3日寝続けたけど、ヒマに変わりない

退屈は極上の幸福

3日寝続けたけど、ヒマに変わりない

 したいことも浮かばず、余りにもヒマなのだ。したいことが出来るまで「寝てよう」と思いたち3日ほど寝続けたが特に思い立つこともなく、寝続けることに飽きることもなく途方に暮れた朝、家人にショッピングセンターにでも行かないかと誘われた。

「そーだね、行こうか」と同意してみたものの、もう10時を過ぎているじゃない?そう、朝と言っても午前中いっぱいは私にとっては「朝」なのだ。だったらとりあえず行ってみればいいじゃないとも思うが、生来の貧乏性のせいか「どーせなら朝から家を出て」めいっぱいショッピングセンターを満喫したほうがお得なんじゃない?と思い始めた。いつものことだが、そもそも通勤だって朝の定時に間に合う確率は5分だったのに、野放し状態のいま朝の7時や8時に起きられる訳がないだろう?

「そーだね、行こうか」これで正解。

 余計なことを考えて自らをダメ人間扱いする必要もさらさらない。行ったところで2時間もふらつけば「帰ろうか」ってことになるのだから。


 目新しいものを見たり散策するのは、楽しい!

 何を見たいわけでもなく、何を買いたいわけでもなく、ただふらふらとモノを見る。ひと昔まえには“冷やかし”と言った。ウインドウショッピングとも。

ふらふらと歩きながら、知らない人達とすれ違ったり追い越されたり…、たくさんのモノが売っていて、たくさんの人がいるけれど、

私が知っているのも、私を知っているのも家人だけ。

私が何に気を惹かれるか、何を見たいか、知っているのも家人だけ。

ふーん、ずっと一緒にいるってこーゆーことか。と思う。

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3日寝続けたけど、ヒマに変わりない 退屈は極上の幸福 @jrel_0jkp

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