高校生S級冒険者は苦労人

みたらし

第一章

第1話

「メディア露出…ですか?」


突然言われた言葉に俺は思わず聞き返してしまった。


目の前に座るのは冒険者協会の偉い人…名前は忘れたけど。

滲み出る汗をハンカチで拭きながらこちらに必死に頭を下げる小太りの中年男性。


「ええ、そうなんです。今までは主にA級の皆さんに頑張っていただいていましたが、やはり、冒険者協会の最高戦力でもあるS級の方々にも是非やっていただきたく…。」


こちらの様子を伺うようにビクビクしながら喋る男性。

そんなに怯えなくても…別に何にもしないですよ…。


「…事情は分かりました。けど…自分はまだ高校生なんですけど…他の人も出てますし…それじゃ駄目なんですか?」


そう言うと男性は目に見えて狼狽え、何とも言いにくそうに口を開いた。


「その…非常に申し上げにくいのですが…他のS級の方々は何と言うか…その…率直に申し上げますと、あまりメディア向けじゃないんですよ…かと言って、現在活動中の2人の負担をこれ以上上げるのはどうかと思いまして…。」


確かに、人前に出るべきじゃない人とか、性格がきつい人とか、割と独特な人が多いしな…。


「…流石に考えても良いですか?学生ですし、直ぐには結論出せないので。」


それを聞いた男性は何度も「ありがとうございます」と言い、名刺を俺に渡してから先に部屋を出て行った。


まだ了承してないんだけど…まぁ、いっか…。


それにしても、メディア…ね。


渡された名刺を見てみると、”冒険者協会 広報部部長” ”田村たむら たかし”と書かれていた。


取り敢えず、名刺に書かれていた電話番号を記録しておくか。


そう言えば冒険者協会にはアイパイプと呼ばれる動画サイトにチャンネルがあったはず、どれどれ、一回確認してみるかな…。

うわ、チャンネル登録者70万人って、結構多くない?


編集とかクオリティ高いな…え!冒険者とモデル兼業している人とか居るの…そりゃ人気出るわ…。


これに俺も出るって…無理じゃないの?


俺の戦闘なんて華やかさから最も離れてるし…今からでも他のS級に頼みに行った方が良い気がしてきた。


けどなぁ…あの人必至だったしなぁ…。


ま、今ここで結論を出す必要も無いな。

そう思い、机に置かれた資料を纏めそれらを腰に巻いたアイテムボックスに入れてから家に帰るのだった。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

キャラクター紹介


天城あまぎ みなと

本作の主人公。

今年の誕生日で16歳になった高校1年生。

家族構成は両親と妹の4人家族だった。

妹は原因不明の病で足が不自由で何時も病院に入院していた。

4人は仲の良い幸せな家族だったが、5年前のとある出来事で3人は亡くなってしまう。

その後、紆余曲折合って叔母に引き取られ、幸せな日々を送っている。


見た目は真っ白な髪とそこそこ整った顔をしている。

割とモテるけれど、左肩から頬にかけて大きな傷があり、周りからは敬遠されている。

身長170㎝後半くらいでかなり筋肉質、体中に傷跡が残っており、どんな季節でも長袖長ズボンを着ている。

その為、着やせして見えていて、周りからは凄い怪我した細めの男子と思われている。


冒険者としては日本に9人しかいないS級冒険者に属しており、日夜色んな場所で活躍している。因みに、本名を公開してない為、冒険者協会から渾名を付けられていて、【剣王】と言う渾名で呼ばれている。

本人はしょうがないとは言え仰々しい渾名に恥ずかしいと感じている。



・簡単用語紹介


・異界

海外ではダンジョンや迷宮と呼ばれている異空間の事。

主な特徴は2つ

一つが異界に入る際は”扉”をくぐる必要があるという点。

その扉の見た目は異界によって変わっていて、各異界ごとに出入り可能の”扉”と出口専用の”扉”がある。

二つ目がどこにでも発生するという点。

其れこそ扉を開くことが出来るスペースが存在すれば良いので、空中だろうと海中だろうと、何処でも発生する。


・アイテムボックス

形は様々あり、リュックサックや肩掛け鞄、ポーチ、エコバック等々たくさんの種類があって、値段が高ければ高い程収納できる量が多くなる。



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・作者より皆様へ


拙作を読んでいただき誠にありがとうございます。

こちらは、私が息抜きに書いた物となっており、誤字や脱字、表現の稚拙さなどが見受けられるかもしれません。それらをコメントして頂けたらとてもありがたいのですが、現在私は作品を書くことを休止しており、それらの対応が遅れてしまう可能性がございますので何卒、ご理解の程よろしくお願いします。


そして、本作品ですが、ストックが切れ次第、更新がストップする事となります。

また、皆様の反応が良ければ、更新を再開する際にこちらの作品にも力を注いでいこうと思います。


長々と話しましたが、皆様に少しでも楽しんでいただければ幸いですので、お好きな様にお楽しみください。

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