評論 子供用アニメって (水星の魔女BPO審議入りに思う)

みちのあかり

はなかっぱ

 水星の魔女BPO審議入り、が話題になっております。それに対し、コナンは? 鬼滅は? 何々は? などと、他のアニメを引き合いにツイッターで盛り上がっているようです。しかし、私は言いたい。なぜ、NHKで日々子供向けに放映している『はなかっぱ』について誰もつっこまないのだ! 私は日々はなかっぱを子供と見ながら不条理を感じている大人。ここで、はなかっぱについて斜めに評論をしてみたいとおもう。陽キャからみればいちゃもんにすぎないが、所詮だめな大人。言いたいことは書かせてもらおう。



【はなかっぱとは】

 ウキペディアではこのように書かれています。


『はなかっぱ』は、あきやまただしによる絵本作品のシリーズ、およびそれを原作としてNHK教育テレビ→NHK Eテレで2010年3月29日より放送されているテレビアニメ。


緑豊かな「やまびこ村」のかっぱ池で暮らす、頭に皿ではなく花が咲く河童のような家族「はなかっぱ一家」やその仲間たちの日常を描いた物語である。テレビアニメは、2006年4月から放送された『ぜんまいざむらい』の後継番組として放送される。


テレビアニメ

テレビアニメは原作本から登場人物や設定を大幅に変更して、10分番組に仕上げたショートアニメ作品。月 - 金曜日の朝に2話分を放送して、同日の夕方に再放送している。2014年度より、字幕放送開始[1][注 1][注 2]。声の出演者の多くは、同一の回で複数の役を掛け持ちすることがあり、その中の一つの役でクレジットされることが多い[注 3]。また、回によってはナレーションが入ることもある。家族以外の一部登場人物はクレジットの表記揺れなどが見られる場合もある。

( 参照 https://ja.wikipedia.org/wiki/はなかっぱ )


 このように、原作絵本を大幅に変更して作られた子供向け短編アニメーションが『はなかっぱ』。朝晩2回放映している。はなかっぱとその仲間たちが、楽しく遊び、学び、時には失敗をする、ハートフルな物語である。


 表向きはね。


 アニメにするにあたって、テンプレ化(パクリ?)するのが常識。ここでもテンプレで物語は進んでいく。何のテンプレかって? それは絵本アニメ界の金字塔『アンパンマン』。過去にも『たこやきマントマン』など数多くの作品のテンプレとして使われた名作です。アンパンマンと仲間たちの日常にばいきんまんが妨害を仕掛け退治されるという勧善懲悪の黄金パターン。それをテンプレとしてはなかっぱは作られます。


 はなかっぱ  ≓ アンパンマン 

 がりぞー   ≓ ばいきんまん

 アゲルちゃん ≓ ドキンちゃん


 ですね。


 ここで問題は、はなかっぱに正義はないし、がりぞーアゲルちゃんは悪でないことです。アンパンマンVSばいきんまんは、いちおう正義と悪の対立が成立します。しかし、はなかっぱでは?


 はなかっぱは、世界の平和も地元の幸せも考えてない、自己中心的なわがままな、ただのお調子者。花を自由に咲かせるというチート持ち。それだけ。


 対する、がりぞー&アゲルちゃんは、はなかっぱから「わか蘭」を咲かせてもらい、祖父の黒羽根屋蝶兵衛に届けることを命じられただけの悲しい子供。じじいの我がままのため、子供らしく遊ぶことも出来ず、失敗すれば爺の気分1つで報酬のおやつも抜きにされる、ブラック企業真っ青の無報酬過重労働者。


 はっきり言おう! 児童福祉法違反だ! 児童虐待だ! 労働基準法違反だ!


 彼らは犯罪を一つも犯してはいない。いや、なりすましくらいか? 子供だましのお遊び程度だ。爺のしていることに比べたら、いや、爺の命令でやらざるを得ない状況に追い込まれているだけだ。


 そんな彼らが終盤ひどい目にあっても、気にも留めない陽キャども。笑って見送る。笑い者で終わらせる。彼らの努力も辛さも笑いの種にして。


 そしてエンディング。「おやつな~し!」


 仕事に対する報酬どころか、無賃金! 成功報酬しか払わないだと! NHK様、子供たちに何を教えようとしているのですか!




【まとめ】


黒羽根屋蝶兵衛 

 権力者。たとえどんな理不尽な命令でも、目上の者には従えという儒教の教えを世の子供たちに教えようとNHKが仕向けた刺客。気分1つで労働者に成功報酬を押し付け、自分は何もしない。孫であってもこき使う老害だが、それでよしとされている。


はなかっぱとその仲間

 陽キャグループ。たまに、がりぞー&アゲルちゃんに優しいが、基本無関心。酷い目にあっていることも察してやれない、自分たちの事しか考えていない幸せ者。大体のキャラはわがままだらけ。


がりぞー&アゲルちゃん

 両親にネグレクトを受けているのか、両親と死別しているのか、とにかく両親の影が見えない子供たち。祖父の黒羽根屋蝶兵衛と過ごしている。いびつな関係の中、祖父の機嫌を取ることだけが生き残る道、とまで洗脳されたのか、自ら爺のために働くけなげな兄妹。大けがをするような爆発に巻き込まれても誰からも心配されず笑いものにされ、爺からは労働対価おやつすら気分で取り上げられる悲劇の子供たち。それを笑いやざまぁとして描かれ子供たちに見せつけられる。アダルトチルドレンか?




 …………いじめだよ。はなかっぱの世界。虐待肯定だよ。笑ってすましてる。




 こうして、朝晩子供たちは「いじめられる方も悪いよね」という感覚が身に着くのだった。


 などと妄想しながら、日々NHKのはなかっぱを見ているダメな大人は私です。

 

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