荒野とサンゾク
楽 日影
ある日森の中
森林の隙間から差す木漏れ日の中。
少年が横たわっていた。
「・・・、・・・」
少年は眠っている。
起きた。
「う・・・ん・・・」
そして
「・・・ん?」
今度は完全に起きた少年が体を持ち上げるとそこは森の中。
「・・・どこだここ?」
周りを見渡してもそこは森、森、森――――
ある程度見渡したところで、
「!」
自分の服装を見てみた。
服装が変わっている。上は普通の洋服よりも頑丈そうな生地の厚い服を着ていた。下は何か装備のような、鉄だろうか、金属の織り込まれたようなズボンを履いていた。
「・・・」
他にも自分が何か持ってないかと持ち物を確認してみたが、特に何も持ち合わせていなかった。
再び辺りを見渡してみる。
すると
森の中に人が通った後のような、うっすらとした道が確認できた。
その道は森の奥へと続いておりその先は確認できなかった。
「・・・・・」
(・・・とりあえず行ってみよう)
ここでじっとしていても仕方のないことはすぐにわかったのでとりあえず歩き出した。
しばらく歩くと突然森がなくなった。森が途切れたその先には、広大な平野が広がっていた。そこには風に揺れる背の低い草が生い茂っており、平野にはその先の景色が消えて見えるような、いくつかの起伏もあった。
「・・・・・・・あれは・・・??」
日差しを遮るように手で軒を作り、目を凝らして遠くの景色を見ると、
今度は遠くにぼんやりと街が確認できた。その街には遠くからでも確認出来る高い建物がいくつもあった。
(とりあえず何も持ってないし・・・・・・)
このままではこの広い平野で行き倒れてしまうことは確実だ。今の内にあの街まで行かないといけない。
そう思うと、早速遠くに見えるその街までの歩みを始めた。
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