心音の秒針 アリス・ハート
北木事 鳴夜見
Ep.1
もういい。やめてくれ
ぼんやりとした病室の天井と
あんたの名前はなんだっけ。いつも
あ、母さん、さよなら。父さんはやっぱり仕事で来れないんだね。まあしかたがないよね。一人っ子なのに死んでごめん。そんなに泣かないでくれよ。
まだやりたいことがたくさんあったな。そこそこの学力だったけど、
友人の顔が次々にフラッシュバックする。エニシは部活などしたことがなかったのに無理してバスケ部に入った。素人が見ても
一週間ほどして先輩たちから見放された余った
百年に一度の無能と言われた俺たちはバスケを一から勉強することになったのだ。下駄箱前
もちろん、女子にもモテないし学業も中の下だった。それでも帰りに
高校生になって半年で、しかも家の中で
帰宅部といえばクラスで誰ともコミニュケーションを取らない黒髪ロングヘアーの美少女の顔が思い出される。確か恩田シエラとかいうハーフっぽい子。彼女が誰とも会話せずに学校から家に直帰していた様子はアイドルみたいだったな。
もっとたくさん思い出さなきゃ。やばい死ぬ。
まじで死ぬ時って目が見えなくなるんだ。それにすごく寒い。いや、だからもう俺の心臓を動かそうとしないでくれよ。
さよなら世界。
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