第7話 おまけ「バーフバリ! バーフバリ!」


 はいこんにちは~。

 予告していたとおり、今回は「バーフバリ」シリーズです!

 こちらももちろん、ラージャマウリ監督作品。前回の「マガディーラ」よりはあと、「RRR」のひとつ前の作品ですね。

 公開は第一部「バーフバリ 伝説誕生」が2015年、第二部「バーフバリ 王の凱旋」が2017年。

 当時のインド映画としては最高額の予算で製作された、とにかくアツくてアツいスペクタクル巨編です(もちろん「RRR」ではその製作費を上回りましたが)。


 ネタバレしない程度にストーリーの紹介を……と思ったんですが、とにかく全部で六時間ほどもある超大作のため、どこをどうまとめてもめっちゃ長くなりそう(笑)。

 ということでかいつまんでいきます!


 第一部の冒頭は、矢を受けて傷ついた身なりのいい初老の女性が、赤子を抱いて逃げているところから始まります。

 彼女は追手らしい兵らに矢を射かけられ、彼らをなんとか殺して逃げたものの、そのまま川に落ちてしまいます。

 実はこの女性、はるか遠くにあるマヒシュマティ王国の女王(というより国王代理)だった人。名をシヴァガミ。

 彼女は「自分の命と引き換えにこの子を助けてほしい」とシヴァ神に祈り、みずからは水に沈んで死んでいきます。

 赤子を拾ったのは、近くの村に住む子どものない女性でした。


 やがて少年は成長していきます。が、なぜかこの子、小さい頃から村の近くにある高い高い滝の上の世界をめざしたくて仕方ない子でした。成長しながら少しずつ少しずつその険しい崖をのぼっていき、やがて逞しい青年へと成長を遂げ、ついに崖の上へ到達します。そこからが冒険のはじまり!

 これが主役の「シヴドゥ」。のちの「バーフバリ」です。


 そう。これはまさに貴種流離譚。

 それもものすんごくスケールの大きな流離譚なのです!

 やがてシヴドゥは遠いマヒシュマティ王国の存在を知り、それが自分の出生と深いかかわりがあることを知ります。なぜ自分と大おば(祖母の姉妹)のシヴァガミが国を追われることになったのかの顛末に少しずつ近づいていく中で、過去の物語である父、アマレンドラ・バーフバリの物語が語られていくことに。

 ここまでで本当にほんのほんの「触り」しか紹介しておりませぬ~!


 ひとつ言えるのは「RRR」と比べて、全体にめちゃくちゃ綺麗な女の人たちが歌と踊りをいっぱい披露してくれること……かな?

 「英雄色を好む」なんて言いますが、バーフバリ(特に息子のほう)も女の子は大好き(ただし浮気とかはしない)! 女性と愛をかわす歌や踊りが美しく魅力的です。

 

 主役のシヴドゥ(子バーフバリ)を演じたのはプラバースさん。

 やっぱり筋肉バッキバキのいい体! そして甘いマスク!(死語・笑)

 そりゃ女の子にモテますわ~。めっちゃ強いし賢いし。性格も、ちょっといたずら好きではありますが、ごくまっすぐで優しいし。


 実はプラバースさんは、このあとに出てくる過去のお話の中で、シヴドゥの父であるアマレンドラ・バーフバリをも演じていらっしゃいます。

 つまり父子をひとり二役。めっちゃ大変そう……。


 父王バーフバリの時代のお話もまた、本当にわくわくドキドキの連続です。特に隣国の蛮族カーラケーヤが攻めてきたときの防衛戦のスケールが凄まじい。蛮族がめっちゃ「蛮族」していて説得力もすごい(笑)。ゾウもい~っぱい出ます。

 ライバルでありラスボスは、シヴドゥの大おばにかわってマヒシュマティの王座についた、父バーフバリの従兄弟であるバラーラデーヴァという男。

 これまたすんごい筋肉隆々のお身体! でもとても柔らかそうな筋肉で、初登場のシーンで背中の筋肉をうねうねと自在に動かすシーンが印象的でした。


 こちらの物語は、権力闘争の怖さや醜さ、また悲しさをかなり感じるものになっています。

 アマレンドラ・バーフバリが強い上にあんまりいい人なもんで、そりゃもう民からは大人気。バラーラデーヴァだって決して無能ではないはずなのに、ちょっと「こすい」とこがあって人望がない。長じるにつれ、その人気には雲泥の差が出てしまってます。

 これがバラーラデーヴァの心に消えない嫉妬の炎となって、最終的に爆発してしまったんですよね……きっと。

 人間の怖さ、悲しさ、それに対して勇気や本物の美しさとは何かとか、あきらめないことの大切さをも問いかけている作品かなと思います。


 そして観客はいつのまにか、マヒシュマティの民の「バーフバリ! バーフバリ!」という轟くような叫びに一緒に声を合わせたくなっている!

 バーフバリ! バーフバリ!


 とにかく見ごたえは十分、いやいや十二分!

 ぜひぜひ、機会がありましたらご覧ください~!


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