幕間

 しばらく茫然自失としていた。


 ストックたちに囲まれたジニアは無事なのだろうか?


 そんなつもりじゃなかったのに。


「心配?」


 ノームが気にかけてくれるが返事をできそうにない。


「ヒロくんは運が悪かっただけだから。良い場所知ってるの。私たち精霊が合流したいと思っている領地、アトランティス。どうかな?」


 ノームの羽ばたく音、流れる風の音に包まれながら、真っ白になった頭の中を一生懸命整理するけれど、まとまることはなかった。


「今は難しいか。とりあえず連れていくだけ連れて行くから」


 返事も何もできずに、ただノームに抱きかかえられながら風に吹かれていた。


「とりあえず孤島まできたよ。大丈夫だって。ジニアの人気ぶりみたでしょう?」


 うなだれていると、ノームは根気強く話しかけてくれた。

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