第10話
「まぁ……それはそれとして、だ」
魔王に正論を言われ、論破されてしまった僕は話をすり替える。
「とりま、落ちろ」
そして、暴力。
圧倒的な力で全員を驚かせ、論破されてしまったことをうやむやにするとしよう。
「……ッ!?」
地面が消滅し、地の底から伸びてきた幾百もの黒き腕が魔王を拘束して地下深くへと誘い、落とす。
「……街が」
先ほどまでガイちゃんたちが戦っていた街があった場所が消え、終わりの見えないどこまでも続く大穴へと変わったのだ……こんな大きなことを見せられれば僕が魔王に論破された事実などなかったことになるだろう。
「時間稼ぎ、大儀であった。後は我に任せよ」
ただ一言。
それだけをガイちゃんたちへと送り、腕を一振り。
魔法を使って、彼らを僕の仕掛けによって出来た大穴の外へと出す。
「自由落下運動」
「……これ、下に落ちたときの保険ってあるかしら?」
その後、ただひたすらに自由落下運動をこなす僕の横にいるアレティアが疑問の声を上げる。
「ん?ないよ?ちゃんと自分で助かってね?」
「……面倒。こんな大穴どうやって用意したのよ」
「僕の研究の結果だよ……っと。そろそろ地面につくよ」
「りょーかい」
僕とアレティアは同時に魔法を発動させ、落下に備える。
「ほっと」
一切の衝撃なく地面へと降りた僕は視線を先に大穴の底へと誘われていた魔王の方へと送る。
「……まさか、このような仕掛けをしているとは」
「ふん。あんたに関してはすべて僕の手の中だよ……ただ一つの誤差もないね」
既に黒き腕をすべて振り払っていた魔王が口元を不愉快そうに歪めながら僕のことを睨みつけてくる……流石に魔王も僕とアレティアの実力を察すか。
「……ん?」
僕と魔王が無言で睨み合いをしていたところ、何かに気づいたアレティアが後ろへと視線を送る。
「……魔族?」
後ろを振り向いたアレティアの言葉を聞いて、僕も後ろへと視線を送る。
「……ッ」
そんな僕の視界に映ったのは数十人にも及ぶ魔族であった。
「おぉ!我らが同胞ではないか!……くくく。小童。これも貴様の手の内か?」
魔族たちを見て、魔王が感嘆の声を上げ……そして、僕をからかうように笑った。
あとがき
テストも終わったから、更新再開するでぇー、完結まであとちょい。
そして、調子に乗って新作。
『主人公に殺されるゲームの中ボスに転生した僕は主人公とは関わらず、自身の闇落ちフラグは叩き折って平穏に勝ち組貴族ライフを満喫したいと思います』
『https://kakuyomu.jp/works/16817330657494761822』
読んでくれぇい。おねげぇじゃぁ……レビューくれぇい。おねげぇじゃぁ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます