ゆるふわ日記!!!!!

Unknown

引っ越し祝い

 無性に寂しくなったので、数年前に絶縁された知人女性に久しぶりに連絡を取った。


 俺が去年から一人暮らしをしている事を伝えると、「引っ越し祝いを送りたい」と言ってくださったので、住所や部屋番号や本名を彼女に教えた。俺はその人に対して信頼を置いているので、個人情報を教えることに抵抗は全くない。


 ちなみに俺もその人の住んでる県や市や名前を知っている。向こうが教えてくれた事だ。


「引っ越し祝いをしたい」という気持ちだけでとても嬉しいが、何が届くのか楽しみだ。


 俺は、孤独ではない。遠くで誰かがそばにいる。ネットの画面越しに繋がってる。


 だから孤独ぶるな。でも孤独を忘れるな。その痛みは優しさに変わるだろう


 夜、無性に悲しくなり、切なくなり、落ち込んだ俺は、夜の精神薬をいつもより少し多めに飲んでしまった。ほんとは良くない。


 金曜日に病院に行く。


 野菜ジュースがうまい。タバコがうまい。


 憂鬱を解消してくれる精神薬を飲んでも、憂鬱が消えない。アパートに孤独が満ちる。ベランダで星を眺めて、2度と会えない誰かを思う。たそがれる。月が浮いてる。


 どうせまた今日も悪夢を見る。高校の野球部時代の悪夢ばかり見る。26歳になっても、まだ16歳の夢を見る。


 やることないからベッドに横になって文を書く。


 目が死んでる。


 現在、真夜中だ。


 目を閉じればあなたの顔が浮かぶが、もう会うことはないだろう。


 日々、俺は少しずつ変わっている。牛歩だが。


 彼女が欲しい。


 愛してるって言われたい。


 本や漫画を読む気力がない。テレビなんてつまらない。配信を見る気も起きない。ゲームする気力は少しある。音楽聴く気力もある。


 結婚しようね。


 人は1人じゃ生きれないみたい。


 誰かと手を繋いで街を歩いてみたい。カフェとか行きたい。おしゃべりしたい。綺麗な景色を見に行きたい。


 なんなんだ俺は。


 俺は妄想する。きっと俺の彼女は、ちょっと地味な感じで、少し暗くて、メガネをしていて、髪が少し長め。少しオタク趣味がある。そして絵が上手い。悲しい過去があって、手首には少し傷があって、精神科に通ってる。そんな彼女。


 間違いなく俺の彼女はギャルではない。


 Unknownの彼女オーディションの参加者は存在しない。


 そもそも、そんなオーディションは無い。


 なんか、生きるのって辛いな。


 救急車のサイレンが鳴っている。俺は救急車で2回運ばれたことがある。


 トラゾドンが効いてきたのか、今の俺はほとんど無心に近い。


 薬が効くと、俺は無になる。


 夜食にカレーヌードルでも食おうかと思ったが、太るからやめとこ。


 目を閉じて星空が見えたら、落ち着いてすぐ寝られそうな気がするが、実際は変なサソリみたいなやつしか見えなかった。サソリがうにょうにょしている。


 ◆


 夜を越えて、朝になって、そのうち昼になろうとしている。


 明けない夜は無い。らしい。


 今日の夢の中で、引っ越し祝いがアパートに届く夢を見た。


 俺は引っ越し祝いが来るのを楽しみにしてるのだと想う。


 もし、食べ物が送られてきたとしたら、その包装は大切に保管しておく。


 もし、形の残る物が送られてきたら、俺はそれをずっと大切に取っておく。


 思えば、家族以外の他者から貰い物やプレゼントなんて、人生でほとんど貰った事がない気がする。


 今日はバレンタインだが、女子からのバレンタインチョコなんて小学生の時しか貰った事がない。あとは妹や姉から貰っただけだ。


 今日はバイトしない日なので、お酒飲みながらタバコ吸いつつオンラインゲームでもします、か。


 こんなクソみたいな奴でも、いいんだぜ。


 お前も生きてていいんだぜ。


 いいんだぜ。






 続く




 それでも世界が続くなら/カイン

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