第117回医師国家試験:1日目の終了後に自己採点と復習をすべきか?

 近年では国試の終了後(1日目・2日目それぞれ)に国試予備校が解答速報を公開するのが一般的で、medilink(Q-Assistの運営会社)とmedu4が合同で毎年開催する「講師速報」等の解答速報&自己採点サービスでは自分の解答を登録するだけで大まかな得点が分かるようになっています。


 国試終了後に問題冊子が回収されていた時代もあったそうですが2023年時点では問題冊子は持ち帰り可能で、大学入試センター試験(現:大学入学共通テスト)と同様に問題冊子にメモした解答を自己採点サービスに入力することになります。


 国試2日目が終了した受験生のほとんどは自分の合否を知るために自己採点サービスに解答を全て入力することになりますが、解答の入力は1日目時点で可能であり1日目の解答速報は1日目に公開されるので1日目終了後すぐに大まかな点数を知った上で復習をすることも可能です。


 この「2日間ある試験で1日目の終了後に自己採点をすべきか?」という議題には諸説あり、大学入試センター試験(現:大学入学共通テスト)についてはやらない方がいいという認識が一般的で国試については賛否両論といった所です。


 ここからは私個人の意見ですが、国試1日目終了後の自己採点については「結果によほど自信がない場合以外は行うべき」と私は考えます。本項ではその理由を詳しく説明します。


 大学入試センター試験(現:大学入学共通テスト)については私も1日目の自己採点は百害あって一利なしと考えていますが、これは大学入試センター試験(現:大学入学共通テスト ←毎回書くのが面倒)は1日目と2日目で科目が全く異なるからです。1日目は社会・国語・英語だけで2日目は数学・理科だけなので1日目の復習をした所で2日目の得点向上には全くつながらず、1日目終了後に自己採点などしている暇があれば2日目の数学・理科の勉強に専念しろとしか言いようがありません。


 これに対して医師国家試験は1日目・2日目ともに科目は共通であり、2023年時点では各論75問→必修50問→総論75問という構成も全く同じなので同じ出題範囲・形式の試験を2回繰り返しているだけと言ってしまっても構いません。


 国試では1日目に出題された内容が2日目にも出題されることは珍しくなく、1日目に全く分からなかった問題を復習しなかったため2日目にも失点してしまうといった事態さえあり得ます。そうであれば1日目終了時点で自己採点をして分からなかった所を復習した方がよいですし、1日目の得点を知ることで「2日目の必修問題は75%以上取れれば大丈夫!」といったように安心感が得られる場合もあります。


 ただし1日目を受験した感触が非常に悪く、自己採点してしまうとあまりの低得点に絶望してしまうような場合は流石に自己採点は避けた方がよいでしょう。ただしこの場合は1日目の感触が非常に悪い時点で合格の可能性はかなり低くなりますので、そうならないよう事前にちゃんと勉強すべきなのは言うまでもありません。なお、感触がいまいちという程度であればやはり自己採点と復習はした方がよいと思います。


 また、1日目の解答速報の公開と同時に国試予備校から2日目に向けたアドバイスが公開されることもありますがこれについては話半分で聞いておけば大丈夫と私は考えます。先述した有料の予想問題講座でも的中率はあまり高くない以上、1日目終了後のわずかな時間で考案された無料の出題予想が当たる可能性は極めて低いです。一応目を通しておいて1問でも出ればラッキーというぐらいの受け止め方で十分でしょう。

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