眩しすぎる太陽

千蘭

第1話

 「あきら! 久しぶりだな。ま、先月も呑みに行ったけど!」


 昇華学園しょうかがくえん高校の同窓会はとても賑わっていた。そんな会場の中、よく通る明るい声に呼ばれ乙井おとい陽は振り返った。視線の先には明るい声がよく似合う明るい笑顔で、小学校からの親友である家弓かゆみ光紀こうきが立っていた。今も交流がある親友を見つけ、やっと肩の力が抜けた陽は軽く手を上げて答えた。


 陽たちは会場の端の方に移動しつつ、形式だけの挨拶を終わらせる。やっと同窓会らしく高校の思い出話を始めようとしたところで、

「陽くん、光紀! 久しぶり〜! 全然変わってないね!」

と、またもや声をかけられた。目を向けると、高校で同じグループだった貞吉さだよし明音あかねがブンブンと音が聞こえそうなほど腕を振っている。隣で光紀が、

「全然変わんないな。ちょっと安心した。」

と吹き出した。たしかに、と同意して自分達の方まで走ってくる明音を待つ。綺麗なワンピースを着ていても、底抜けに明るくて何事にも全力な姿は本当にあの頃から変わっていない。


 「わぁ〜! ほんと久しぶり! でもすぐに分かったよ! あの頃の四人でまた集まりたいなってずっと思ってたんだよね〜。会えて嬉しい! あとは奈純なずみだけだね。さっきから探してるんだけど見つけられなくて……。二人は見かけた?」

「いやまだ見てないな。俺たちも来たばっかりでさ。あとで幹事のやつに聞いてみよっか。」

 陽は明音の問いに答えながら光紀と目を合わせる。この空気なんか懐かしいな、と言わずとも通じ合っている気がした。


 せっかくなら仲が良かった四人で思い出話を、という話になり、もう一人の友人であるはた奈純を探したが見つからなかった。


 幹事に聞いてみると、

   『秦奈純 欠席』

と簡潔に文字が並んだ出席者名簿を見せられた。

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