狂気

メンタル弱男

狂気



 いつも聞こえるのは、自分の声だった。

『何をすればいい?』

『どうしたらいい?』

 頭の中で鳴り響く、意味のない言葉。孤独と不安をかき消すための音でしかない。


 一人でいる時は、時間が経つのが早いような気がする。

「誰か、会いたい……」

 そう漏らす声は、テレビの奥で笑うタレントの明るさに負けて、静かに消える。


 また一週間が始まるのだ、とため息を一つ。

 変わり映えしない毎日は、自分の足もとを知らず知らずのうちに冷やしている。いざという時に、僕はどうも動けない。


 決意がないのは、今を引き伸ばすためでもある。でも……

『これでいいのかな?』と、また自分の中で声が生まれる。


 姿を持たない自分が、じっと僕を見ている。

 

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狂気 メンタル弱男 @mizumarukun

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