総括
二月から開催しました「あなたの小説の方角はどちら?(通称:方角企画)」、無事終わりました! ありがとうございます!
終わるのはもう二週間くらいまえに終わってたのですけど、私の感想執筆期間は続いておりましたのでね、ええ、ええ。遠足は家に帰るまでが遠足ですよ。
方角企画は今回で二回目の開催なのですが、第一回は参加作品数が12作でした。期間後の応募もあって実際はもう少し増えますけども。
そして今回(第二回)の参加作品数は36作! 何と(約)三倍もの作品を応募していただきました! ありがとうございます! 複数作を応募してくださる方も何人かいらっしゃいました。
正直私としては、今回を開くまえの予感として「まあ5作くらい応募があれば良しとしないとなあ」くらいに思っていたのです。そう思った根拠は特にないのですが、少なくとも前回よりは応募減になっちゃうだろうと。
ところが終わってみると何とまあ何とまあで。盛況を楽しませていただきました、ありがとうございます。
また私としては応募作品数以上に、本企画でお知りあいになれた方が数多くいらっしゃったのが嬉しいです。
方角企画は交流性の高い書き下ろし企画としては、シンプルなようでいてやや異質な企画だと思います。
エンタメ小説が大勢を占めるであろうカクヨムにおいて、エンタメ小説を一方角に収め、非エンタメ小説のスペースを大きくとる。まあ実際はエンタメの人口密度が高いだけなのですが。
こういった企画趣旨により、普段エンタメ小説を書いている小説書きは「せっかくなら」と非エンタメ小説に挑戦をしてみる。そして“異文化交流”をしてみる。良い気分転換になったのではないでしょうか。
本企画で得た知見を普段のエンタメ執筆に活かすのは正直あまりオススメしませんが、何かしらをお土産にしていただければと思います。
そして普段非エンタメ小説を書いている小説書きにとって方角システムは、自分が純粋に好きな作品で企画参加する際に背中を押してくれる存在になったんじゃないかと私は思っています。
人は、自分が面白いと思わない小説に出会ったときに「つまらない」と感じます。そして場合によっては、自分の知っている面白さに寄せようと“アドバイス”をします。
本企画の参加作品には“つまらない作品”が多かったでしょう。面白いと思わない小説が多かったはずです。
しかし私が見るかぎり、本企画の参加作品に「つまらない」という言葉が投げられることはおよそありませんでした。指摘OKの企画であるにもかかわらずです。
それは方角システムがあったからです。
面白いと思わない小説に出会ったときに「つまらない」ではなく「自分には合わない」と感じ、かつ「じゃあ方角はこの辺りなのかな?」と面白いと思わないなりに考察する。そういう向きあい方を方角システムが提供し、参加者の方々が受けいれてくださったからです。
非エンタメ小説を書いている小説書きは、自作が大衆的でないことを知っています。自作を面白いと思わない人が多いことを知っています。
だから「自分には合わない」と言われるのは、寂しさはあるけれど傷つきはしません。縁がなかっただけなのだと思えるから。
しかし「つまらない」と言われるのは、傷つくし、惑う。自分が思う自作の魅力に触れることもなく否定された気持ちになるから傷つく。縁がなかったから「つまらない」と思われたのか、自分に実力がなかったから「つまらない」と思われたのかがわからないから惑う。
そして「面白いと思われたいなら、こうするべき」とエンタメに寄せるだけの“アドバイス”をされるのは、もっと傷つく。その作品にどんな魅力があるかを見ようともせずに軽率に自作にずかずかと上がりこみ、自作の大事なところを荒らされたような気持ちになるから。
本企画には、異文化を異文化と尊重する空気が漂っていたと思います。
品質まで肯定する必要はないが、存在は肯定する。それが異文化交流だと思います。
カクヨムは小説投稿サイトであって、小説提供サイトではありません。
アマチュアなのだから、非営利なのだから、自分や数少ない人だけが面白いと思う小説を書いていたっていい。読者の時間を奪うだけが小説ではありません、読者と同じ時間を過ごすのも小説です。
そんなひとつの原点の場を、方角企画はささやかながら提供できたのではないかと私は思っています。
第三回の開催を約束することはできませんが、もしまたいつか開催することがありましたら、より良い異文化交流ができたらいいなと思います。
そして私フィンディルは、カクヨム外にて「フィンディルの感想」という感想活動を行っています!
本企画では簡単な感想をお書きしましたが、普段はもうちょっと頑張った感想を書いております。
10000字以内の小説を応募していただきましたら感想をお書きする(かもしれません)ので、「フィンディルの感想」で検索するか私のツイッターをチェックしてみてください!
「この人面白い感想を書くな」「この人の他の感想も読んでみたいな」「この人にあの作品の感想も書いてほしいな」などと思われる方がいらっしゃいましたら、是非ぜひ本企画を縁に仲良くしていただければと思います。
みなさんありがとうございました! これにて第二回方角企画は終わりでーす!
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