第2話
二打目
◉旧友
遡ること数年前。
「これからどうすっかなー」
(つうか、今朝変な夢見た気がするけど、どんな夢だったっけ。なんか力をくれてやるぞ。みたいな?そんなだったのは覚えてるんだけど)
あてもなく歩いているとそこに雀荘を見つけた。
(麻雀か、得意だったなー。友達としかやったことないけど…そういや、旧友を手伝えって言われた気がするな!うん、なんとなく思い出してきた)
何も考えずに(まあ、ヒマだし)で雀荘に入ってみたジンギ。少し麻雀するくらいの軍資金ならまだあるので麻雀で稼ごうかなと、そんな生活を続けていた。今日も始めて入る雀荘へと向かう、すると。
「おおーーー!ギンジじゃないか久しぶり!」と店の人が懐かしそうにする。それは旧友のマサルだった。
「あれ?!ここマサルの職場なのか。偶然だなぁ!」(旧友見つけたぞ?不思議な偶然もあるもんだな。こいつを手伝えばいいのか?)
「マネージャー、こちらの方は?」
「ああ、こいつは北山ギンジ。私の学生の頃の将棋仲間さ。すげーアタマがいい奴で麻雀も強いぜ。で、ギンジはいま何やってんだ?」
「何にも。色々あって今はフラフラしてるよ。ギンジって呼ばれるのも久しぶりだ。巷ではジンギって呼ばれてるからもうそっちの名前の方がしっくりきてる」
「仁義?いいじゃんギンジの性格を表すような名だ、昔から義理堅いとこあるもんな。じゃあここでもジンギでポイントカード作っとくわ!将棋は今でも指してるの?」
「テレビゲームでやるくらいかな。シンイチがプロになったのは本当に誇らしいよ。おれは今は麻雀の方がやりたい」
「お前には麻雀の方が向いているだろうね。将棋でも奇抜な戦略や心理戦で勝つスタイルだったもんな。そこにいるコテツくんに似てるタイプだ。コテツくんご新規さんにルール説明お願いね」
気のせいか、コテツと呼ばれる男やマサルの近くに何か何秒か文字のようなものが浮かび上がっていたように見えたが、もちろんそんなわけはないのですぐに打ち消した。
(まあ、陽の光の反射か何かだろう…)
その時はそう思った。
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