第16話 「プレーム兄貴、王になる」


 はいどもども、こんにちは~。

 さてこのへんからいよいよ「インド映画である」っていう点以外、監督も出演者もあんまり「RRR」とは関係のない作品を紹介する感じになっていきそう~!

 そのうちタイトルにも「インド映画の魅力に迫る」みたいなサブタイいれなアカンかもですね(笑)。


 ということで今回はこちら!

 「プレーム兄貴、王になる」です。

 インド公開2015年、日本公開2020年。ヒンディー語のボリウッド映画。

 監督はスーラジ・バルジャーティヤ氏。主演はサルマン・カーンさん。

 

 前回も申しましたが「RRR」以来完全な「にわかインド映画ファン」と化したつづれですが、「RRR」人気に呼応するようにして各地で様々な過去のインド映画上映イベントが繰り広げられている模様。

 かくいうわたくしの地域の映画館さんでも「インド映画祭」ということで特にこの4月は様々なインド映画を上映してくださっていました。ちなみに映画館さんは「シネ・リーブル神戸」さんです。前にご紹介した、チャランさんの「ランガスタラム」を英語字幕で上映してくださった映画館さんでした。


 さてさて。

 それで、そのイベントの中にあった映画のひとつがこちら「プレーム兄貴、王になる」」。


 これはねえ……もうねえ。

 とにっっかく、幸せになる! 観てる間も何度もにっこにこになっちゃうし、あっちこっち泣けちゃうし。悲しくて泣くというよりは、あまりの優しさに、ハートウォーミングな流れにじわっと幸せな涙がうかぶ映画。

 

 冒頭は、有名な古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」を題材にしたにぎやかな舞台の映像から始まります。

 とある田舎街の劇団で俳優をしていた貧乏役者のプレーム兄貴(サルマン・カーンさん)には、ずーっと憧れていた女性がいました。プリータムプル王室の親戚で、貧しい人々のための慈善事業にとても熱心なマイティリー王女です。

 王女役はソーナム・カプールさん。めっちゃ可憐で美人、そして聡明にして高潔。本当に美しいかたでした。


 もちろんプレーム兄貴、彼女のことは最初から雲の上の人だと思っていて。要するに今でいうところの「推し」ですね?(笑) 自分が彼女のお近づきになろうだなんて畏れ多い、でもどうにかして直接お顔だけでも見てみたいなあ、なんて淡い夢を抱いていたのですが。


 実はその王室の王太子ヴィジャイっていう人がこのマイティリー王女の婚約者なんですが、この人、プレーム兄貴に瓜二つ!(っていうかサルマンさんが二役してんねんけども・笑)

 この王室、実はあれこれ内部でもめごとがあり、王太子が暗殺されかかって半死半生の意識不明の状態になってしまう。

 なんやかんやで王太子の側近に「なんやこいつ!殿下にめっちゃ似とるやん!」って目をつけられてしまったプレーム兄貴。いきなり殿下の影武者をさせられる羽目になっちゃう。


 「大好きな憧れの女性が婚約者!? そんなかたとお近づきになれてすんごく嬉しい、でもでも……」と困り果てつつも嬉しさも隠せないプレーム兄貴。自分とはまったくちがう性格の殿下になりきろうと四苦八苦。でも王女は妙によそよそしくて。

 それでだんだんわかってくるんですが、殿下、わりかしクズやった(苦笑)。王女の気持ちも考えずにすぐに肉体関係に持ち込もうとか、そういうサイテーなことを繰り返してて、すっかり王女の心が離れている様子。

 彼女だけじゃなく、弟や妹殿下たちとの関係も最悪な状態。まあこれは他の側近の思惑もあったりして気の毒な面もあったんですけどもね。

 でもプレーム兄貴の持ち前の明るさと優しさと機転によって、事態はどんどん好転していき……。


 だけど結局、自分は影武者。どんなに王女のことが大好きでも、最後は黙って去っていかなくてはならない身です。

 プレーム兄貴、苦悩します。だってもともと王女のことは大好きだったし。王女もプレーム兄貴になってから、どんどんこの「ニセモノの殿下」が大好きになっちゃってるし。


 このあたりがね! もうね! たまらんよね!

 最初はちょっと軽薄かな~なんて思えるプレーム兄貴ですが、最後はもうもろ手を挙げて応援しちゃいます。この素敵な恋がなんとか成就してほしくなっちゃう。


 もちろんマサラムービーですので、豪華な踊りとすてきな歌も満載!

 とにかく楽しめる映画! という感じでした。お勧めですよ~。

 ドスティ!

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