第43話~峰岸君の想い~
峰岸君とクリスマスの街を歩き日が落ち始めた頃イルミネーションの明かりが所々目立ち始めた。昼間は晴れていた空も雲が覆い始めている。
「そろそろ暗くなってきたし、気温も下がり始めたから帰ろうか。家まで送っていくよ。(本当はもう少し一緒にいたいけど…帰りが遅くなるのはダメだしね…)」
「そうですね。お家まで…ありがとうございます…」
峰岸君の提案に美桜は顔が赤くなり、お礼を伝えて二人は美桜の家に向かって歩く。
美桜の家の前に着き美桜はお礼を伝える。
「み…雅君…。今日はいろいろありがとうございました。すごく楽しかったです。またお出かけ…出来たら嬉しいです。あと、茶道の方も…」美桜は顔を赤らめ恥ずかしながらも笑顔で自分の気持ちを伝えた。
その様子に峰岸君も顔を赤くしながら自分の気持ちを伝える。
「ぼ、僕も!すごく楽しかった!また一緒に茶道したりお出かけしようね。それじゃ、またね。メリークリスマス、一ノ瀬さん。」
二人は微笑み合い約束をして峰岸君は帰っていった。
峰岸君は帰りながら美桜の事を考えたり出会いや今日の出来事を思い返していた。
「(今日は楽しかったな。一ノ瀬さん、あんなに茶道の事興味持ってくれて、独学までしてくれて嬉しかったな。次の約束までしたし…。
そういえば、一ノ瀬さんと出会ったのは入学式の時だったな…。迷っている一ノ瀬さんに声を掛けて一緒にクラスまで行ったんだよね。
行く途中、「クラスもうすぐだよ」って声を掛けようと一ノ瀬さんを振り返ったら階段で転びそうになったのを僕が受け止めたっけ。今思うとすごい事したなぁ。一年の時は別のクラスだったけど、今は同じクラスで…最初はおとなしめの目立たない女の子と思っていたけど、勉強がすごく出来て運動も出来るように工夫しながら頑張っている姿にいつのまにか目で追うようになったんだよね…。
眼鏡を外した姿はすごく可愛くてびっくりしたな…。僕が絡まれているときに飛び出して庇ってくれて、かっこいい一面もあるのを知って、そのあとのアドバイスの笑顔が可愛くて…。
気の強い一ノ瀬さんもかっこよくてすごいと思ったけど、僕は日頃から勉強も苦手な事も好きな事も一生懸命に頑張ってる一ノ瀬さんが可愛いって思って……あ…僕…一ノ瀬さんを好きに…なってたのか…。そっか…きっと目で追うようになったあの時から…。この気持ちをいつか……。)」
ようやく自分の気持ちに気づいた峰岸君はまた顔が赤くなると同時に気持ちを伝えようと決意するのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます