コップのフチを全力で走り回るコバエをみた幼馴染がいきなり変なことを言い出したのでオレはコバエ様に感謝した
猫の集会
コバエ登場でまさかの進展⁈
オレは高校三年生。
名前は、
そしてオレの部屋でくつろいでゲームして
いるのがオレの幼馴染
「ねー、幸樹ってさぁ…」
「んーなに?」
「なんでモテるくせに彼女つくらないの?」
…
なんでって…
そりゃ柚乃が好きだからに決まってんじゃ
ん。
なんて言えるわけがねー…
だって柚乃は、オレの事全然男としてみて
いないのだから。
「あー、別に彼女いなくても生きていけるし
さ」
とこたえると、
「ふーん」
と、自分から聞いといてどうでもいいけど
ねーみたいな返事をしてきた。
「柚乃は、彼氏つくんねーの?」
って質問すると、
「はっ⁉︎あたし⁉︎なによ、いきなりそんな質
問…」
と、
なぜか慌てふためく柚乃。
そして頬がピンク色に染まった。
…
え?
もしかして柚乃ってーー……
ついに好きなやつできた⁉︎
はぁー…
そっかー。
ついにそういう時が来てしまいましたか。
わかるよ。
そりゃ柚乃だっていつまでもオレの部屋で
ゲームしてるわけにはいかないってさ…。
でもさ…そんな急に頬をピンクちゃんに染
めてそんな顔すんなって…
そもそもオレの前でそんな顔すんなぁー…
可愛すぎだろ!
誰だよ、柚乃のこころを奪ったやつ‼︎
デコピンの刑に処す
その質問後…オレたちは、沈黙の中黙々と
ゲームをした。
そしてゲーム画面の切り替わり中、事件が
起きた。
突如現れたコバエ。
ウザイ‼︎
オレの部屋を軽快に飛び回る。
奴はハネを広げて軽快に飛ぶ。
飛ぶ 飛ぶ 飛ぶ
あー、ウザ〜
オレも柚乃も思わずそのコバエを見入って
しまっていた。
なぜなら話すことないし、気まずいし…
なんて思っていたらそのコバエがいきなり
柚乃の飲んでいたコップにとまった。
⁉︎
と思っているといきなりコバエの奴が全力
でコップのフチを一周した。
…
なんなんだよ。
コバエ…
そんなにコップのフチを全力で走んなや…
そのコバエの様子を柚乃も当然みていた。
「…あ、コップ新しいの持ってくるわ」
オレが立ち上がろうとすると柚乃が、
「待って、なら幸樹の飲んでるソレ飲みたい
んだけど。」
とオレの飲みかけのジュースを指差した。
…えと、それはそうすると間接キスになり
ますけど…とオレは思うが柚乃はオレと間
接キスとか考えもしないんだろう。
だってオレはそんなポジションじゃないん
だから。
なんなら柚乃は、オレの事きょうだいとか
と思っているのだろう。
そんなことを考えてちゅうちょしていると
…
ホレホレみたいな感じで柚乃が手をひらひ
らさせて、くれよ!みたいな合図を送った。
「それはー…、同じやつあるかもしれないか
らちょっとみてくるわ」
「あー…うん」
ガサゴソガサゴソ
ない、ないんっすけど…
仕方なく違うジュースを持って行った。
「これしかなくてさ、でコップ使うとまたコ
バエにやられるからこのまま飲んで蓋しと
きな」
とジュースを柚乃に渡した。
「あ、…うん」
なんだか渋々蓋をあけて飲む柚乃。
そんなにこのジュース飲みたかったんだな。
今度たくさん買っといてやろっと。
で、気を取り直してゲーム再開…したんだ
けど…
オレがジュースを飲むタイミングで柚乃が
「んもー、一点取られたぁ〜」
と言いながら肩にぶつかってきた。
‼︎
こぼしたし…ってかさ‼︎
肩当たってっから‼︎
ドキッとすんじゃんかよ‼︎
オレはドキドキなのに柚乃は、プシーンっ
て顔してやがる。
こぼしたのなんか知りませーんみたいな。
もしかして…
もしかして柚乃…
めっちゃこのオレのジュース飲みたかった
んだな。
…なんかごめん。
と思いながらしばらくしてまたジュースを
ゴクリと飲むと、
「おっと、ごっめーん」
とまた柚乃が肩にぶつかってきた。
ドキッ。
なんかさー、なんかさっきからぶつかるご
とにいい匂いするんだよー。
シャンプーかなー。
やべーじゃん。
「ゆ、柚乃〜‼︎」
オレは柚乃の髪をくしゃくしゃってしてや
った。
「ウキャ〜」
って言いながら髪を整えてる柚乃。
あーあー…
柚乃は、こんないい匂いした髪を他の男に
触らせるんだろうな。
って…
‼︎
出たなコバエ。
またコバエの奴が軽快に飛び回りだした。
そして柚乃のジュースの蓋にとまった。
「蓋しといてよかったー、ナイス‼︎」
と言いながらオレにハイタッチを求める柚
乃。
お、おぉ…
ハイタッチか。
ぺチッ
ハイタッチを交わした。
手ーー‼︎
久しぶりに柚乃の手に触れ合いましたよ‼︎
幼稚園以来⁈
なんか柚乃の手…
サラサラしてて少しあったかかったなー…
なんて思うオレはキモいよな。
ハハハ…
で、またゲーム再開してたんだけど…
いきなり柚乃が
「あ、キャップあけっぱなしだった。」
と言い出した。
「えっ?」
「もしかしてコバエがフチを一周したかもし
れない」
「あー」
「だから、それと交換して♡」
とジュースを差し出す柚乃。
えっ…
「いや、ダメだろ…」
「なんで〜、いいじゃん」
そ、そんなにこの味のジュースが飲みたい
のか。
ま、昔から柚乃は食い意地半端なかったか
らな…。
「おまえさー…、じゃあコンビニ行くか?」
オレの提案に柚乃は、
「え?なんでそんなにかたくなに嫌がるわけ
よ?」
と眉をしかめた。
「だってさー…」
「なによ?」
「それ飲んだら間接キスになるんだからな」
思い切っていってやった。
すると柚乃は、
「…うん。知ってるよ。だから…だからソレ
がいいのっ」
と言いながら頬をりんごちゃん色にに染め
た。
えっ⁈
何⁉︎
そういうこと⁉︎
えっ⁈
いいの⁇
オレで⁉︎
でも違ってたらやばいな。
なのでオレは冗談で、
「なら、間接じゃなくて直接しようぜ」
と柚乃にいうと…
柚乃りんごちゃんは、
「うん」
と言いながら小さくうなずいた。
⁉︎
マジか。
マジかよーー‼︎
ならば、
オレは柚乃に近づき柚乃の髪を撫でた。
か、かわいー‼︎
その顔は、オレに向けてだったなんて…
数時間前のオレに教えてやりてーってかさ、
柚乃っていつからオレの事好きなんだ?
ま、そんなの今はどうでもいい。
オレは柚乃に優しくキスをした。
チュ〜♡
あ〜、柔らかいです。
「柚乃、好きだよ」
「わたしも幸樹が大好き」
チュ〜♡
ギュ〜♡
これもあのコバエのおかげだ。
さっきウザイなんて思ってしまってごめん
なさい。
コバエ様には、ずっとうちで暮らしてもら
おうか。
そうだ!
ペットとしてお迎え…
いや、ペットなんて失礼だ。
オレは自分にデコピンをした。
オレはコバエ様がいつでも出入りできるよ
うに網戸に小さな穴を開けていつでもコバ
エ様が来れるようにした。
ま、それ以来コバエ様は見てないけどな。
ありがとう。
コバエ様〜。
「柚乃〜、大好き〜♡」
「あたしも大好き〜♡」
いつまでもギュ〜ギュ〜してキスを何回も
しましたとさ。
おしまい。
コップのフチを全力で走り回るコバエをみた幼馴染がいきなり変なことを言い出したのでオレはコバエ様に感謝した 猫の集会 @2066-
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