第2話 召喚

前書き


前回のあらすじ


異世界転移し、召喚士になった主人公



本文



 神との電話が終わり草原に立つ俺。

あの神が本当に力を与えてくれたのであれば異世界でも生きていけると思う。それに...


 「異世界からの召喚に失敗した魔法使い...命をかけるほど崇高な願いでもあったのか?はぁー、本当に厄介なことをしてくれた。本当、馬鹿。召喚サモン、ガスボンベとコンロ」


 俺の目の前に日本でよく使われていたガスボンベとコンロが出現した。なぜ、この2つを召喚したのか。


 「召喚サモン、飲料水、取っ手付き鍋、割り箸」


 また、召喚したものが出現し、俺は満足に頷く。


 「あはっ、これで即席ラーメンが作れる!腹減った。初めての召喚が日本の物になるとは...」


 召喚の力が俺が望んだとおりの力だと分かり、より満足し即席ラーメンを作り始める。

 即席ラーメンが出来上がり、ズルズル麺をすする。


 「皮肉なものだ。俺を召喚した魔法使いは、命を落とした。でも俺はノーリスクで異世界のものを召喚出来る。さて、この先どうしたものか...」


 想像したものを召喚、何でも召喚出来る。例えば、さっきからこっちを伺っているモンスター。ぷよぷよしていて、動きがとろい。


 「おそらく、スライムとやらだな。召喚サモン雷撃ライトニング


 スライムがいる方向に人差し指をさし、電撃がスライムに衝突し焼き焦げる。電撃が通った草も焼き落ちているのを見ると、中々の威力のが分かる。


 「魔法使いがいる世界だから魔法が使えると思っていたが...これはこれは。あははっ。使えるな、この召喚能力。」


 俺TUEEEEが出来る?いやいや、俺はそんなの望んでいない。ただ、平凡な生活が出来ればいいんだ。そのための力に過ぎない。


 「それじゃあ...召喚サモン、神!」



 プルルルルッ、プルルルル


 ズボンのポケットに入っているスマホが振動している。クソっ!なぜ召喚出来ねぇんだよ!スマホを取り出し、画面に神と表示されているのを確認したのち電話にでる。


 『やぁやぁやぁやぁ。残念でしたー!あははははっ。躊躇なく私を召喚しようなんて馬鹿なんですかー?あははははっ。』


 「うっせーっ!さっさと召喚されろ、神!こき使ってやる!」


 『うわー、クズだねー!あははははっ。キミが見たもの、想像したもの以外召喚出来ないよ?残念でしたねー!ばーか、ばーかっ!』


 顔を真っ赤にして、手を握りしめて地面を何度も殴る俺。いい笑いもんになっちまった...


 「はぁー、仕方ない。諦める...いや、いずれ召喚してやる。それより、暇なのか?」


 「頑張ってね☆うーん、暇じゃないし、暇でもあるかなー。バカにしたくて電話しただけー。あははははっ、バイバイ!」


 「あっ!こら、まてや!ちくしょう!電話が切れてやがる。」


 何度かため息をついたあと、旅支度をはじめる。ちなみに、用済みになったコンロ等は全て頭の中で消えろと念じると消失した。


 (よし、こんなもんかな。マジックバッグの中に、色々と召喚したものを入れたし...こちらの服や防具、そして宝剣。誰のか、どこの国の物なのか知らんけど、召喚出来たのだから有難く使わせてもらうよ。)


 「仕事が終わってからまだ寝ていない。この草原は、安全なのか?スライムぽいやつくらいしか居ないし...あー、もう考えるのが面倒。プレハブを召喚して仮眠をとるか。」


 次の日の朝


 うー、朝日が眩しい...

 いい朝だな。もう動きたくないな...あっ...


 「プレハブの周りにスライムが集まってやがる!」


 俺は、プレハブのドアを開け、飛び出しプレハブから距離をとり魔法を放つ。


 「召喚サモン重力圧死グラビティ・キル、どーん!」


 プレハブごと重力によって地面が陥没し、スライムは圧死した。


 「アハハハハハっ!朝からスライムに群がられるとは...最悪な朝だな。うーん、召喚士としての力は隠しておいた方が良さそうだ。絶対争いに巻き込まれる。召喚サモン、スーパーカブ、あとガソリン」


 ガソリンを入れたスーパーカブに乗り、エンジンをかけ走り出す。なぜ、スーパーカブを召喚したのか、それは単に燃費がいいからという理由。


 (さてさて、どこに行こう...街があれば助かるけど。せめて、街の外れに召喚しろよな!)


 目的もなく、適当に走り出すスーパーカブ。召喚士の弱点は、想像が出来なければ召喚されない。言い換えれば脳が働かなくなったら終わり。そうならないよう、準備は完璧なはず。たぶん...どんな危険があるのか未知の世界。不安しかないが、さっさと街を発見して平凡な生活をするんだ!



後書き


次回 遭遇

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