夏を待っている彼女へ

walnut nuts

first version

7月22日…電車の踏切音が鳴り響く中彼は私の前で泣き崩れていた。

なぜこの人が泣いた理由も分からないし、この人が誰かさえも分からない。

けど、ひとまず声をかけてみることにした。

「君大丈夫?」

そう尋ねると、彼は涙を拭って立ち上がり背を向けて一言だけ呟いた。

「大丈夫です」

全然大丈夫ではないでしょと思っていたら次の瞬間彼は逃げるように走っていた。

それはさっきまでの様子とは違い何か目的があるようにも思えたが、この状況からはただの奇妙な人にしか思えなかった。

私も帰ろうとした矢先に生徒手帳が落ちていた、こんなベタな展開ホントにあるんだと思い

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

夏を待っている彼女へ walnut nuts @Walnut1027

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る