第38話 人狼ゲーム②【宮下佳奈】
ミニゲームは大縄跳びで皆が上手に跳んで大成功に終わった。
そしてランダムで1人の配役が公開され、ゆるるが客だと判明。
ディスカッションが始まり、
【ユーリ】:「卍に一票」
【ゆるる】:「右に同じく」
【みぃこ】:「私も」
【卍】:「待て待て待て、結論早いから。てか、私じゃないし。ちゃんと議論しようよ」
【メメ】:「語尾忘れてますよー」
【卍】:「拙者でないでござる。これは罠でござる。犯人はみぃこでござる」
【みぃこ】:「焦ってる。怪しいー」
【サラサ】:「はいはーい。ちゃんとディスカッションしましょねー。卍が怪しい理由も言いましょう」
【みぃこ】:「1人だけコップタワーを要求しましたー」
【卍】:「待つでござる。たぶん拙者以外にもいたでござる。ね?」
『…………』
【卍】:「無言はよくないでごさる!」
【サラサ】:「はい。では、投票に移りたいと思いまーす」
【卍】:「待つでござる!」
卍の静止もむなしく、投票が始まった。
そして──。
〈投票の結果、卍を処刑とする〉
【卍】:「嫌でござる。嫌でござる」
卍のキャラクターが絞首台へ連れて行かれてた。
そして縄の輪を首に通されて、
【サラサ】:「では処刑しまーす」
【卍】:「みぃーこーーー!」
絞首台の足元が開き、卍は落ちて、首をぎゅっと絞められ、空中でぶらぶらとなり命を落とした。
【パコ】:「さて後は脱出艇に乗って終わりかにゃ?」
【詩子】:「まだ卍がテロリストと判明してませんわ〜」
【トビ】:「明日を待たないと駄目ってことね。これで卍がテロリストじゃなかったら大変ね」
そして各々はホテルの部屋に入り、就寝となった。
画面は一度暗くなり、すぐに明るくなる。
そしてホテルのラウンジに皆が集まり始める。
【サラサ】:「皆、よく眠れた?」
【ゆるる】:「これゲームだから。一分も経ってたないよ」
【パコ】:「皆、揃ってるにゃ」
【メメ】:「おはようございまーす」
【マイ】:「誰も殺されてない?」
【詩子】:「生きてますわ〜」
【ユーリ】:「はよー」
【みぃこ】:「あら? 私が最後?」
【サラサ】:「トビがまだだね」
『…………』
【サラサ】:「これ
【ユーリ】:「確認しないと駄目なんじゃね?」
【メメ】:「……行きましょうか」
そして皆でトビさんの部屋に入る。
【サラサ】:「鍵が掛かってないということは殺られたね」
その言葉通り、トビさんのキャラクターはベッドの上で血まみれとなり死んでいた。
【サラサ】:「南無阿弥陀」
【パコ】:「仇は討つにゃ」
【ユーリ】:「今頃悔しくて台パンやってそう」
【ゆるる】:「私にも聞こえるよ」
それには私も同意見だ。
台パンをやっているイメージが自然と浮かぶとは……すごい人だ。
【マイ】:「テロリストはまだいるってことね」
【詩子】:「ということはみぃこさんかしら〜?」
【みぃこ】:「なんでよ?」
【詩子】:「だって卍さんを疑ってらしたでしょ?」
【みぃこ】:「いや皆だって疑ってたじゃん」
【詩子】:「なんか〜、そういう空気を作ってたのはみぃこさんでしょ〜?」
【みぃこ】:「違う。これは罠だ。私を処刑させる罠だ。皆、騙されちゃあ駄目!」
【サラサ】:「落ち着いて。まだ朝だから。この後、ミニゲームをやってからディスカッションしましょう」
【メメ】:「ミニゲームは何にします?」
【マイ】:「コップタワーでしょ?」
【みぃこ】:「あ、あの、よろしいでしょうか?」
【ユーリ】:「どうした? 改まって?」
【みぃこ】:「えー、実はわたくし、コップタワーが苦手でありまして……」
【詩子】:「あら? 先に失敗する宣言ですか? 怪しいです〜」
【ゆるる】:「こうして失敗を正当化し、見事、皆の足を引っ張ると」
【みぃこ】:「違います、違います。本当に苦手なんです!」
【パコ】:「怪しいにゃ」
【みぃこ】:「なら他のゲームにしましょう!」
しかし、多数決によりコップタワーになった。
コップタワーはグルグルと回る円形の台に1人1個ずつコップを上に乗せていくというゲームである。全部で20個のコップタワーが出来れば成功となる。
【サラサ】:「リアルだとかなり難しいけど、ゲーム内だからタイミングさえ合えば簡単に乗せられるから難しくないゲームだよ。気楽に行こうねー」
【みぃこ】:「この人です! この人がテロリストです!」
【サラサ】:「言い掛かりはよくないよー」
【みぃこ】:「くっ!」
そしてミニゲームのコップタワーが始まり、結果は失敗と終わった。
【みぃこ】:「私だけじゃない! 他にも失敗した人はいた!」
確かにみぃこ以外にも失敗した人はいた。
私が覚えている限りでは、サラサとユーリ、マイ、パコが1回。私と詩子が2回でみぃこが3回。ゆるるは一度もミスをしなかったはず。
【ユーリ】:「3回は多すぎでしょー?」
【みぃこ】:「待って! 主に最初の方よ。サラサに至っては簡単と言っておきながらラスト手前あたりでミスしましたよ。明らかに足を引っ張ったよ!」
【サラサ】:「いやいや、乗せる前にぐらついていたよ。しかもあれって、みぃこが原因でしょ?」
【みぃこ】:「言い掛かり! 言い掛かりよ!」
【マイ】:「ミニゲームに失敗ってことはテロリストに配役がバレたってことよねー」
そしてディスカッションが終わり、投票が始まる。
〈投票の結果、みぃこを処刑とする〉
【みぃこ】:「いーやーーー!」
みぃこは処刑され、残りは7人となった。
【マイ】:「これで終わればいいんだけど」
【詩子】:「どうなるのかしらね〜」
【ユーリ】:「公安がいるんだろ? ちゃんとして欲しいものだな」
【サラサ】:「その発言は公安ではないってことかな?」
【ユーリ】:「はっはっはー。秘密だ」
そして皆は部屋に入り、就寝。
翌朝となり、ラウンジには崩壊のカウントダウンが1つ減り、2日となっていた。
【サラサ】:「これは今日と明日で決めないとね」
【メメ】:「ユーリが来てませんね。もしかして
【パコ】:「テロリストは生きているにゃ?」
【ユーリ】:「めんご、遅れた」
【マイ】:「全員いるってことはこの中にテロリストはいないってこと?」
【詩子】:「それは違いますよ〜。カウントダウンが減ったってことはみぃこはスタッフだったってことでしょ?」
【マイ】:「そっか。テロリストだったら減らないもんね」
【メメ】:「そして今回、誰も亡くなっていないってことは警備員の守りが成功したってことですよね?」
【ユーリ】:「警備員は名乗った方がいいんじゃない?」
【マイ】:「でもテロリストに狙われるわよ」
【ユーリ】:「もう時間がないんだし言った方がいいんじゃない?」
【メメ】:「私もそう思う。あと警備員が誰を守ったのかも分かれば2人は選択から除外できるし」
【ユーリ】:「だな」
【パコ】:「私が警備員にゃ。守ったのは詩子にゃ」
【サラサ】:「これでパコと詩子はテロリストじゃないと判明かな?」
【ゆるる】:「本当ならね」
【パコ】:「どういう意味にゃ?」
【ゆるる】:「嘘をついていなければという話だよ」
【パコ】:「嘘なんてついてないにゃ。他に名乗りあげる奴がいないにゃ」
【マイ】:「どうかしら? 今、名乗ったら逆に怪しまれると思い、名乗れないとか?」
【パコ】:「ややこしいのは嫌いにゃ」
【メメ】:「でも詩子は確実にシロですね」
【パコ】:「パコもシロにゃ。というかどうして詩子もシロにゃ? テロリストならどうなるにゃ?」
【マイ】:「何言ってるのよ。警備員はテロリストを守れないし、守ろうとしたら殺されるのよ。それに誰も殺されてないんだから守りは成功」
【パコ】:「そうだったにゃ。お恥ずかしい」
姉も隣で「ああ、そうなんだ」と感心している。
【サラサ】:「ん? 今のはオルタちゃん?」
【メメ】:「すみません。姉も警備員の役割をあまり理解できていなかったらしいです」
さて、パコが嘘をついていないなら、ゆるるは客で詩子は客か公安。そしてパコが警備員となる。
残りは私を除くと怪しいのは3名。サラサ、ユーリ、マイ。この3名の中にテロリストがいるということとなる。
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