闇に叫べ! 19  catastrophe〜大惨事〜

鷹山トシキ

第1話

 1月5日 - NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』放送開始( - 12月21日)。『かんべぇわ〜』と、ガラガラ声のナレーションにん?と、思ったりした。

   

 弁護士の硴塚龍臣は、AV女優の及川奈央に似た古手川妙子(芸名)との結婚の許可をもらうため、彼女の父親の葉山真一(神田正輝似)とその友人の倉地達也(岸谷五朗似)が暮らす宮城県松島市へと向かった。しかし、真一は龍臣を快く思わなかった。龍臣は真一と打ち解けようと努力したが、却って関係が悪化することになった。翌日、龍臣は妙子が待つ東京に帰ろうとしたが、彼女と電話で会話している最中に奇妙な音が聞こえた。ただならぬ気配を感じ取った龍臣だったが、電話はそのまま切れてしまった。不安を抱えたまま、龍臣は空港へと急行した。

 

 丁度その頃、宮城県警に出向していた呂宋刑事のもとに『1月末までに10人殺す』との不審な電話がかかってきていた。


 空港に到着した龍臣だったが、全ての飛行機が運休になっており、仙台で足止めを食らうことになった。東京で大規模な地震があったという情報は入手できたが、それ以上のことは何も分からなかった。挙げ句の果てに停電が発生した。龍臣はタクシーで真一の家に向かい、真一と達也に現状を説明した。話し合いの結果、真一と龍臣は自動車で東京へと向かうことになった。

「『太陽にほえろ!』のドック刑事は最後まで死ななかったよな」と、運転しながら真一は言った。


 1月7日

 国家安全保障会議の事務局である国家安全保障局が発足。


 海城寺かいじょうじ製パン、同社の製造した和菓子から塩素臭がするジクロロフェノールが検出されたとして、商品を自主回収。


 神奈川県川崎市の横浜地方検察庁川崎支部から集団強盗や強姦などの疑いで逮捕されていた20歳の男が脱走、1月9日に横浜市泉区内の雑木林で逮捕。


 道中、2人は強盗の襲撃を受けたが、元軍人の真一があっさりそれを撃退した。高速道路は電力不足が原因で通行止めになっていたが、真一が兵士たちに掛け合って特別に通行できることになった。走行中、2人は武装した脱獄囚に襲撃された。銃撃戦の末に2人は囚人を倒したが、真一が肋骨を折る重傷を負ってしまった。故障した車は近くの専門店で修理してもらった。2人は修理工の志木に2万を提示し、旅に同行してもらうことにした。志木は窪塚俊介に似ている。🚙


 龍臣たちは物資調達のために亘理という町に立ち寄った。🏔町の西側は丘陵地帯になっており、東側には平野が広がっている。北側の岩沼市との境には阿武隈川が流れ、太平洋に注ぐ。沿岸部には汽水湖の鳥の海がある。


 奥羽山脈と陸前丘陵、さらに阿武隈高地によって雪雲が遮断され、海風によって気温が上昇するため、冬季は県内でも特に晴天率が高く温暖な地域だ。


 町の住人である、霧島レイカという研ナオコに似た女は一行を歓待してくれたが、彼女が発した「海岸側に暮らす人々のほとんどは生きていないでしょう」という言葉で一気に雰囲気が重くなった。

 龍臣は『アザミ嬢のララバイ』を思い出した。

 休息を取った一行は再び東京を目指して出発した。道中、一行はまたしても強盗の襲撃を受けたが、やっとの思いで奪われた物資を取り返すことができた。しかし、運悪くガソリンに火がつき、強盗たちは焼け死ぬこととなった。  

 強盗の犠牲者は2人。1人はコージー冨田、もう1人は斎藤工に似ていた。コージー冨田似が竹中英夫、斎藤工似が市村新太郎という名前が明らかになった。 

 💀2人死亡

 

 志木は人を殺してしまったという罪悪感に耐えきれなくなり、荷物をまとめて行方をくらましてしまった。


 真一の容態は悪化していく一方であったが、医者ではない龍臣には為す術がなかった。「こんなときに桜がいてくれたらな?」

 前妻の桜は女医として大活躍中だった。

 真一は娘の安否を確かめられないまま息を引き取った。💀3人死亡

 真一の病は志木の魔力によるものだった。志木の正体はマッドサイエンティストの朝倉Dr.だ。

 龍臣は残っていたガソリンで真一の遺体を荼毘に付し、徒歩で東京を目指すことにした。龍臣は家族連れの車に拾われて、海岸から離れた遠刈田温泉に寄り、補給品を渡すかわりに車を手に入れて東京に向かった。

 開湯は約400年前の1601年(慶長6年)とされるが、そのはるか以前、金商人の金売橘次によって開かれていたとも伝えられる。古くは「湯刈田」(とうがった)を地名としていた。そのため現在でも「遠刈田」の読みは「とおがった」と「とうがった」の事実上2つ有ると言って良い。


 江戸時代から、蔵王連峰・刈田岳山頂にある蔵王権現(現在の刈田嶺神社(奥宮))への講中登山の宿場町あるいは湯治場として賑わいを見せるようになった。


 1917年(大正6年)には仙南温泉軌道によって鉄道が敷かれ、遠刈田停車場が設置された。この路線は線形の悪さなどのため非常に鈍足で、バスとの競争に敗れ、1937年(昭和12年)に廃線となってしまった。


 1997年(平成9年)4月、蔵王通りがリニューアルされた。これを機に「大道芸フェスティバルin遠刈田」が毎年開催されるようになった。


 やっとの思いで東京に到着した龍臣は灰に覆われた街を見た。妙子のアパートで伝言を見た龍臣は妙子と隣人の阿比留繁が滞在する家に行き、妙子に再会した。阿比留は柴俊夫に似ている。『西部警察』の大将を演じていた。妙子に魅かれるようになっていた阿比留が龍臣をアイスピックで襲い、龍臣は返り討ちにした。再び地震が起き、灰の雲が襲う中、龍臣は妙子を連れて必死に車で逃げた。

 💀4人死亡

 高田渡の『コーヒーブルース』がラジオから流れる。


 1月20日

 雨が降っている。宮城県警の刑事、残間は、車が盗まれて立ち往生していた石田つかさという女性を助け、魅力的な彼女と一夜を共にする。どことなく、鈴木杏樹に似ていた。『あすなろ白書』に出てたなぁ。そこでつかさから彼女の旧友、竹野内薫について相談を受ける。薫は瀬戸朝香に似ており、彼女はつかさに対して異常な愛情を示しており、いつの間にかそれはストーカー行為にまで発展しているのだと言う。この相談を受けた残間は、薫の素行を調べ上げ、法的措置を講じて彼を病院に入院させる。しかし、しばらくして薫は病院を脱走。それ以降、残間とつかさの周りで脅迫めいた事件が続発する。


 仙台タウンにある居酒屋のオーナーである竜崎は、ソニンに似た妻、鈴木琴美(夫婦別姓)と、親を亡くした松坂くるみ、幼い伊丹靖子とともに穏やかな日々を送っていた。


 そんなある日、竜崎の店が拳銃を持った強盗、飯田晃司と草柳弘樹に襲われるが、竜崎は驚くべき身のこなしで2人を撃退する。店の客や従業員の危機を救った竜崎は一夜にして地元のヒーローとなり、新聞やTVで報道される。飯田は田中圭、草柳は知念侑李にそれぞれ似ていた。


 それから数日後、片目のえぐれたマフィアの遠山正雄(津川雅彦似)が、手下2人と居酒屋に現われ、過去を知っているような口調で竜崎に親しげに話しかける。さすがに「おい、金太郎!」とは言わなかった。遠山は、竜崎の正体はは北村で、福島マフィアのボス、葉山真一の弟だと主張する。

 竜崎はそれは完全な人違いでありマフィアとは面識がないと否定するが、遠山はそれを受け入れず執拗に一家につきまとう。津川のモノマネでも知られる松村邦洋からは、津川は「シャレのわかる人」と評された。松村はモノマネ中にしきりに顔を振るのだが津川本人は実際あまり顔を振らないので、津川は『松村ちゃん、僕はそんなに顔を動かさないよ』と注意したらしいが、松村がお中元とお歳暮を贈ったところ(松村は「お中元とお歳暮は感謝の気持ち」とコメント)、津川が松村の気持ちに応えるように顔を上下に動かしながら「これで良いのかな?」と松村に語り、本家がモノマネ芸人に合わせるという、くだけた優しい一面を見せたという。


 神経質になる竜崎のイラつきを感じ取った家族はぎくしゃくし始める。そんなある日、息子、くるみジャックは自分に絡み続けていた不良たちに衝動的に暴力をふるい停学となる。竜崎はくるみに「暴力で事を解決するな」と言うが、くるみは居酒屋での事件を言い返し家を出て行く。


 遠山らはくるみを捕らえ、竜崎に自分を北村と認め会津に同行するよう脅す。その時、竜崎は北村に豹変し、手下2人をケータイ型拳銃で簡単に殺すが傷を負い遠山に殺されかける。しかし、その背後からくるみは遠山を撃ち竜崎を助ける。ケータイ型拳銃にマーキュリーと名前をつけた。ガラケー型で、ダイヤルを押すとアンテナ部分から実弾が発射される。連続で4発の弾丸が発射される。

 💀5人死亡

 

 運び込まれた病院で、竜崎は妻に過去は北村であった事と、しかし過去を捨て竜崎として生き直してきた事を告白するが受け入れられず、妻やくるみらとの関係は破綻する。


 そしてある夜、真一の友人の倉地からの電話を受けた竜崎は北村となり、全てに決着をつけるべく遠路会津に向かう。竜崎は『龍が如く』の大ファンで、映画で岸谷五朗が真島の役を演じたのを思い出した。眼帯をして金属バットを武器に、北村一輝演じる桐生一馬と闘う。

 倉地は竜崎を殺して示しをつけようとするが、逆に竜崎は倉地を鶴ヶ城の天守閣から斬り落として倒す。竜崎は過去を清算し、困憊しきって家に帰った竜崎をくるみや娘は父として受け入れる。そして妻は伏せた顔をあげ、竜崎を見た。

 💀6人死亡


 1月25日

 群馬県警、2013年10月から11月にかけて『海城寺食品』群馬工場が出荷した冷凍食品に対し農薬マラチオンが混入された事件で、同工場勤務の契約社員の男を偽計業務妨害の容疑で逮捕。

  

 那覇検察審査会、2012年8月に発生した香港の活動家らによる尖閣諸島魚釣島不法上陸事件で、那覇地方検察庁が入管難民法違反容疑で逮捕、強制送還された14人について2013年7月に不起訴(起訴猶予)とした判断に対し、不起訴不当と議決。


 4人組のグループがバーナーを用いて金庫破りを行い、金庫を開けたが、金庫内には50万円のみ入っていた。


 メンバーの菜奈の情報では、金庫に500万円が入っていた。

 守衛がブーツを目撃しており、ブーツの柄から笠志木という男に容疑が浮かんだ。


 志木は博士と呼ばれ、仲間からの信頼も高かった。

 志木は街が気仙沼方面で暮らしていた。

 志木には4人の仲間がいた。


 呂宋は志木の情報を掴むのが精一杯であり、顔を殴られてしまった。


 寺尾聰に似た蟻川警視はドロップアウトした若者が外部の若者を全く信用せず、信用が得られれば積極的に庇う体質だとして、志木のアリバイを崩すのは難しいと思っていた。


 時任三郎に似た五十嵐警視正は呂宋に、グループの潜入を命じた。

 呂宋は気仙沼に向かい、スナック『ボム』にいた志木と接触した。


 呂宋は志木が『ボム』を出たのを見て、追跡したが、トンネルでまかれてしまった。

 志木と3人の仲間が合流した。


 菜奈は次に襲撃する『海城寺食品』の見取り図を出して、金庫の部屋の位置を特定した。

 菜奈は給料日の前の晩なので、金庫内に1000万円以上が保管されていること、自分が海城寺食品の社長の愛人であるために間違いないと断言した。


 呂宋はグループと接触し、志木にスナックで忘れたスマホを返した。


 志木は釣りの最中、呂宋にコカインを奨めたが、呂宋は持病があるという理由で断った。


 呂宋は志木と本気で殴り合いをし、なんとか勝った。

 それでも志木は呂宋を信用していなかった。

 メンバーの飯田晃司は呂宋を仲間に入れようとしたが、志木に断られた。

 宮城県警では呂宋の連絡を待っていた。


 メンバーの1人の草柳弘樹が外出した呂宋を追いかけていた。

 志木にふられた女性が自殺を起こしたが、一命をとりとめた。

 女性は志木が日本を脱出すると言ったので絶望していた。

 五十嵐は費用稼ぎのため、志木達が金庫破りを再度すると推測した。

「『ふぞろいの林檎たち』に出ていませんでした?」

 残間は最近、現実と空想の区別がつかなくなっていた。

 残間が変装して呂宋のもとに向かった。

 志木達はクルーザーを利用し、南太平洋やアフリカといった美しい自然に行きたいと言った。


 残間は若者がたむろするスナックに来店したが、志木達に刑事と疑われた。

「カッコがウェストゲートパークっぽいな?」

 志木は苦笑した。


 菜奈と草柳は公園で待っている残間を発見し、棒で殴って気絶させた。

 草柳は「岩井刑事?」と、思わず言った。特別犯罪対策室の岩井と勘違いしていたようだ。ケンドーコバヤシは『BOSS』に出ていた。

 しかし、残間は手帳を持っていなかった。

 菜奈はスナックにいるメンバー全員に呼びかけた。

 志木は呂宋に残間を自動車で運び、海に捨てるよう命じた。

 別グループのリーダーの嵐山は、海に残間を投げ込むことに反対したが、志木に拒否された。

「キムタクに似てるからって調子になってんじゃねー!」


 残間は自動車の車内で、呂宋と二人きりになった隙に、志木達が第2の犯行を行って逃亡するということ、目標額が500万円であることを伝えた。

 呂宋は残間はを海に投げ捨てた。

 嵐山は警察や刑事を嫌っていたが、殺人も嫌っていた。


 志木は呂宋を信用し、仲間に入れた。

「たけし映画の『BROTHER』は面白かったぜ」

「おまえこそ、タカやユージにやられなかったっけ?」

 窪塚俊介は『まだまだあぶない刑事』に出ていた。呂宋も現実と虚構の区別がつかない、『バーチャルリアリティ症候群』なっていた。

 志木達は呂宋にクルーザーを紹介した。

 志木はクルーザーには元々4人分の食料しか無かったので、呂宋をクルーザーに入れるつもりはなかった。


 呂宋達はアパートの一室で金庫破りを決行する夜中まで待っていた。


 残間は宮城県警に、呂宋からの連絡が無いという報告をした。


 志木達が『海城寺食品』に、金庫破りの道具を持って侵入した。

 呂宋はバーナーを持ってきたところで、後頭部を打 撃されて気絶した。

 五十嵐は、志木達が勝手の分からない銀行を襲うのかと疑った。


 蟻川が、菜奈の詳細を確認して食品工場へ出発した。

 呂宋は志木達によってロープで拘束されてしまった。

 志木達は明日、呂宋を海に落とすつもりであった。


 蟻川が工場に到着した頃には、志木達は既に逃走していた状態で、警備員が1人重傷を負っていた。

「あれ?あんた、『西部警察』に出てなかったっけ?」

 寺尾聰は『西部警察パート1』でリキ役を演じた。最後は凶悪犯に蜂の巣にされてしまう。

 残間は嵐山に隠れ家を尋ねたが、よそ者ではあるが警察に渡すわけにはいかないと断られた。


 別グループの一人が志木のもとに駆けつけ、残間が生きていたこと、警察が非常線を張ること、呂宋が刑事であることを伝えた。


 残間は別グループに挑発されながらも、呂宋が殺されそうになっているのに平気なのか、人殺しと同じであると宣言した。

 嵐山は残間に、志木達がヨットハーバーにいると伝えた。⚓


 

 志木達はヨットに荷物を積んでいた。

 呂宋は車内にロープで監禁されていた。

 呂宋は念力を使い、縄をほどき、志木たちを叩きのめした。


 残間や警察官が駆けつけ、グループ全員を逮捕した。

 嵐山は呂宋に感謝した。

 呂宋は宮城県警捜査員全員に歓迎された。


 

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