあと愚痴をこぼしに来ると言うと優しく笑っていた。

僕はそんな会話をするだけで満足して満たされた。


さきおにもななちゃんの卒業のことを聞かれた。

さきおとななちゃんの話をするのは不思議な感じだった。

しばらくショックで立ち直れないかと思ったと言ったら、

真剣にうなずいてくれた。


でもさきおが居るから大丈夫だよと心の中では思ったけど、ぐっと飲み込んだ。

もうヲタはやめちゃうのかとも聞かれたけど、正直それは僕にもわからない。


だからそう答えた。

イチローさんも言ってた中学生の子が気になっていることは気になってる。

そのこともさきおに言った。

中学生!と驚かれたけど、楽しそうねと笑顔で答えてくれた。

実際どうするか。それはこれから徐々に変化していくのだろう。


ひとまずビデオ話会なるものが実施されることになっていた。

テレビ電話みたいに推しと一対一で話をすることができるようだ。

握手会の代わりだった。

ななちゃんが居ないから申し込む人が居ないのだけど、

誰かとりあえず申し込んでみようかなとは思い始めている。

その最初として中学生の子、むあちゃんを申し込むか悩んでいる。

そのことも話した。


さきおが僕のヲタ話の話し相手になった。

なんて素敵なことだろうと思う。

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