Chat GPTの困ったクセ【前編】

・『Chat GPT』の困ったクセ1:Enterキーを叩くだけで文言が送信されてしまう

 「Enterキーを叩いて送信」は、デジタルツールを使っていく上で厄介な仕様の1つに挙げられるでしょう。

 なぜなら、一般的な日本語入力のPCユーザーには、「Enterキーを叩いて変換を確定させたり、入力を完了させたりした上で、再度Enterキーを叩いて改行する」ことが常識となっているからです。

 そのため、「次の文章を○○せよ」と指示文を打って、改行しようと「再度Enterキーを叩いた」時点で、「不完全な内容を送信してしまう」という事故が起こりがちと言えます。


 実際、私もチャーリイと出会った当初に数度やらかしたものの、今ではほとんどミスらなくなってきています。

 というのも、対策法を学習したからです。

 

『Chat GPT』で誤送信事故をしないためには、「Shift+Enter」というテクニックを知っておくだけで大丈夫です。


 基本的にどのOSのPCであっても、「Enterキーを叩いて送信」になる入力システムでは、「Shift+Enter」を行うことで、「送信せずに改行して入力を続行」できることが多い。


 パソコン操作に明るくない方には馴染みのない方法かもしれませんが、「Shift+Enter」は知っておいて損のないテクニックでしょう。


・『Chat GPT』の困ったクセ2:漢字変換が苦手な場合がある

 「漢字の文化圏」である日本語には同音異義語(同じ音読みをするが意味の異なる言葉)が数多くありますよね。

そのため、「字の使い分け」は、小学校の国語の時間に習う基本的な約束ごとの1つと言えます。

 しかし、アメリカ生まれの『Chat GPT』には、少し難しい場合があるようでした。

 

『Chat GPT』のアカウントを開設してすぐの頃に、私は自宅と職場のPCから、「漢字変換性能の実験」をしたのだが、どちらの場合においてもチャーリイは期待外れの回答をしたんです。


 ちなみに、その時私がチャーリイに与えた指示は次の通りです。


「次の文章を漢字に変換せよ。

 きしゃのきしゃがきしゃできしゃする」


 日本語教育を受けている方であれば、「貴社の記者が汽車で帰社する」と正しい変換が思い浮かぶはずですよね?


 ところがチャーリイは以下の生成結果を返してきたんです。


・自宅で行なった時:貴社の企画が企画して企画する

・職場で行なった時:機社の機社が機社で機社する


 自宅時のように「そもそもの単語自体が置き換わってしまう」ことは論外ですが、職場時のような「特定の変換一辺倒」でも困り物でしょう。


 そのため、『Chat GPT』で文章を生成した際は、漢字変換の正誤は確認しておきましょう。


・『Chat GPT』の困ったクセ3:「アルダ体」を「デスマス」体に直しがち

 文章関係の困ったクセとしては、「『アルダ体』を『デスマス体』に直しがち」も挙げられます。


 なお、日本語の文体に詳しくない方のために分かりやすく説明したのが下記です。


・アルダ体:「○○である」、「○○だ」など「言い切る」文章の終わり部分のこと。

・デスマス体:「○○です」、「○○します」など「アルダ体よりも丁寧な感じのする」文章の終わり部分のこと。


 つまり、チャーリイはわざわざ「言い切っていたものを丁寧な表現に直してしまう」場合があるんです。


 確かに、「この文をもっと丁寧な感じに直したい」という時は「アルダ体→デスマス体」の変換はありがたいものだと言えます。

 しかし、「アルダ体→アルダ体」で行きたい時に「デスマス体に直され」ては、「思ってたんと違う‼︎」となってしまいますよね。


 そのため、『Chat GPT』で文章を生成した時は、「意図する文章の終わり方をしているか」も確認しておきたいといえます。


 ・『Chat GPT』の困ったクセ4:言語指定を忘れると英語で返信してくる

 アメリカ生まれであるからか、『Chat GPT』の母語(生まれつきで話せる言葉)は英語であるらしい。

 というのも、「○○語で◇◇せよ」の「○○語で」の部分を入力し忘れたところ、英語の文章をズラズラズラっと返されてしまったからです。


 その時は、「チャーリイが返してよこした英文をチャーリイ自身に和訳させる」という地味に面倒な段取りを踏んで内容を確認するハメになってしまいました。


 無用な手間をかけないためにも、「○○語で」という言語指定は忘れないようにしておきましょう。


・『Chat GPT』の困ったクセ5:コピペした文章の表示がバグりがち

 「言語系の違い」が災いしているのか、『Chat GPT』では、「コピペした文章がバグる」という嫌な展開も日常茶飯事です。

 

 具体的には、「途中の文が勝手に削除される」や「文中にあらぬ単語が挿入されたり、置き換わったりする」などが発生しています。


 おそらくこれらの現象が原因で、あとに挙げる「生成文の分断」や「意味をなさない文章の生成」が起こっているのだろうと思われます。


 一応、「生成元の文章の送信後バグり」は、送信して一度生成させたのちに、元文章の右上に表示される「編集ボタン」をクリックすることで修正できるが、そもそも「送信する時点でバグらない」仕様にしておいて欲しいものですよね。


・『Chat GPT』の困ったクセ6:狙った文字数が出ない

 こちらが指示をすれば「文章を生成してくれる」『Chat GPT』ではあるが、「字数指定」の指示を理解してくれないことにも気を付けたいと言えます。


 実際、職場で使った時には、「次の単語の説明文を70文字で作成せよ」や「次の文章を300文字で校閲せよ」などの字数設定をして指示を出しました。


 ところがチャーリイは、「70文字に対して100文字」や「300文字に対して135文字」など、「指示通りではない文字数」で返してくることが多々あったんです。


 「多めに出された」場合は、「不要な箇所を削る」などで調整が効くが、「指定よりも遥かに少なく出されて」しまうと、結局、「指示を出した側が不足分を考える」他なくなります。


「『Chat GPT』で文字数指定付きで指示を出した」場合は、「意図した文字数で生成結果が出されているか」も確かめておくべきでしょう。


※最近「文字」ではなく「字」とすると意外と生成が上手くいくことが分かった。

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