第66話 ザ・ポリス③
私達は繁華街に戻り、パトカーに乗って公園へと向かった。
途中、暴走族が邪魔してきたのでみはり先輩がパトカーでぶつかり、さらにこけた暴走族に追い打ちで轢き殺していく。
「まったく、パーティーに遅れたらどうするのさ」
そして夜の公園に私達は辿り着いた。
「よーし行くぞ!」
みはり先輩は先陣を切って夜の公園を突き進む。
「あのう、ドラッグパーティーって公園でするんですか? 普通はクラブとかのVIPルームとかじゃないの?」
「オルタ、詳しいね。もしかしてやってる?」
「やってません」
「まあ、確かに公園ドラッグパーティーはおかしいよね」
と、ヤクモが言う。
「でも、その分、社会のゴミ供を駆逐できるぜ!」
「先輩、駆逐って……」
「お! 噂をすると行くぜ!」
みはり先輩が拳銃を発砲しつつ、東屋にたむろう集団に近づく。
金髪や茶髪のソフトモヒカンやツーブロック、刈り上げの男達が怒声を発して襲いかかってくる。
「オルタ、ヤクモ、ヘルプ! あ、逃げたやつもいる!」
女性数名が逃げていく。
「それは私がなんとかします」
「頼むよヤクモ」
ヤクモは逃げたやつを追いかけて、私は襲ってくる野郎どもを拳銃で撃ち抜く。
そして私達は多少の反撃を受けつつもなんとか駆逐……じゃない、犯罪者を倒しました。
「あの、ポイントがあまり増えてません。というか、敵を撃ち殺していると時折、ポイント減ってたような?」
「実はね、ドラッグは所持と売買が罪になるの。だからキメただけだとポイントは減るの」
と、ヤクモが教えくれた。
「そうなんですか」
「さ、2人共、まだまだいるからね」
みはり先輩がさらに公園を進んでいく。
「この公園は広いんですか?」
「そうだよ。自然公園だからね。バカ広いよ。だから広場とか噴水場、キャンプ場とかいっぱいあるんだよ」
「自然公園ですか。だから木々や植木、花壇、草むらが多いんですね」
昼間だったら緑豊かで安心感があったのだろうけど、今は夜で不気味だった。それに──。
「今、ガサガサ聞こえなかった」
「それは
「そうなの?」
それにしては何か大きなものが動いてできた音のように聞こえたけど。
そして私達は広場に辿り着いた。そこには大勢の人が寝転んでいた。
「事故? なんで倒れてるの?」
「これはダウナーだね」
ヤクモが広場で上の空で寝転んでいる謎の集団をみていう。
「ダウナー?」
「覚醒剤って、気分高揚のアッパー系、ぼんやりするダウナー系があるの。他にも幻覚系とかもあるよ」
「へえ。これはダウナーだから皆、ぼんやりしてるってことか。ドラッグって、色んな種類があるんですね。でも、どうしてそんなに色々な効果というか種類が?」
「ええとね、アッパーは落ち込み気味の時に、ダウナーは嫌なことやイライラしている時に、幻覚系は……あれは快楽かな?」
「……へえ、そうなんだ」
なんか詳しくはない?
「とりあえず今のうちに
みはり先輩が拳銃と取り出す。
「いやいや、手錠で捕まえましょうよ」
と、ヤクモが突っ込む。
確かに撃ってしまうと先程のようにマイナスも含まれてしまう。手錠なら全員にポイントが発生する。
「よし! 次行くか」
みはり先輩が満足気に言う。
「それにしても女性もいるんですね」
私は手錠をかけた女性を見て言う。先程のアッパー系にも女性がいた。しかも普通そうな見た目の女性もいる。
「そりゃあ、ドラッグは男女問わずのものだからね」
「へえ」
「このご時世、不安や不満、人間関係の苛立ちとかあるからね。皆、忘れてたいんだよ。ダウナー系はそういったことを忘れさせくれるんだよ」
と、ヤクモがしみじみと言う。
「本当にやってない?」
みはり先輩がヤクモに尋ねる。
「やってませんよ」
「舌、青くない?」
「オーバードーズもやってません」
「舌が青い? なんです?」
「オルタ、知らない? オーバードーズしてる子って、睡眠薬のせいで舌が青いんだよ」
と、ヤクモが教えてくる。
「そもそもオーバードーズって、なんですか?」
「そこから? ええとね、大量に薬を服用することだよ。それをオーバードーズ」
「睡眠薬って、大量に飲むと死ぬのでは?」
「それは昔の話だよ。今も危険だけど、そうそう死ぬってほどでもないよ」
「へえ」
「それに睡眠薬じゃなくても、風邪薬とかのオーバードーズもあるよ」
「風邪薬?」
「風邪薬とかって、覚醒剤成分が少し入っているんだよ。風邪薬20錠ほどで覚醒剤1回分程度って言われてるんだよ」
「そうなの?」
「うん。それとこの場合は麻薬中毒の前に薬中になるの。自分が少しでも薬中かなっと思ったらサプリとかでしばらく安静」
「サプリ? どうしてサプリに?」
「薬中は錠剤を服用したいってこと。だから錠剤の代わりにサプリを服用。あ、ビタミンAは駄目だよ。ビタミンAは摂取しすぎるのは危険だから」
「しないよ。というかヤクモ、詳しすぎ。経験者? トー横の出身者?」
「違うよ。一般知識だよ。ニュース見てたら詳しくなるよ!」
◯
その後もアッパー系やダウナー系の集団を見つけては殺したり捕まえたりして私達はポイントを稼いだ。
「あと、行ってないところは……バスケットコートか」
「ん?」
「どうしたの? オルタ?」
「向こうの茂みで音が?」
「ん? 別に気にすることないよ。さ、バスケットコートに行くよー」
そして公園を進み、バスケットコートに近づくのですが──。
「何? ゾンビ? 変な人がいます」
地面を殴っていたり、木に登っていたり、三点倒立して歌を歌っていたり、犬のように遠吠えしています。
「珍しい。これは幻覚系だね」
奇行をしている人間を見て、ヤクモは幻覚系だと判断する。
「幻覚系?」
「うん。マジックマッシュルームかマリファナをキメてるね」
「どうするの?」
「オルタ、こいつらは結局暴れるから殺すんだよ」
と、みはり先輩は目の前の犬マネしているおっさんを拳銃で撃ち殺した。
「くっ! ポイントが減った! 所持者ではないのか!」
「幻覚系は所持者が少ないですからね」
「どうして?」
私はヤクモに聞いた。
「マリファナは吸引型でね。ドラッグと違い、タバコのように1人が吸って、それを周りに渡すことが多いの。もしくは密閉した空間で煙るの。だから外でキメてるのはちょっと珍しいかな」
「ヤクモ、本当にやってない? いえ、キメてない?」
「やってない。キメてない。ドラッグとは無縁の生活だから!」
「…………」
「オルタ、信じて!」
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