痴漢から助けた美少女が推しのアイドルだった。 ~彼女に溺愛されて俺だけこっそり同棲生活を始めました~
高月夢叶
1章 卒業は恋の始まり
第1話 引退会見/うちの会社のウザイ後輩
アイドル。それは偶像の憧れの存在。
でも、もしもアイドルとのガチ恋ができたら?
それは、全ドルオタの永遠の夢!
だけど、それは現実にはあり得ない。絵空事だと思っていた。
推しと出会って、と恋人関係になるなんてそんな夢のような出来事が、自分の身に起こるなんてこの時の俺には思いもしなかった。
俺は、ドルオタで、会社勤めしてから密かに追っている推しの子がいる。
彼女の名は、
アイドルグループ『放課後シスターズ』の絶対センターのカリスマアイドル
まさか、その推しの子が、あんなことになるなんて......
「わたし、叶羽未来はアイドルを引退します!」
記者会見の中、『放課後シスターズ』のセンターのカリスマアイドルの突然の湧writerでの引退宣言を皮切りに、メディアに拡散して 急遽、東京某所で引退会見が開かれ世間を震撼させた。
『どうして、アイドルを引退するのですか、理由をお聞かせ願いますか?』一人の記者が質問した。
「はい、それはアイドルを引退して素敵な恋がしたいからです!」
彼女のアイドルにあるまじき発言に記者は驚く。
「そのお相手は、いるのですか?』記者が続けて質問する。
「実は、先日、電車に乗っていて痴漢に遭ってしまったのです。」
「それは大変でしででしたね。大丈夫でしたか?」と記者は動揺して尋ねる。
その時ある男性から助けられて、それで......」
「その助けてくれた人に、恋をしてしまったということですか?」
「お恥ずかしながら、そうです」 頬を赤らめて言う彼女。辺りは騒然としている。
彼女の周りだけお花に囲まれているかのような華やかな雰囲気が漂う。
『そうですかそんなことがあったのですね』
「ですから一身上の都合ではありますが、お相手を探して射止めます!彼を墜として、いずれは幸せな家庭を築きたいです!」そう恋する乙女のように言うのだった。
***
社畜の朝は早い。朝食は、食パンをトーストにしてバターと餡子の塗り、あんバタートーストにしてカフェオレを飲みながら食べる。
「優雅だねー」と一人ごちてカフェオレを啜る。
このひと時が一日の中で一番落ち着いていて好きだ。
朝食を食べながら朝のニュース番組を見ていると驚きのニュースが飛び込んできた。
『次のニュースです。アイドルユニットの『放課後シスターズ』のメンバー
ニュースキャスターの衝撃の言葉に左藤は耳を疑う。
「推しのアイドルが引退しとるー!!」
俺は、飲んでいたコーヒーを、盛大に吹いてしまう
羽未の引退会見のハイライト映像をテレビのニュースで流れ、佐藤は発狂する。
なんか、シンデレラストーリーみたいなことを言っているな探している王子様は誰なんだ?
まったく、アイドルから好意を抱かれるなんて羨ましい奴め!
未来たんに幻滅される、なにか性癖とか持っていればいいのに。
叶羽未来こと、未んのアイドル引退のニュースは、人々にショックを与え、世間を震撼させた。
テレビや動画配信などで世界中にそのビッグニュースは広まった。俺も、自分の目を疑った。
『放課後シスターズ』それは、三人組アイドルユニット。
国民的アイドルでは無いが、今、最も熱いアイドルグループと言っても過言ではないだろう 。
全世界に、配信というネットの波に、乗せて、世間に彼女のアイドル引退というビッグニュースとして連日取り上げられた。
佐藤は、社畜のサラリーマンだ。今の俺は、は生きる糧を失った哀れな社畜に過ぎない。
『これから、何を生き甲斐に生きていけばいいんだーー!! 』
会社の屋上で、そう叫ばずにはいられなかった
***
うちの会社には、小さい後輩が居る。ライトブラウンのミディアムヘアーが良く似合う彼女。低身長なのに起伏のある抜群のスタイル。
それで、いて、同僚や先輩には愛想が良く、愛されキャラをしている。
こんな言い方は古臭いかもしれないが、いわゆる高嶺の花というやつだ。
そんな手が届く筈もない彼女を俺は観賞用として目の保養で視認するだけの只の後輩だ。
だけど、俺は、知っている、彼女の裏の顔を。
何故か、俺の前でだけ、ウザ絡みしてくる小悪魔な後輩と化していた。
そして、今までは会社のアイドルとして認識してきた彼女のことを今では、ウザ可愛い後輩と認識を改めることとなるのだった。
会社の昼休み。日々、ブラック企業で働く者に取っては社内で唯一の癒しの時間だ。
昼休みという限られた隙間時間で何をするのかというと、それは読書だ。
この憩いのひと時だけが俺に癒しを与えてくれる 。
読むのは決まってラブコメ小説だ。美少女ヒロイン達を想起して癒されるのだ。
俺は、スマホを制服のポケットから取り出すと、PINコードを入力してロックを解除する。
昼休みの時間を利用して日々、WEB小説を読むのが昼休みのルーティーンとなっていた。
だから昼食は、いつも片手で食べられるソイブロックやカロリーメイドなどの味気の無い昼食になる。
なのだが、いつも俺が小説を読んでいるといつも、必ずといっていい程邪魔が入る。
そう、後輩の春風咲実だ。 なんとも春の爽やかさを感じる名前だ。 だけど、名は体を表さない。コイツは爽やかさとは無縁なのだ。
俺は、春風の教育係を命じられて直属の後輩となった。 そのお陰で、昼休みの度にヤツ佐藤のところに訪れるようになって読書どころではなくなったのだ。
「佐藤先輩、いつもそんな昼食ばっかり食べていると栄養が偏りますよ。ちゃんとバランス良く食事を摂ってください。」
「いいよ、別に。腹に溜ればなんだっていい」
春風は、職場に居るときはライトブラウンミディアムヘアーを後ろでポニーテールしている髪を結っている。 それでもって、俺の食生活を気にしてくる。
オカンか! そんな小言を言ってきては返す、別に腹に溜まればなんだっていい。
春風は職場に居る時はライトブラウンのミディアムヘアーを後ろで束ね、ポニーテールにして髪を後ろで結っている。その姿が、スポーティーで、可愛らしい。
だが、俺の食生活を指摘してくるのは勘弁して欲しい。
正直、昼休みに時間を削ってまでちゃんとした食事をするのが煩わしい。食堂へ行けばちゃんとした飯が食えるけど、いかんせん。食堂の
だから、俺は、いつもデスクで食事を済ませている。
「もー、そんなこと言ってー。わたしがお弁当を作ってきてあげましょうか?わたし、いつも自炊をしているので、先輩の分も作ってあげますよ!」 と調子に乗りながら言ってくる。
「あ、ああ別にいい」と素っ気なく適当に応えて視線をスマホに戻す。
「え?いいんですか?!」と何故か春風は目を輝かせながら嬉しそうに聞き返してくる。
「ああ、だからいいって言っているだろ」と多少のウザさを感じながら応える。
「わかりました!明日、お昼を楽しみにしていてください!!」
「うっさ、耳元で大声出すなよ!」
いったい、何を楽しみにしろというんだよ…… 全く見当がつかない。
「先輩、話す時はちゃんと相手の目を見ましょう!小学生の頃に先生から習いませんでしたか?」
「うるさいなー!お前は、俺の先生か!?」
後輩から、いちいちうるさく注意を受けて気が散って小説に集中できないでイライラする。 早く、どこかいかないかな。
「えっ?わたし、先生みたいでしたか?やった!」
「イヤ、褒めているんじゃない。怒っているんだ!」
なんか会話がちぐはぐでズレてるな。前から思っていたけど、コイツは少し天然が入っているよな…
「ところで、何見ていたんですか?」 とスマホを覗き込んでくる。
「み、見るなよ!な、なんだっていいだろ」
いちいちWEB小説を読んでいることを教えたくなくそう告げると腹風はニヤリとニヒルな笑みを浮かべる。
あ、イヤな予感がする
「あっ、さてはえっちな画像を見ていたんですねー!そういうのは、家に帰ってから楽しんでください」
「見ねーよ、会社でなんか!」
何言っているんだコイツは……
「あっ、じゃあ、家では見るのですね?先輩のえっち!」
「み、見るわけないだろ、バーカ!」
家では見ないのかと言われるとそれは否定出来ないが、春風の前では認めたくなかった。
「焦っているところを見ると怪しいですね」
完全に遊んでいやがる、これだから過度にからかわれるのは嫌いなんだ
「あー、もう!面倒臭いなー。WEB小説を読んでいたんだよ」
貴重な昼休みの時間が、クソー。あらぬ誤解をすると悪いから正直に白状する。
これで変なことなんて考えないだろう。
「へー、先輩、小説読むのですか…知的でカッコイイです。でもどうせ、官能小説でしょ?やらしー!」
「褒めるか貶すかどっちかにしろ!」
見事にあらぬ誤解をしていた……そんな訳ないだろ。
まあ、読んだことあるかないかで言うと読んだことはあるが。
「お前、何か勘違いしていないか?WEB小説って、大体が異世界転生とか召喚モノだぞ?」
まあ、最近の流行は、悪役令嬢とか婚約破棄などの異世界恋愛な訳だが、コイツに言っても分からないか。
「異世界転生?召喚?なんですかそれ?」
「やっぱり分かっていないな」
そもそも女の子は異世界モノとか読まないよな。女子は少女マンガとか少女小説でも読むのか?
「いちいち説明するの、面倒だから、お前も読め。後で、URLを送っておくから」
佐藤も読むだけなら、異世界異世界ファンタジー小説は好きだ。読むだけならな。
「あ、お前のMINEしらないからIDを交換しようぜ」
しまった!ついナンパの口説き文句みたいになってしまった。
春風は引いていないだろうか?
いいですよ!先輩と、趣味の共有ができて嬉しいです!」 と妙に嬉しそうにしてくる春風と連絡先を交換する。
「もう用は済んだろ、さっさとどっかいけ。読書が出来ないだろ」
「ちぇー、わかりましたよー。だからモテないんですよ!」と、春風は小言を言い残し、不貞腐れて自分の席へ戻っていくのだった。
余計なお世話だ!
***
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