第2話「キューピットのタツヤとキッド」

 〇登場人物紹介2〇


 NO.3 タツヤ 年齢16歳くらい 性別 男性

 魔法陣まほうじんから出てきた、キューピットの少年のひとり。

 かなり、上から目線の高慢に見えるが…


 タツヤイメージイラスト

 https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16818093082165291148


 NO.4 キッド 年齢12歳くらい 性別 男性


 タツヤと一緒に魔法陣から出てきた、新米キューピットの少年。

 優しくタツヤと正反対の性格。


 キッドイメージイラスト

 https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16818093082165531487


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 タツヤは乱暴にソファーにドカッと座りふんぞりかえると、

「で?誰とくっつけてほしいんだよ?」と風花を軽くにらんだ。

「えっ?」

 風花が、なんのことだかわからず、しどろもどろとしていると、

 タツヤは、はっきり用件を言わない風花にふつふつと、怒りが込み上げてきた。



「あ~っ! イライラするぜっ! 鈍い女だな!

 俺様から言わねぇと、わかんねぇのか! だから、お前は、どいつが好きなんだよ!好きな奴がいるから、俺様を呼んだんじゃねぇのか!」

 

 風花はタツヤの物の言い方と、怒った表情が怖くて、

 震えながら瞳に涙を浮かべ涙声でタツヤに謝った。

「ごめんなさい・・・私、実は好きな人いないんです。ただ友達が欲しくて」



 それを聞いたタツヤは、青筋を走らせ怒鳴った。

「なんだとぉ!恋もしてねぇのに、この俺様を呼び出すとは、

 一体どういうことだ!しかも友達が欲しいだと!? 

 キューピットは恋を叶える者なんだぞ!」

 風花はビクッとして、震えながら力なく言った。

「でも、このキューピットの矢を売ってくれた露店のおばあさんが、

 このキューピットは友達にもなってくれるって」



 タツヤは面白くなさそうにチッと、舌打ちをした。

「チッ! あのババア。またしょうこりもなく、やっかいなものを押し付けやがって!」

 と言うと、タツヤはソファーから立ち上がり

「帰るぞ!キッド!」と、魔法陣の上に立った、

「でっ、でも風花さんが」キッドが言うと、

 タツヤはキッドをにらみつけた。

「なんだ?キッド、先輩である

 俺様に逆らうのか」

 キッドは悲しげに、うつむき

「はい、すみません。タツヤ様、ごめんなさい。風花さん」

 風花をふりかえりながら魔法陣の上に乗った。



 タツヤと、キッドが再び光に包まれ帰ろうとする二人。

 その時、「待って!待ってください!」

 風花は必死になってタツヤにすがりついた。

 風花の瞳からとめどなく涙があふれ頬を流れる。

「私は毎日、学校中の人からいじめられていて友達も一人もいないんです!毎日辛くて、このままじゃ私、死んじゃう!!」

「何だと?死ぬ?」タツヤは驚いた。

 タツヤは、風花の肌が見えている部分にいくつものアザがあるのを見つけた。

「オイ!お前、見せてみろっ!」

 グイッと、タツヤは風花の袖をまくりあげた。

 古いあざ、新たに付けられたであろう赤黒いアザが、所々に痛々しいまでにあった。


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 ここまでお読みいただきありがとうございます。

 3話に続きます。

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