第34話 出発準備したら


 朝セリアーヌさんとテミスさんに挟まれて起きる、右で寝ているテミスさんのおっぱいを揉む、左で寝ているセリアーヌさんのおっぱいを揉む、良い感じ、服の上からだけど。


 「うふふ」

 「私の触らなかったら泣くとこだよ」


 そう言って二人にチュウっされた。


 昨日散々こき使われたと添い寝を請求されて馬車の真ん中に布団を引いて三人で寝た、乳繰り合いながらいつの間にか寝てしまっていた。力が子供なので襲えないのが助かったのか、悲劇なのか。


 「僕のおっぱい、はい」

 「クーちゃん!!」


 そんな薄着で胸を張られたら目のやり場が決まってしまう。


 この馬車は今女子専用なので皆薄着で開放的、デバスさんとガラリアさんは久しぶりの男のみで騒ぎすぎ夜番を強制されている、多分寝てる。

 ばたた、ばたた、ばたた。

 おん、わん。


 ナクとユウが外で遊んでるしここには留め人がいる、大丈夫だろう、と油断して立ち上がったら空気が止まった。

 朝のだ下を見るな下を。


 色っぽく半身を上げる二人を目の隅でがん見しながら座席に置いてあった服を着て。

 「どうしよう」

 「だめかも」

 「もつかな」

 「一回聞いてみる」

 聞こえるように言ってるだろ、でもどうなるんだろこれ、何とも複雑なふりをして外に出た。


 少し霧が出ている中シンクやテーブルを確認、まあ片付いてる方だ、神社の祭り明けはこんなもんじゃない。

 水瓶を見に行く、昨日テストでいろんな鉄のひだを作ったのでどれに一番水滴が付くか見に来た。

 ぽたぽたいい感じに水滴が落ちている、見たところ拡大鉄の一番薄いのが多いみたいだ。

 左手でポールに触れて右手でウインドウに鉄棒を入れ鉄の入れ替えをする。


 もう少し欲しくなったので前後にポールを立てて、露回収幕を三枚にした。後は冬だが雪が降ればどこでも積もるし、・冷たいな。

 ここの水は知らないが普通井戸水は十度以下になることは無い、雑巾がけが辛くなったのは水道のせいだったりする。


 水瓶の下に焼却場所を作る、縮小鉄で骨組みを作り気泡鉄で作った水瓶なので保温力は高いが凍ったら出なくなるので念のため、囲いも作る風除け、秘密基地になりそうだ。


 砦に行くと当番の男性が物見台から手を振ってくれた、サンドイッチの人だ。


 「朝食も出しますよー」

 「ほんとか、助かるよ絶対行くよー」

 挨拶をしてシンクに向かう、シンクに水タンクを作るため、気泡鉄で箱を作り下に薪を置ける筒を通す、薪を一本入れて燃やして終われば耐熱蓋で閉じる、試したら五十リットルくらいを人肌で半日以上保った実績がある。

 これを作った。昨日の収支は金貨二十枚の黒字もう少し返したい。


 平たく大きい水タンクを作る、簡易ボイラーだ、乗せたり横に置くだけで熱効率が上がる、周りを見ると木が減ってるように見える。後は換気口、此処にはたくさんの煙突が出ている、丸太の壁に四角い穴を開け石を組んでその真ん中からスチール製の煙突が出ている、そこに換気口を煙突を巻くように付ける。


 煙突式暖房機は煙突から煙を出すわけだが燃焼に室内の暖まった空気を使うため外の冷たい空気を取り入れるから室温が下がる、その冷たい空気を煙突で少しでも温めて効率を上げようというもの、村で成功している。


 実演用のミニチュアに火を入れていると肝っ玉母さんが来た。

 「マイヤーさん、おはようございます」

 「あーそのいや、すみません、おはようございます」

 「朝からお騒がせしています」

 「いえ、その気になってしまって。何です?沢山」


 色々説明した、吸気口は案の定半信半疑の様子だったので実演ボックスに手を入れて温度の確認をしてもらった。

 「へー違うね、え、暑!、こっち熱い」

 「気のせいじゃ無いでしょう?」

 「でも煙突いじるのって危ないんじゃないかい?」

 「穴とかは気をつけなきゃいけないですよ、なのでこれは直接煙突に空気が触れないように二重壁になっていて下向きにしか吸気口が開いてないので問題は起きにくいです」

 「煙突の点検はこの間終わったとこだよ、いくらくらいのものだい?」

 「ここの設備ですよ貸与品です」


 そのころ住人たちが起きてきたのでボイラーの説明をしてミニ蛇口が付いたタンクも配った保温機能もあるし色々使えるだろう。


 あとスリングを作る、昨日作ったのはライカさんに四十枚以下では絶対出さないように言われた、翅のない風に強い弓矢をこの間の黒鎧が使ってたので模したのを置いてあった、握りがしっかりしていて矢を預けるスリットが入っている物だがそれを売ってあげたらしい。


 形はいつものバネ量り、カタパルトを上に出し適当な石を置いて打つ、最初は狙いを付けれなかったがカタパルトの形を変えて使えるようになった。ストッパーを単純にカタパルト前にしたおかげで下向きもいくらか狙える。


 五倍力のおかげか子供たちの力でもなんとか使えるのを見て小さめを三つ作ってあげた。


 「ファーストランチ開店でーす」

 リリカ、ねえリリカ、ほんとに。


 朝食をとっているとかしまし娘にライカさんが絡まれてるように見える光景が、地獄耳発動。


 「私たちの馬車貰えたんだけどあれって売ってもいいよね」

 「良いと思いますけど難しいと思いますよ」

 「たとえばこの馬車を金貨千枚で売ったとします」

 「せっ千って、何言ってんの」

 「一度暮らせばわかります温かく静かで何より眠りたいときにホントに静かに眠れます、あれの酷い私が初めて静かに過ごせたぐらいです」

 「その上軽くて丈夫、あのキュリちゃんがずっと引いてくれてるんですけど一度もムズがることもなかったです」

 「逆に日に日に元気になってる見たいだ」

 「いっぱいたべれる」


 ライカさんリオナさんマミルちゃんが絶賛してくれる、うれしい。


 「だ、だけど何が難しいのさ」

 ポーステさんが言う。

 「ちらと見たけどあれ、普通でも金貨百枚を切るくらい。しかもあの細工、ただで帰れたら神様に感謝しなくちゃいけないわよ」

 「だけど馬が居なくちゃ移動が出来ないんだよ」

 ハミラさんがグロスくんを抱きかかえてしょんぼりしてしまう。


 「三人の中で風使いの人いますか?」

 近寄って聞いてみた。

 「あ、これは先日は失礼をあの私たちはその平民で」

 「僕もまだ認知されてませんから気にしないでください」

 「殆どの芸人は風使いですよ、あたしの娘だけが火使いですけど」

 男役のキリセラさんか、娘さんは天パの子だな。

 「足腰に自信は?」

 「移動以外は練習もあってほぼ踊ってるよ」

 「特別ですよ、グロスくんの景品です」

 「「「?」」」

 「かったー」

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