第21話 カレーを食べてみれば


 「ごちそうさまー」

 「今回のは比べ物にならなかったです。」

 「ほくほくお野菜甘くておいしー」


 

 「姉様酷いですお野菜ばっかり食べて」

 「シンシア野菜嫌いじゃなかったの」

 「あれは違いますとっても甘いもの」

 「ローちゃんも好きぃ」


 「これ食べたら体が熱くなっちゃった」

 「初めて食べましたわこれ作れるでしょうか?」

 「教えてもらえると良いですね」


 「カー、食いすぎた、あ団長は今日夜番ですよ控えた方が」

 「いやだもく、まだ食うもく」

 「ねえそろそろ変わってくれないー、すっごい匂いするんですけどー」

 「ホントに、一寸姉貴残しといてくださいよ」

 「はっはは、運がないね出来立てはうまいぞー」


 良好良好でもイケオジ、ガラリアさん、冷めたエビフライをカレーにしずめるとこれがまたいけるんだよ。

 ジョイさんてセリアーヌさんの弟?全然似てないな。


 「お酒飲んでもいい人いますか」

 大人組三人とマリナさんガラリアさんと。

 「クーちゃんはだめ。」

 「なんでー」

 「ガラと有ったでしょ」

 「時効だよー」

 「ガラ、よそ見すんな」

 「いや、大丈夫だよこいつ妙にエッチだからついな」

 「「「「最低ー」」」」

 「酒精の強い焼酎、甘みを足した麦酒、ワインがありますよ」

 「あたしは麦酒ー」

 「ちょ、クーちゃん」

 「マリナと一緒だからぁ」

 「もう、じゃぁ、あたしはワインで」


 全種類リクエストがあったので一瓶ずつ冷蔵庫から持ってきた。


 「何であるんだ」

 聞こえない聞こえない、あんたが冷蔵庫開けた時にガン見したからだよ。


 さて後はリサとリリカに任せてローデルにリクエストされたものを考えよう。


 要望は湯舟、風よけ、ストーブ。

 まず風呂、伴侶も出来たし少し自由が利くように、伴侶って言われた時のバニラさんのかわいいことかわいいこと、いや違う。

 五右衛門ぶろはどうしても球形になって運びにくいし安定がもう一つ、自分でも火力調節ができてと。


 私に頼りっぱなしは怖いと、もっともな理由だったな。


 出来たのがひっくり返した野球帽?バスタブに恒が付いた様な恒の下に熱交換のパイプが三本ありそこで火を焚く、水を足すときも恒に垂らせばお湯になってくれる、いいか。


 風除けは例の屏風、背負いやすいように六十センチ幅で折りたたんで腕通しも付ける前のと二つあればパラソルと隙間ないように出来る。バニラさんが持つそうだからそのまま雨具になるように一枚だけ倒せるように。


 あとはストーブか今のは一人用で近づいて使うやつ、うーん。

 実はストーブの欠点は熱が集中することだったりする、熱交換は温度差があるほど進んでしまうので出来るだけ早く拡散したい、だけどこれ以上かさ張るのも困る、なので屏風を改造外側を気泡鉄にして内側に倒れるようにパネルを追加、煙突が通るように加工、昔ストーブ用の傘が売られていたのを思い出した、熱気を下向きにたたき返す奴。

 ボイラーをイメージしてストーブの後ろに平たく大きな湯たんぽをくっつける、寝るときは、外して抱いて寝るなりなんなり。


 リオナさんとシャサちゃんが見てた、夕べ少し冷えたから、なので四連結の湯たんぽを作ってあげた大きいけど片面が気泡鉄になってて持ちがいい。

 スペースが足りなくてパンテさんの分はない、二人も気にしていないようだ、猫を飼うなりしてください。


 パーテイションの裏に入ってローデルさんと繋ぐ。


 「はいこれ、こんなのでいい」

 「ああ、すまない、ありがとう」

 「あ、前の屏風も貸して」

 「台風が来そうでさ、この屏風も扇状になるようにするから」

 「パラソルは最小の広さにするの覚えてる?」

 「骨を必要分引っ付けるんだよな?」

 「はい、これを内に巻いて補強して」

 「それとワイヤーロープとペグ十本台風が来たら二本ずつ打ってね、うち五本はパイプになってるから中にこの楔を打つと頑丈だよこっちの小さい八本はパラソルの骨用、風をはらむとどうにもできないからしっかりとね」

 「ははありがとう、いよいよとなったら太い木でも探すよ」

 「折れるよ?」

 「え」

 「見たから」

 「まじで?」

 「まじで」 


 まあ留め人が災害で怪我したとか聞かないから大丈夫だと思うけどね。




        ★


 

 「団長お疲れさまー、甘いお茶どうぞ」

 「ああ有難う」

 「これ最初煙突だと思ってましたよ」

 「ここから車内の明かりを全部賄ってんだと」

 「すごいですよね、あったかいし」

 「残念だったな」

 「ゲームですかナツフカさん強かったです」

 「美味そうだったな」

 「子供たちに行き渡ったみたいでよかったですよ」

 「芋飴だったか、何時か貰えると良いな」

 「ええ、あれ、何か動きませんでした?」

 「どれ」

 「まぶし逆、逆です」

 「すまん、おう、熊?」

 「逃げちゃった」

 「戻さないと中真っ暗ですよ」

 「おう、そうだった」

 「あれガラリアのとこクリームじゃないか」

 「ええ持って行ってもらいました」

 「良いのか」

 「微妙なんですよね二人」

 「ああ五人目になるのか、迫られるな」

 「まあ優良物件ではありますしね」

 「そう言えばテミスは大丈夫か」

 「まだ馬車で動けないです」

 「こっから見ても出てたもんな」

 「ホントにあるんですねあんなこと」

 「まん丸だったもんな」

 「ふう、おいしい」

 「ミルク入れるのいいな」

 「ええ」

 「よかったですね」

 「こういうのを星の巡りって言うらしいぞ」

 「へえ」

 「じゃあ深夜に来ます」

 「足元気をつけてな」

 「この階段見た目より安定してますよ」

 「ああそうだな、じゃあ」

 「はい」

 宿車の上から平和な声が聞こえるいいなこれも。

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