第14話
むせかえるような熱気に男と女の濃密な匂いが立ち込める一室で。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
僕は火照る体を鎮めるべく、魔法で作った氷で体を冷ます。
「……んっ、あぁ……」
そんな僕の隣には一糸まとわぬ生まれたままの姿を晒し、全身ぐしょ濡れでベッドに倒れ伏しているサリアの姿がある。
そんなサリアの豊かな乳房をつたう一滴の汗を僕は人差し指で抄う。
「んんっ……」
「しょっぱい」
人差し指で抄ったサリアの汗を口に含んだ僕はぼそりと小さな声で感想を告げる。
「……変態的です。ノア様」
そんな僕を見てサリアは少しばかり頬を膨らませながら不満げな言葉を口にする。
「それで?サリアよ」
「なんでしょう」
「褒美であった筆おろし?とやらは楽しめたか?褒美足りえたか?」
僕は最後の最後まで抜かりない……ちゃんとやることやった後もロールプレイは忘れない。
「も、もちろんです!私の人生で最良の時間でした!」
「ふっ。それならば我が褒美をやった甲斐があるというもの。我もサリアとの一時は実に楽しめたぞ?」
「それならば幸いです……よ、良かった」
「またやろうぞ」
「ぜ、是非お願いします!毎日でも!」
「うむ……して、既に時刻は夕方を過ぎ、夜と言うべき時間である。始めたときはまだ昼だったのに、だ。仕事の方にもかなり支障が出てくるであろうよ、早く仕事に行くべきではなかろうか?」
終わった後のムーブとか本来は色々あるだろうが……そろそろ仕事が不味い。
僕の書類仕事もしかり、サリアの仕事もしかりであろう。
こんな時間におっぱ始めるものじゃなかった……。
「あっ!そ、そうですね」
僕の言葉にサリアが勢いよく頷く。
「わ、私もそろそろお仕事に戻らせてもらいますね」
ベッドに横たわっていたサリアは体を起き上がらせ、椅子に置いてあったメイド服へと手を伸ばす。
「……」
火照ったサリアがメイド服を着ていくの良い感じにエロいな……うむ。実に良き良き。
「それでは失礼しました」
「うむ。ではまた今夜な」
「ッ!は、はいぃ……」
サリアは僕の言葉に頷いた後、部屋から出て行った。
■■■■■
「ふっ……」
サリアがいなくなった後、僕は部屋で一人。
小さく笑みを浮かべる。
「ちゃんと勝ったぞ」
最初は建前上サリアにされるがままにされていた僕であったが、後半ではちゃんと攻守逆転。
しっかりとサリアに公爵家としての威厳を見せつけることが出来た。
くくく、今世での我が息子は前世よりも遥かにパワーアップしていた……これは将来が色々と楽しみである。
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