歴史のススメ〜創作における『材料・調味料』

はに丸

自分の知性より上のもの書けない話

 いやまあ……。

 移動と移動の合間の手慰み、思いつきで書き出しております。


 私は小学生の頃から歴史ジャンルカテゴリにどっぷりなため麻痺しているのですが、歴史は勉強としても娯楽としても苦手、興味ない! という方も多いと伺ってます。が、自作品の養分として、なかなかコストパフォーマンスのよい肥やしと主張したい。


 と。言うのもですね。時々、辛口? の創作論などで出てくる問題で、歴史というフリー素材で解決できるのでは? と思ったからです。


 タイトルにあるこれ。


『自分より知性の高いものは生み出せない、書けない問題』


 自分の知性が5として、知性12 を書けるか? てやつですね。人は無から有は生めないため、5が飛んでも跳ねても、5ですわ。


 ここで、たとえばチェスの天才を書くとして。その手筋だけ並べても、5にはわかんねーもん。書けません。


 なので、チェスの天才ご本人さまのプライベートの記録を洗う。もう、複数の天才さまを洗い、自分の中で一旦、噛み砕く。そりゃその天才さまでお話書けそうなくらい。


 その情報を足して、改めてチェスの天才を作ると、意外にキャラの知性は作者を越えます。いや私はチェスがわからないので、例えに関しての断言はにんともですが。


 世の中の作家、天才を書いてるから天才か、といえば違うに決まってるじゃないですか。


 じゃあどうしてるかといえば、


 演出で天才を表現する


 自分以外の情報で補完する


 の合せ技が便利かと。


 この天才は直接使用するジャンルでなくてもいいわけですわ、戦争でもなんでも。表現したいものに近そう〜というものを使う。


 これはあくまで材料、肥やしなので、そのまま使うわけではなく、そして他作品のパクリキャラでもない。


 記録にある死人はフリー素材っすよ


 ここで、不謹慎では? という違うテーブル出されたら話がズレちゃうので先に言っておきますが、世の中の全ては今までの積み上げから来てます。有史以来の情報の上に、人権という概念も近代になって発明されたわけです。


 歴史は情報の羅列であり、事実かどうかは研究者に任せ、反省やらはリベラリスト的な人に丸投げすりゃいいんです。車の構造を種類を確認するように、人間の情報種類リストを確認するだけのお話です。


 20年くらい前になると関係者もおられますから、少々の問題が生じますが、100年以上前ならフリー素材として使われまくってます。太宰治ぽい芥川龍之介ぽいアンニュイな『文豪ぽい』キャラ、めっちゃおるやん。太宰や芥川のことをほぼ知らない人にも『めんどくさそうな文豪ぽい天才作家』として読み取れる記号化の極地。


 ただ、どこから引っ張ってくる? てのは、悩みどころではあります。おすすめは逸話集。ざっくり適当な時代の有名人逸話集をざーーとザッピング読みして、面白いこと言うやつをチェックし、そいつらに深めに潜るくらいでしょうか。


 天才でも色々あるかと思います。とにかく頭がまわる天才でも、情報精査が強いのか、勘が強いのかで発言や見せ所変わるかと思いますし。


 まあ、自分より頭のいいモデルタイプを確認して、なぜこんな発想なのかを考え咀嚼し、自キャラにフィードバックをするにあたり、歴史からザッピングすると、種類とネタ豊富で良いですよ、て話でした。


 私はある、人当たりのよい人心掌握術がうまいけどどこか個人主義の人物を書くにあたって、クラシック指揮者のニキシュを参考にしたことある。指揮者、マエストロはみんな有能で個性的な人が多いので、おすすめです。


 ところで、自分より頭の良いキャラより、自分よりはるかに頭の悪いキャラクターのほうが、実は苦労すると持論展開。ほんらいなら、自然と考える難しくない最適解がわからず進んでいくわけで、発言に気を使います。モブや敵ではない、いっそ主役の相棒レベルで、頭が悪く視野狭窄で悪い役ではないけど粗野で口汚く酒乱、というね。IQ3くらいのバカはかなり大変でした。

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