クソゲー評論(仮想の)

ミンイチ

第1話

 ゲーム機の形態がどんなもの―PCや据え置き型、持ち運び型になろうとも、クソゲー、ネタゲーはいくらでも生まれてきます。


 今回そのようなクソゲー、ネタゲーのうち、フルダイブVRゲーム向けで発売されたものの一つを紹介します。


 ゲーム名は「メカニックキャットOnmyozi」だ。


 これはフルダイブVR用ゲーム開発の初期に発売されたものだ。


 ゲームのあらすじは、猫の耳をつけたアンドロイドが未来から平安時代にタイムスリップし、安倍晴明として陰陽師になって平安京に巣食う悪霊を退治していくというものだ。


 あらすじからも漂うクソゲー感だが、このゲームをクソゲー足らしめている要因は他にもある。


 まず、どこかの映画村のような時代再現の酷さ。


 町のどこかに公衆電話が置いてあったり、八百屋にサツマイモやピーマンなどの外国由来の野菜が置いてあったりする。


 次に、信じられないほどの操作性の悪さ。


 まるで隙間が木の板でつながれている全身鉄鎧を着ているような操作性だ。


 そして、紙よりも薄いストーリーだ。


 同じようなクエストを何回も何十回も繰り返さなければいけない。



 このゲームは意外にもそれなりに売れた。


 売れた理由はとても簡単だ。


 時代が時代だけに、同じような品質のものばかりだったからだ。

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