意気地無し
「拓児 先ぱi……いえ、拓児、さん。 あたし、綺麗……?」
「うん。 綺麗だよ、
目の前には、純白のウェディングドレスに身を包んだ、望。
あの騒動から、三ヶ月。
俺達は、今日、小ぢんまりしたチャペルで、式を挙げる。
「
「宜しくお願いしますよ、
「後先考えず上京して、休学して、子供産んで、風俗に身を
幸せにしてやってね♡」
「新婚早々、不安要素しか無い」
「兄ちゃん、しっかりな!
ウチとこみたいに、二年でバツイチなったらアカンで!
養育費やら、泥沼化するさかいな!」
「一ノ瀬さん、旦那さんと、そんな速攻で破局を迎えたんですか……」
「子安君、君も、妻子を持つ身になったんだ。
これからも、より一層の躍進を祈っt「わ、分かりました、ヒゲメガn……いえ、課長」
「一ノ瀬さん! 近所の九条ですけど、
この退去で、シェアハウスの騒音、静かになるんでしょうね!?」
「何で、ワシ
「俺達、来ちゃって良かったンスかね? 剛力 巡査長」
「拓児さん」
「瞳ちゃん」
「今迄、お世話になりました。
又、家族三人で、トキワ荘に、遊びに来て下さいね」
「新居は、隣町なんだから、いつでも会えるって」
「僕のYouTube LIVEも、見に来て下さい。
リア充ってバレたら、リスナー全員からフルボッコなんで、
「お、おう……」
「拓児!」
「星夜……」
「あーあ、うっさいのが、二人いっぺんに出てって、此処も、静かになるよなー」
「………………」
「……鼻水グジュグジュの顔で、言う事じゃ無いですよ、星夜さん」
「! う、
「拓児、さん」
「望……」
「ばう、あぁ」
隣には、元彼の家迄調べて、幼子を置き去りにしちゃう妻。
その腕に抱かれた、小さな、小さな、娘。
「俺……ちゃんと、やってけるかなぁ……?」
「馬鹿」
「え?」
「『やれるか』じゃねぇ、『やる』んだよ!」
「そう、そう」
「せやで」
「こぉの……」
「「「意気地無しっ!!!」」」
(イクジナシ・完)
イクジナシ ももちよろづ @momo24rose
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。イクジナシの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます