第3章 帝国の崩壊と空から来る災害
3-1
『王よ、アインゼ全域の掌握完了しました』
「ミネルスお疲れさま。それじゃあ、
“““バッ”””
私が命令すると各蟻たちのリーダーが勢いよく右前足を挙げ敬礼し去っていった
「ねえミールいつの間に蟻たちに敬礼なんて仕込んだの?」
『私も教えた記憶がないのですが、アンバーさんやミネルスさんたちアンデットの方々がやっていたのを見て覚えたのだと思います』
「ふーん」
魔力感知と気配察知を使い私たち以外の生物がいない、つまり全ての敵を倒したことを確認できたためミールに生産系統の蟻と一緒に来てもらっていた
「よし、みんなで戦利品の確認をしようか」
目の前にあるいくつかの品を見つめながら呟いた
『それでは説明させていただきますね。まず
そこまで説明したフォスが目の前の品の中から一際大きなものを念力で持ち上げた
『そんな中でもこれは回収できました。ご覧の通り
その巨大な結晶はとても美しかった結晶の中で光が反射し透明な結晶から虹色の光が漏れ出している、そして何より目が吸い込まれるのはその結晶の中に囚われた1人の少女だろう
その少女はまるで気持ちよく水面を漂っているような穏やかな表情で白銀の長髪を結晶の中に広げていた。また、その裸体は今まで見たこともないようなほどの透明感のある肌で大事なところは結晶の中で反射した虹色の光が隠している
流石に全年齢対象のゲームだ謎の光が邪魔して360度どこから見ても隠してくる
さて、鑑定してみますか。“鑑定”
境界竜の
死に頻した境界竜が死に際に見い出した生と死の境界を用いて肉体をすて魂となったもの
竜の有り余る魔力が魂を起点に結晶化している
この周囲だと生と死の境界があやふやになる
………これが
「これ“境界竜の
ほらやっぱりこれ
あれ?なんか驚いたは驚いたでも驚愕というよりもう会えないと思っていた人と会えたみたいな驚きの仕方してるように見えるんだけど、え?この女の子?竜?ってフォスたちの知り合いなの?
「この
『はい、少し前にドラゴノイドについて説明した時に言った知り合いの竜とは彼女のことです』
あ〜、スパロちゃんと会った時にそんなこと言ってたような
「うん⁉︎この娘って
『それでも境界竜というのは私の親友にして妖精国の守護竜である彼女の名です』
『おう、姉様の親友でオレのもう1人の
かなり親しかったのだろうフォスとアンバーがいつになく感情的になっている
『お願いしますメルト様、彼女を私の親友とまた合わせてもらえないでしょうか』
「……それはどういう意味でだい?この魔力の結晶から解放するということかい?それとも君たちのように魂を物に焼き付けて
「君たち姉妹が
『『………』』
「君たちとは仲良くやっていきたいから、私自身堅苦しいのが嫌いだから、普段は多少不敬な態度でも何も言わない。けど、私は君たちの主人、再び生を与えた恩人、仕えるべき王だ。それならば、主人の眷属として、命を救われたものとして、王の臣下として、君達は私に、いや、我に対価もなしに自分の
『『『ッツ…!』』』
私が今まで漏れ出すのを押さえていた魔力を解放するとみんなが息を呑む
フォスside
それの周りはそれから溢れるあまりに膨大な魔力とその魔力に宿った虚構の力によって付近の大気が、空間が、景色が歪む。そこにいるのが確かに偉大な王、根源と接続し世界を知った王、魔術を極めし王という存在であることを嫌でも
今までは良く言え気軽に話しかけられる存在、悪く言えば威厳を感じない存在だった。だが今私の目の前にいるのは思わず息を呑むほどの
『⁉︎申し訳ございませんメルト様、いえ、魔術王様。今までのご配慮に気づかずましてや何もなしに貴方様からの恩寵を授かろうとした不遜極まりない我が行い、何ともうしたら良いか』
「よい、君が私を敬っているのは分かっている。だが、我の尊大な態度に付け上がり自らの立場を忘れるようなことがこれからもあれば罰を下す。尊大な器で臣下を受け止め自らの威厳を示し臣下を導く、これこそが王というものでわないのかい、フォス」
『その通りです』
あぁ、そうだこのお方は正しく王だ、我が偉大な父と同じ優しき広い心で全てを受け止め、先頭にたち民を率いる偉大な王だ
そうだ、だからこそ私はこのお方に惹かれたのだろう。一度も今のように
『我らが王よ、偉大なる魔術王よ。よろしければ我が願いもう一度聞いてはもらえないでしょうか。我が親友、もう会えないと思っていた旧友と我ら姉妹ともう一度合わせても耐えないでしょうか!我が忠義我が運命を全て貴方に託します!ですからもう一度彼女と合わせてください‼︎』
『私からも頼む、マスター、私は貴方の剣として鎧として敵を打ち滅ぼすと誓う!だからお姉様の願いを聞き入れてくれ』
愛しい妹の声が聞こえた
妖精国の騎士となってから聞くことがなかった“私”と自分を呼んで、妖精国に対しての忠義をやめ、貴方の敵を倒す剣になると貴方を守る鎧になると誓った
これじゃあ、まるで私は妹にまで対価を出させるだめなお姉ちゃんじゃないか
『『どうか我らが願い聞き届けてもらえないでしょうか』』
メルトside
………やっべーどうしよう、まさかここまでガチでお願いされるとは思わなかった。確かにね王である私になんお対価もなく願うのはどうかと思ってるけどそこまで求めてはないよ〜
フォスもアンバーもちゃんと私を王として敬ってくれてるのは分かってるけどさー、それでも妖精国への、いやお父さん、妖精王への忠義を持っていたし私に忠義を誓えないことを申し訳なくも思っていたのは分かっていたけどさ〜
どうするの?君たちの忠誠はいらないとか言えないじゃん?だからって受け入れるのも可哀想じゃんか、マジでこれどうしたらいいの?
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初めましての方は初めまして、前から読んでくださっている方は続けて読んでくださりありがとうございます。作者のH2ゾンビと申します。
第3章の第1話どうでしたか?いきなり真面目に仕事(戦後処理)をしているシーンから入り、この作品では割とレアなシリアスなシーン、そして最後はギャグみたいなシーンで終わりましたがメルトちゃんの素は一体どのシーンのメルトちゃんなのでしょうか?すっとぼけ
次回もシリアス?なシーンが続きます
それでは3−2でまたお会いしましょう
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